歴史I

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 歴史I
科目番号 20021 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『高等学校世界史A新訂版』(清水書院)『新選日本史B』(東京書籍)、『グローバルワイド最新世界史図表』(第一学習社)
担当教員 佐々木 香織

到達目標

1.諸地域の文明の特色を風土との関わりにおいて理解する。
2.諸文明の発展が、宗教の成立と不可分の関係にあることを理解する。
3.諸文明が影響関係を持ちながら発展したことを理解する。
4.歴史の思想的転換について理解する。
5.社会構造・身分制度の変遷について理解する。
6.文化史についての基礎知識を得る。
7.世界史で学ぶ国々の正しい地理の知識を得る。
8.日本の古代行政区分や歴史上の地名の知識を得る。
9.歴史的事象に関する語句を正しく読解・表記できる。
10.歴史的事象について考察したことを論理的に表現・記述できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 項目1,2,3,4,5,6,9歴史的事象について読解・表記・説明でき、それらを自分の問題として考察できる歴史的事象に関する語句を正しく読解・表記し、意味を説明できる歴史的事象に関する語句を正しく読解できない。意味が説明できない。
評価項目2 項目7,8世界史・日本史で学ぶ国や地域についての正確な知識を得、地図上に表記できる世界史・日本史で学ぶ国や地域についての正確な知識を得る世界史・日本史で学ぶ国や地域の名称の知識がない
評価項目3 項目10歴史的事象について自ら調査・資料収集し、その内容について考察したことを論理的に表現・表記できる歴史的事象について考察したことを論理的に表現・表記できる歴史的事象についての知識がない

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
国際社会への幅広い視点を持った技術者となるためには、諸国家、諸地域の変遷やそれぞれの影響関係など、現代世界が形成された過程を知る必要がある。そこで本授業では、古代から19世紀までの世界史および日本史の基礎的知識の習得を主眼とし、さらに博物館等での実地調査を行い、その学習成果や体験を論理的に記述し表現できる基礎学力を養うことを目標とする。前期には世界史の指定教科書を用いて19世紀までの世界史、後期には日本史の指定教科書を用いて19世紀までの日本史を学習する。
授業の進め方・方法:
到達目標を達成するため、随時、地図作業、論述文作成などの課題を課す。
夏期休暇に博物館見学のレポート課題を与える。
注意点:
【評価方法・評価基準】
前期中間・前期末・後期中間・学年末の各試験を実施する。成績の評価基準として50点以上を合格とする。
前期末:中間試験成績(50%)、期末試験成績(50%)
学年末:定期試験成績(80%)、長期休暇課題(20%)
    定期試験成績は4回の試験をそれぞれ20%として算出する。
事項の暗記に終始せず、出来事の成り立ちやそれぞれの影響関係についてよく整理しておくこと。
また、それらを明晰な文章で表現できる力を身につけること。
長期休暇課題は必ず提出すること。提出を怠ることは、試験を1回受けないのと同じことです。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 現代の課題-歴史を学ぶ意義- なぜ歴史を学ぶのか、歴史学習を通じて何を身につけるのかについて理解できる。
2週 古代中国文明と東アジア世界 殷から漢までの古代王朝を概観し、日本をはじめとした東アジア世界に影響を与えた事象についての知識を得る。また、東アジア世界を形成した冊封関係について説明できる。
3週 隋・唐帝国の発展と日本との交渉 隋から宋までの中国王朝を概観し、日本への影響を中心に東アジアに影響を与えた事象について知識を得る。
4週 インダス文明と多宗教世界 仏教の誕生とカースト制度の成立を通して南アジア社会についての知識を得る。
5週 イスラエルを中心とした一神教の成立 ユダヤ教・キリスト教の成立とその特徴についての知識を得る。
6週 キリスト教・イスラム教の世界 キリスト教・イスラム教の成立について知識を得ると同時に、パレスチナ問題との繋がりを理解できる。
7週 古代ギリシアの発展と衰亡 古代ギリシアの民族・宗教・政治制度および文化についての知識を得る。
8週 共和政ローマの進展 王政・共和政時代のローマの政治制度および度重なる政変についての知識を得る。
2ndQ
9週 古代ローマ帝国の衰亡とゲルマン諸国の乱立 ローマ帝国の政治・文化およびゲルマン民族の移動によるヨーロッパ世界の形成についての知識を得る。
10週 ヨーロッパ封建社会 中世ヨーロッパにおける封建制およびキリスト教会の強権についての知識を得る。
11週 ルネサンス運動とヨーロッパ近代 ルネサンス運動について概観し、絵画・彫刻など著名な作品についての知識を得る。
12週 宗教改革 ドイツにおける宗教改革を中心に、対抗宗教改革が日本にも影響を与えたという知識を得る。
13週 アメリカ合衆国独立の意義 アメリカ独立を通じて民主制の成立について理解する。
14週 フランス革命 フランス革命についての知識を得、共和政への変革について理解する。
15週 前期復習 現代社会の特質や課題に関する主題について資料を活用して探究し、その成果を論述することを通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について歴史の観点から展望できる。
16週
後期
3rdQ
1週 古代国家の形成と東アジア 飛鳥時代の政治体制と外来文化との関わりについて理解する。
2週 律令体制の成立 奈良時代の律令体制および政治の動乱について理解する。
3週 平安遷都と国際関係 平安時代初期の藤原氏による他氏排斥と外戚政治についての知識を得る。
4週 摂関政治と古代文化 弘仁・貞観文化と国風文化についての知識を得、平安初期が中国文化に大きな影響を受けていたことを理解する
5週 院政と武士の成長 平安時代の武士の在り方についての知識を得、彼らが政治体制の変革に関わっていったことを理解する。
6週 保元・平治の乱 保元の乱、平治の乱のそれぞれの歴史的な意味づけについて理解する。
7週 治承・寿永の内乱 自校の立地場所に伝わる伝承を知り、それを日本史全体の中で理解する。
8週 鎌倉幕府の成立 公武二元政治の成立根拠について理解する。
4thQ
9週 復習・論述指導 現代社会の特質や課題に関する主題について資料を活用して探究し、その成果を論述することを通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について歴史の観点から展望できる。
10週 元寇と鎌倉滅亡 元寇および両統迭立が鎌倉幕府に与えた影響を理解する。
11週 南北朝の動乱 南北朝の合一と、室町幕府の体制について理解する。
12週 室町幕府と下剋上の社会 応仁の乱とその後の動乱について理解する。
13週 中世文化 現在の日本文化の源流が、中世文化にあることを理解する。
14週 織豊政権と対外政策 中世から近世への政治体制の変革について理解する。
15週 後期復習 現代社会の特質や課題に関する主題について資料を活用して探究し、その成果を論述することを通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について歴史の観点から展望できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。1
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。1前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前13,前14,前15
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。1
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。1
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。1
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。1
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。2
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。2
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。1
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。1
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。1
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。1
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。1
他者の意見を聞き合意形成することができる。1
合意形成のために会話を成立させることができる。1
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。1
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。1
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。1
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。1
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。1
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。1
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。1
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる1
複数の情報を整理・構造化できる。1
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。1
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。1
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。1
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。1
事実をもとに論理や考察を展開できる。1前16,後9,後16
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。1前16,後9,後16
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。1
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。1
目標の実現に向けて計画ができる。1
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。1
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。1
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。1
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。1
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。1
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。1
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。1
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。1
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。1
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている1
法令やルールを遵守した行動をとれる。1
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。1
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。1
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。1
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。1
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。1
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。1
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。1
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。1
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。1
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。1
企業には社会的責任があることを認識している。1
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。1
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。1
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。1
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。1
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。1
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。1
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。1
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。1
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。1
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。1
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力400000040
専門的能力400000040
分野横断的能力000002020