環境倫理

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 環境倫理
科目番号 15370 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 必要に応じてプリントを配布する。随時、書籍を紹介する。
担当教員 佐々木 香織

到達目標

1.環境が倫理上の問題となってきたことを理解し、環境倫理の枠組みについての知識を得る。
2.環境倫理を含む応用倫理学の基礎となる西洋哲学史の知識を得、それぞれの考え方について理解する。
3.規範倫理学・応用倫理学に関する語句を正しく読解・表記できる。
4.学修を通して得た知識を利用しながら、ある問いに対して自ら考察できる。
5.自らの考察を客観的・論理的に表現・記述できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1 項目1,2,3,4哲学・倫理学の知識を得、それを利用しながら自ら問いを立て考察を行うことができる。哲学・倫理学についての正確な知識を得る。哲学・倫理学に関する語句を正しく読解できない。それぞれの考え方の意味が説明できない。
評価項目2 項目1,2,3,5哲学・倫理学について自ら調査・資料収集し、その内容について考察したことを論理的に表現・表記できる哲学・倫理学について調査したことを論理的に表現・表記できる哲学・倫理学について調査したことを表現・表記できない

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 1 説明 閉じる
本科学習目標 3 説明 閉じる
創造工学プログラム C3 説明 閉じる
創造工学プログラム D2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
国際社会への幅広い視点を持ち、社会や環境に配慮できる技術者となるためには、その基盤となる人間の在り方や社会の仕組み、現代世界が形成された過程を知る必要がある。そこで本授業では、哲学・倫理学および環境倫理の基礎的知識の習得を主眼とし、その学習成果を論理的に記述し表現できる基礎学力を養うことを目標とする。
授業の進め方・方法:
到達目標を達成するため、随時、資料調査、論述文作成などの課題を課す。
事前事後学習:休暇時にレポート課題を与える。
関連科目:現代社会,法と社会秩序,歴史,地理
注意点:
【評価方法・評価基準】
中間・期末試験を実施する。成績の評価基準として60点以上を合格とする。
期末試験成績(100%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 環境倫理とは 環境倫理という分野について概観し、現代社会において何が問題点であるかを理解する。
2週 功利主義① 近代社会の基礎となっている自由主義・個人主義の成り立ちについての知識を得る。
3週 功利主義② 環境倫理の枠組みを明確にするため、環境倫理と対立するジョン・スチュアート・ミルの自由論について知識を得る。
4週 功利主義③ 環境倫理の枠組みを明確にするため、環境倫理と対立するベンサムの功利主義についてについての知識を得る。
5週 環境倫理と功利主義の関係 環境倫理と功利主義が対立関係にあることを理解する。
6週 地球有限主義 現状の地球環境について概観し、地球有限主義が個人主義・自由主義と対立する思想であることについて知識を得る。
7週 保全・保存論争 レオポルド、キャリコットらの土地倫理について知識を得る。
8週 動物倫理① 動物倫理とは何か概観し、その知識を得る。
2ndQ
9週 動物倫理② 動物倫理について、ピーター・シンガーの学説の知識を得る。
10週 世代間倫理① 世代間倫理とは何か概観し、その知識を得る。
11週 世代間倫理② 世代間倫理の問題点とその基礎づけについて知識を得る。
12週 世代間倫理③ 環境倫理を考える上で重要な世代間倫理についてのおさらいをし、知識の定着を図る。
13週 地球有限主義 環境倫理を考える上で重要な地球有限主義についてのおさらいをし、知識の定着を図る。
14週 配分的正義 環境倫理を考える上で重要な配分的正義についてのおさらいをし、知識の定着を図る。
15週 前期復習 学修を通して得た知識を利用しながら、ある問いに対して自ら考察し、その成果を客観的・論理的に表現・論述できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。1
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。1
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。1
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。1
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。1
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。1
公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。4
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。4
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。4
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。4
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。4
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。1
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。1
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。2
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。2
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。2
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。2
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。2
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。2
他者の意見を聞き合意形成することができる。2
合意形成のために会話を成立させることができる。2
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。1
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。1
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。1

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力401050
専門的能力401050
分野横断的能力000