到達目標
1.フィードバック制御系の構成と利点を理解し,説明できる。
2.微分方程式を使ってさまざまな動的システムが表現できる。
3.ブロック線図をまとめ、その伝達関数を計算できる。
4.一次遅れ系と二次遅れ系の過渡特性を理解し、説明できる。
5.極と安定性の関係を理解し、安定判別が行える。
6.フィードバック制御系の構成法を理解し、その安定判別が行える。
7.基本的な要素に対し周波数応答の表現を行うことができる。
8.伝達関数のボ-ド線図が作図できる。
9.基本的な伝達関数のボード線図を読み取ることができる。
10.ナイキスト線図からシステムの安定判別ができる。
11.ボード線図からフィードバック制御系の安定余裕を判別できる。
12.ツールを用いて制御系設計のモデルベース開発が行える。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
到達目標 項目 1,2,3,4 | フィードバック制御系をラプラス変換、ブロック線図を用いて表現することができる。さらに、一次遅れ、二次遅れ標準形を利用して、制御系の応答性解析、所望の過渡特性を持つフィードバック制御系を設計することができる。 | 簡単なフィードバック制御系をラプラス変換、ブロック線図を用いて表現することができる。さらに、一次遅れ、二次遅れ標準形の特徴を説明することができ、簡単な制御系の応答性を解析することができる。 | ラプラス変換、ブロック線図によるフィードバック制御系の表現方法について説明できない。また一次遅れ、二次遅れ標準形と制御系解析・設計の関連について説明できない。 |
到達目標 項目 5,6,7,8,9,10,11 | 制御系の複雑さに応じて適切な安定判別法を選択し、制御系の安定解析、制御器設計に必要な安定条件を導出することができる。 | 極配置などいずれかの方法を用いて簡単な制御系の安定解析、制御器設計に必要な安定条件を導出することができる。 | いずれの安定判別法についても説明することができず、制御系の安定解析、安定条件を導出することができない。 |
到達目標 項目
12 | 制御系設計に有用なMATLABの関数を適時利用して、任意の特性を持つフィードバック制御系を設計することができる。また、シミュレーションによって応答性を検証、評価できる。 | MATLABを用いたシミュレーションによって、あらかじめ設計した制御系の応答性を検証、評価できる。 | MATLABを用いたシミュレーション結果から、制御系の応答性を検証、評価することができない。 |
学科の到達目標項目との関係
本科学習目標 1
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本科学習目標 2
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創造工学プログラム B1専門(電気電子工学&情報工学)
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教育方法等
概要:
機械を正確に動作させるためのフィードバック制御は、今日の産業において不可欠な技術である。この授業では、安定かつ要求仕様に合わせた実用的なフィードバック制御系の設計方法習得を目標として、制御工学の基礎について学習する。また、理論だけでなくMATLABによるシミュレーション、解析、設計についても学ぶことで、制御システムのモデルベース開発のプロセスを理解する。
授業の進め方・方法:
制御工学の理論は実践することによって深く理解することができる。手計算による計算とシミュレーションによる実証を相互に行うことが必要。
遠隔授業では,毎授業ごとに出題される小テストに解答できるよう授業ビデオを繰り返し視聴し,授業時間は積極的に質問をすること。
【関連項目】 応用数学A,ディジタル信号処理
【MCC対応】Ⅰ 数学,Ⅱ-A 物理,Ⅴ-D-4 コンピュータシステム,Ⅴ-C-5 電力,Ⅴ-C-7 制御
注意点:
WebClassを通じてシミュレーションを含むレポート課題を複数回出題する。必ず提出すること。
【評価方法・評価基準】
前期評価:中間試験(30%),期末試験(30%),レポート(40%)
後期評価:中間試験(30%),期末試験(30%),レポート(40%)
最終成績:前期評価(50%),後期評価(50%)
成績の評価基準として60点以上を合格とする。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
自動制御の基礎概念とMATLAB入門 |
自動制御の基礎的な概念を説明できるようになる
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2週 |
微分方程式による動的システムの表現 |
微分方程式による制御システムの表現、ラプラス変換を用いた微分方程式の解析ができるようになる。
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3週 |
伝達関数とブロック線図① |
制御システムを表現するブロック線図の基本について学び、簡単なシステムのブロック線図を簡単化できるようになる。
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4週 |
伝達関数とブロック線図② |
より複雑なシステムを表したブロック線図について、各種定理を用いて簡単化できるようになる。
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5週 |
電気系と力学系の数学モデル |
DCモータを中心とした基礎的な電気系、力学系の数学モデルを構築することができる。
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6週 |
逆ラプラス変換 |
ラプラス関数で表現されたシステムの時間関数を求め、過渡応答を推測することができる。
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7週 |
DCモータのモデル化と基本的な制御系の伝達関数 |
DCモータのモデル化と簡単なフィードバック制御の解析ができる。
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8週 |
試験前演習
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2ndQ |
9週 |
一次遅れ系の応答 |
一次遅れ標準形を利用した一次遅れシステムの応答を読み取ることができる。
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10週 |
二次遅れ系の応答 |
二次遅れ標準形を利用した一次遅れシステムの応答を読み取ることができる。
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11週 |
動的システムのシミュレーション |
MATLABを用いた動的システムの数値解析ができるようになる。
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12週 |
極と安定性 |
低次システムの極配置計算、および安定判別が行えるようになる。
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13週 |
ラウスの安定判別法 |
ラウスの安定判別法を用いた制御システムの安定判別が行えるようになる。
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14週 |
安定な制御系の設計 |
任意システムについて、適切な方法を用いた安定判別、また安定条件を解析することができる。
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15週 |
前期復習 |
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
伝達関数と周波数特性 |
システムの伝達関数から周波数特性を表現する方法について説明することができる。
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2週 |
基本要素のベクトル軌跡
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伝達関数の基本要素とベクトル軌跡について説明することができる。
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3週 |
ベクトル軌跡演習
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制御システムの伝達関数からベクトル軌跡を描くことができる。
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4週 |
ボード線図の基礎 |
ボード線図からシステムの周波数特性を読み取ることができる。
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5週 |
基本要素のボード線図
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伝達関数の基本要素とボード線図について説明することができる。
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6週 |
基本伝達関数のボード線図
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一次遅れ、二次遅れ標準形のボード線図からおおまかな特性を読み取ることができる。
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7週 |
ボード線図の合成 |
折れ線近似によって、システム伝達関数のボード線図を描画することができる。
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8週 |
ボード線図による複雑なシステムの周波数特性解析演習 |
折れ線近似によって高次システムのボード線図を描き,周波数特性の評価ができる。
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4thQ |
9週 |
ナイキストの安定判別法
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システム伝達関数のベクトル軌跡から、安定性、また安定余裕を読み取ることができる
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10週 |
ナイキストの安定判別演習① |
ナイキスト線図を用いたフィードバック制御システムの安定判別,安定余裕の読み取りができる。
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11週 |
ナイキストの安定判別演習② |
ナイキスト線図を用いたフィードバック制御システムの安定判別,安定余裕の読み取りができる。
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12週 |
ボード線図の安定判別とPID制御
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システム伝達関数のボード線図から、安定性、また安定余裕を読み取ることができる。
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13週 |
フィードバック制御系の設計演習①
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ボード線図による安定判別,安定度解析を活用して,適切なフィードバック制御計の設計ができる。
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14週 |
フィードバック制御系の設計演習② |
ボード線図による安定判別,安定度解析を活用して,適切なフィードバック制御計の設計ができる。
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15週 |
後期復習 |
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電力 | 直流機の原理と構造を説明できる。 | 4 | |
制御 | 伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。 | 4 | |
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。 | 4 | |
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。 | 4 | |
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。 | 4 | |
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。 | 4 | |
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 60 | 40 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |