情報理論I

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 情報理論I
科目番号 17090 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 ① 塩野 充、「わかりやすいディジタル情報理論」、オーム社 ② 石村 園子、「やさしく学べる離散数学」、共立出版
担当教員 松本 剛史,川除 佳和

到達目標

1.集合と論理を理解し,説明できること。
2.関係と写像を理解し,説明できること。
3.群・環・体を理解し,説明できること。
4.順序集合を理解し,説明できること。
5.束・ブール代数を理解し,説明できること。
6.条件付き確率とベイズの定理を理解し,応用できること。
7.情報量とエントロピーについて理解し,計算できること。
8.情報源のモデルを理解し,計算できること。
9.通信路のモデルを理解し,計算できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標 項目 1, 2集合と論理に関する概念を理解・説明でき、応用的な集合・論理の演算が行える。集合と論理に関する概念を理解・説明でき、基本的な集合と論理の演算が行える。集合と論理に関する概念を説明できない。
到達目標 項目 3, 4, 5代数系の概念を説明でき、応用的な問題の解決ができる。代数系の基本的な概念を説明でき、基本的な問題の解決ができる。代数系の基本的な概念を説明できない。
到達目標 項目 6, 7, 8, 9情報量の概念・定義を理解したうで各種符号化手法を説明できる。情報量の概念・定義、および、符号化の基本的な概念を説明できる。情報量の概念・定義、および、符号化の基本的な概念を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 1 説明 閉じる
本科学習目標 2 説明 閉じる
創造工学プログラム A1 説明 閉じる
創造工学プログラム B1専門(電気電子工学&情報工学) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
高度情報化社会・インターネット社会という言葉が表すように,世の中に情報があふれ,日々,多くの情報に接しているにも関わらず,情報の価値や情報の量,情報の伝達に関して計量的に考える機会は少ない。本講義では,情報科学の基礎である離散数学を学び,論理や集合,代数的構造について理解する。また、我々が日々接する情報と情報源をモデル化し,確率的に扱うことにより,情報の発生メカニズム,情報の価値と量,情報を伝達する通信路のモデル化と伝達できる情報量,情報を(1,0)を使って効率的に表現する符号化方式について学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業内容の理解を深め、かつ、到達目標の達成度を確認するため、演習または宿題を課します。
【関連科目】確率・統計Ⅰ、基礎数学
注意点:
授業中にその内容を理解することが最も重要です。「説明を聞いてその場で理解する能力」はいろいろな局面で非常に重要な能力であり,授業はそのような能力を訓練する絶好の機会です。自分で問題を解くことも理解を深める効果的な方法です。演習や宿題を課しますので,積極的に演習問題に取り組み,理解するように努力してください。授業で理解できなかったところは復習し,次の講義までに理解をすることが重要です。
【評価方法・評価基準】
演習・宿題,前期・後期中間試験,前期期末試験,学年末試験を実施する。
成績の評価基準として60点以上を合格とする。
前期評価:前期中間試験(40%),前期期末試験(40%),演習・宿題(20%)
後期評価:後期中間試験(40%),学年末試験(40%),演習・宿題(20%)
学年末評価:前期評価(50%),後期評価(50%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ディジタル情報理論の概要 情報理論の概念について理解し、説明できる。
2週 確率論の基礎知識 情報を確率的に扱う方法について基礎的な数学的記法を理解し、説明できる。
3週 確率論の様々な定理 確率論の様々な定理について理解し、説明できる。
4週 条件付き確率 条件付き確率を理解し、説明できる。
5週 ベイズの定理(1) ベイズの定理を理解し、説明できる。
6週 ベイズの定理(2) ベイズの定理を理解し、説明できる。
7週 情報量(1) 情報量の概念・定義を理解し、説明できる。
8週 情報量(2) 情報量の計算ができる。
2ndQ
9週 エントロピー エントロピー(平均情報量)の基本的な概念を説明できる。
10週 相互情報量 相互情報量の基本的な概念を説明できる。
11週 情報源のモデル 情報源のモデルに関する基本的な概念を説明できる。
12週 通信路のモデル 通信路のモデルに関する基本的な概念を説明できる。
13週 マルコフ情報源 情報源のモデル化に関する基本的な概念を説明できる。
14週 情報源符号化 情報源符号化の基本的な概念を理解し、説明できる。
15週 前期復習
16週
後期
3rdQ
1週 集合 集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。
2週 論理(命題と述語) 論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。
3週 論理(証明と推論) 論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。
4週 関係(直積集合) 直積集合に関する基本的な概念を説明できる。
5週 関係(同値関係) 同値関係に関する基本的な概念を説明できる。
6週 写像(1) 写像に関する基本的な概念を説明できる。
7週 写像(2) 写像に関する基本的な概念を説明できる。
8週 代数系 代数系の基本的な概念を説明できる。
4thQ
9週 群の基本的な概念を説明できる。
10週 環の基本的な概念を説明できる。
11週 体の基本的な概念を説明できる。
12週 順序 順序集合の基本的な概念を説明できる。
13週 束の基本的な概念を説明できる。
14週 ブール代数 ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。
15週 後期復習
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。4
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。4
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。4
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。4
離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。4
情報量の概念・定義を理解し、実際に計算することができる。4
情報源のモデルと情報源符号化について説明できる。4
通信路のモデルと通信路符号化について説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000