制御工学

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 制御工学
科目番号 17130 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書: 井上和夫監修,川田昌克,西岡勝博著,「MATLAB/Simulinkによるわかりやすい制御工学」(森北出版)
担当教員 嶋田 直樹

到達目標

1.フィードバック制御系の構成と利点を理解し,説明できる。
2.微分方程式を使ってさまざまな動的システムが表現できる。
3.ブロック線図をまとめ、その伝達関数を計算できる。
4.一次遅れ系と二次遅れ系の過渡特性を理解し、説明できる。
5.極と安定性の関係を理解し、安定判別が行える。
6.フィードバック制御系の構成法を理解し、その安定判別が行える。
7.基本的な要素に対し周波数応答の表現を行うことができる。
8.伝達関数のボ-ド線図が作図できる。
9.基本的な伝達関数のボード線図を読み取ることができる。
10.ナイキスト線図からシステムの安定判別ができる。
11.ボード線図からフィードバック制御系の安定余裕を判別できる。
12.ツールを用いて制御系設計のモデルベース開発が行える。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標 項目 1,2,3,4フィードバック制御系をラプラス変換、ブロック線図を用いて表現することができる。さらに、一次遅れ、二次遅れ標準形を利用して、制御系の応答性解析、所望の過渡特性を持つフィードバック制御系を設計することができる。簡単なフィードバック制御系をラプラス変換、ブロック線図を用いて表現することができる。さらに、一次遅れ、二次遅れ標準形の特徴を説明することができ、簡単な制御系の応答性を解析することができる。ラプラス変換、ブロック線図によるフィードバック制御系の表現方法について説明できない。また一次遅れ、二次遅れ標準形と制御系解析・設計の関連について説明できない。
到達目標 項目 5,6,7,8,9,10,11制御系の複雑さに応じて適切な安定判別法を選択し、制御系の安定解析、制御器設計に必要な安定条件を導出することができる。極配置などいずれかの方法を用いて簡単な制御系の安定解析、制御器設計に必要な安定条件を導出することができる。いずれの安定判別法についても説明することができず、制御系の安定解析、安定条件を導出することができない。
到達目標 項目 12制御系設計に有用なMATLABの関数を適時利用して、任意の特性を持つフィードバック制御系を設計することができる。また、シミュレーションによって応答性を検証、評価できる。MATLABを用いたシミュレーションによって、あらかじめ設計した制御系の応答性を検証、評価できる。MATLABを用いたシミュレーション結果から、制御系の応答性を検証、評価することができない。

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 1 説明 閉じる
本科学習目標 2 説明 閉じる
創造工学プログラム B1専門(電気電子工学&情報工学) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械を正確に動作させるためのフィードバック制御は、今日の産業において不可欠な技術である。この授業では、安定かつ要求仕様に合わせた実用的なフィードバック制御系の設計方法習得を目標として、制御工学の基礎について学習する。また、理論だけでなくMATLABによるシミュレーション、解析、設計についても学ぶことで、制御システムのモデルベース開発のプロセスを理解する。
授業の進め方・方法:
制御工学の理論は実践することによって深く理解することができる。手計算による計算とシミュレーションによる実証を相互に行うことが必要。
注意点:
WebClassを通じてシミュレーションを含むレポート課題を複数回出題する。必ず提出すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 自動制御の基礎概念とMATLAB入門 自動制御の基礎的な概念を説明できるようになる。
2週 微分方程式による動的システムの表現 微分方程式による制御システムの表現、微分方程式の立式ができるようになる。
3週 ラプラス変換 ラプラス変換を用いた微分方程式の解析ができるようになる。
4週 電気系と力学系の数学モデル DCモータを中心とした基礎的な電気系、力学系の数学モデルを構築することができる。
5週 伝達関数とブロック線図 制御システムのブロック線図による表現、またブロック線図から入出力の伝達関数を導出することができる。
6週 逆ラプラス変換 ラプラス関数で表現されたシステムの時間関数を求め、過渡応答を推測することができる。
7週 DCモータのモデル化と基本的な制御系の伝達関数 DCモータのモデル化と簡単なフィードバック制御の解析ができる。
8週 テスト返却と解説
2ndQ
9週 一次遅れ系の応答 一次遅れ標準形を利用した一次遅れシステムの応答を読み取ることができる。
10週 二次遅れ系の応答 二次遅れ標準形を利用した一次遅れシステムの応答を読み取ることができる。
11週 動的システムのシミュレーション MATLABを用いた動的システムの数値解析ができるようになる。
12週 極と安定性 低次システムの極配置計算、および安定判別が行えるようになる。
13週 ラウスの安定判別法 ラウスの安定判別法を用いた制御システムの安定判別が行えるようになる。
14週 安定な制御系の設計 任意システムについて、適切な方法を用いた安定判別、また安定条件を解析することができる。
15週 前期復習
16週
後期
3rdQ
1週 伝達関数と周波数特性 システムの伝達関数から周波数特性を表現する方法について説明することができる。
2週 ベクトル軌跡の基礎 制御システムの伝達関数からベクトル軌跡を描くことができる。
3週 基本伝達関数のベクトル軌跡 伝達関数の基本要素とベクトル軌跡について説明することができる。
4週 ボード線図の基礎 ボード線図からシステムの周波数特性を読み取ることができる。
5週 基本伝達関数のボード線図(1) 伝達関数の基本要素とボード線図について説明することができる。
6週 基本伝達関数のボード線図(2) 一次遅れ、二次遅れ標準形のボード線図からおおまかな特性を読み取ることができる。
7週 ボード線図の合成 折れ線近似によって、システム伝達関数のボード線図を描画することができる。
8週 フィードバック制御系の特性 周波数特性に基づくフィードバック制御系の特性について説明することができる。
4thQ
9週 PID制御 簡単な制御対象に対する周波数特性に基づくPID制御の設計ができる。
10週 DCモータのフィードバック制御シミュレーション 数値シミュレーションによる設計した制御系の応答性検証を行うことができる。
11週 ナイキストの安定判別法 システム伝達関数のベクトル軌跡から、安定性、また安定余裕を読み取ることができる。
12週 ボード線図と安定余裕 システム伝達関数のボード線図から、安定性、また安定余裕を読み取ることができる。
13週 MATLABによる制御設計とシミュレーション(1) MATLABによるシミュレーションを利用した効率的な制御系設計ができる。
14週 MATLABによる制御設計とシミュレーション(2) MATLABによるシミュレーションを利用した効率的な制御系設計ができる。
15週 後期復習
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力0000000
専門的能力60000400100
分野横断的能力0000000