概要:
コンクリート構造学Ⅰで学習した鉄筋コンクリート構造の許容応力度設計法の続きとして,せん断応力による斜め引張力の考え方を説明し,斜め引張鉄筋の設計法を学ぶ。また新たな設計法として耐久性,安全性,使用性などを考慮する限界状態設計法の基本的な考え方を学ぶ。さらに,プレストレストコンクリート構造(PC構造)の原理,特長,施工法および設計法を概説する。意欲的実践的に課題解決に最後まで取り組む中から,技術者としての自らの立場を理解し,コンクリート構造物設計の社会環境における位置づけを学ぶ。この科目は企業でコンクリート構造物の設計を担当していた教員が,その経験を活かし,最新の設計手法、構造形式、施工法等について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
【事前事後の学習など】
毎回,講義内容の理解度を確認する小テスト行い,提出してもらうので,授業外学習時間に復習して理解を深めること。理解できなかったことは必ず質問して理解すること。
【関連科目】
環境都市工学基礎,コンクリート工学,コンクリート構造学I,構造力学I,構造力学II
注意点:
1.授業の理解を進めるため演習課題をレポートとして提出させる。
2.演習問題はコンクリート構造設計の基礎となるものであり,十分理解しなければならない。
【先修条件】
コンクリ-ト工学に関する基本的事項(材料、施工など),コンクリート構造学の基本的事項(応力算定,許容応力度設計法など)および構造力学の基本的事項について理解していること。コンクリ-ト工学、コンクリート構造学Ⅰ,構造力学Ⅰ,構造力学Ⅱ
【評価方法・評価基準】
前期末試験,後期中間試験,学年末試験を実施する。
前期末;前期末試験(80%),小テスト・課題(20%)
学年末;前期末成績(50%),後期中間試験(20%),学年末試験(20%),小テスト・課題(10%)
で評価する。評価基準として,60点以上を合格とする。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
せん断力の作用する部材の許容応力度設計法による設計(1) |
許容応力度設計法による斜め引張鉄筋量の算定方法を理解し,算定できる。
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2週 |
せん断力の作用する部材の許容応力度設計法による設計(2) |
許容応力度設計法による斜め引張鉄筋量の算定方法を理解し,算定できる。
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3週 |
せん断力の作用する部材の許容応力度設計法による設計(3) |
許容応力度設計法による斜め引張鉄筋量の算定方法を理解し,算定できる。
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4週 |
せん断力の作用する部材の許容応力度設計法による設計(4) |
許容応力度設計法による斜め引張鉄筋量の算定方法を理解し,算定できる。
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5週 |
せん断力の作用する部材の許容応力度設計法による設計(5) |
許容応力度設計法による斜め引張鉄筋量の算定方法を理解し,算定できる。
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6週 |
限界状態設計法の考え方 |
限界状態設計法の各種限界状態を理解し,照査方法を説明できる。
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7週 |
限界状態設計法における材料の特性値と設計値 |
限界状態設計法の材料の特性値と設計値を理解し,説明できる。
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8週 |
安全性に関する検討-曲げモーメントの作用する部材(1) |
曲げモーメントの作用する部材の破壊形式を説明できる。
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2ndQ |
9週 |
安全性に関する検討-曲げモーメントの作用する部材(2) |
曲げモーメントの作用する部材の曲げ耐力を算定でき,断面破壊に対する安全性を検討できる。
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10週 |
安全性に関する検討-曲げモーメントの作用する部材(3 |
曲げモーメントの作用する部材の曲げ耐力を算定でき,断面破壊に対する安全性を検討できる。
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11週 |
安全性に関する検討-曲げモーメントの作用する部材(4) |
曲げモーメントの作用する部材の曲げ耐力を算定でき,断面破壊に対する安全性を検討できる。
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12週 |
安全性に関する検討-曲げモーメントの作用する部材(5) |
曲げモーメントの作用する部材の曲げ耐力を算定でき,断面破壊に対する安全性を検討できる。
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13週 |
安全性に関する検討-偏心軸方向圧縮力の作用する部材(1) |
偏心軸方向圧縮力の作用する部材の破壊形式を説明できる。
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14週 |
安全性に関する検討-偏心軸方向圧縮力の作用する部材(2) |
偏心軸方向圧縮力の作用する部材の耐力を算定でき,断面破壊に対する安全性を検討できる。
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15週 |
前期学習まとめ |
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
安全性に関する検討-偏心軸方向圧縮力の作用する部材(3) |
偏心軸方向圧縮力の作用する部材の耐力を算定でき,断面破壊に対する安全性を検討できる。
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2週 |
安全性に関する検討-中心軸方向圧縮力の作用する部材 |
中心軸方向圧縮力の作用する部材の耐力を算定でき,断面破壊に対する安全性を検討できる。
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3週 |
安全性に関する検討-せん断力の作用する棒部材(1) |
せん断力の作用する部材の耐力を算定でき,断面破壊に対する安全性を検討できる。
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4週 |
安全性に関する検討-せん断力の作用する棒部材(2) |
せん断力の作用する部材の耐力を算定でき,断面破壊に対する安全性を検討できる。
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5週 |
使用性に関する検討 ひび割れ幅 |
曲げモーメントの作用する部材のひび割れ幅を算定でき,使用性を検討できる。
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6週 |
使用性に関する検討 変形 |
曲げモーメントの作用する部材の変形を算定でき,使用性を検討できる。
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7週 |
安全性に関する検討-疲労による断面破壊の検討 |
疲労強度を算定でき,断面破壊に対する安全性を検討できる。
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8週 |
PC構造の原理,PC構造の分類 |
PC構造の原理および分類を理解し,説明できる。
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4thQ |
9週 |
PC構造の設計手順 |
PC構造の設計の手順を理解し,説明できる。
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10週 |
PC構造の材料 |
PC構造の使用材料の種類および要求性能を理解し,説明できる。
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11週 |
プレストレス力の損失 |
プレストレス力の損失の算定方法を理解し,有効プレストレス力を算定できる。
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12週 |
PC部材の応力 |
PC部材の応力を算定でき,使用性を検討できる。
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13週 |
PC部材の曲げ耐力 |
PC部材の曲げ耐力を算定でき,安全性を検討できる。
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14週 |
コンクリート構造の施工 |
コンクリート構造の施工手順を理解し,説明できる。
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15週 |
後期学習まとめ |
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 建設系分野 | 材料 | プレストレストコンクリートの特徴、分類について、説明できる。 | 4 | |
プレストレス力の算定及び断面内の応力度の計算ができ、使用性を検討できる。 | 4 | |
コンクリート構造の種類、特徴について、説明できる。 | 4 | |
コンクリート構造の代表的な設計法である限界状態設計法、許容応力度設計法について、説明できる。 | 4 | |
曲げモーメントを受ける部材の破壊形式を説明でき、断面破壊に対する安全性を検討できる。 | 4 | |
曲げモーメントを受ける部材の断面応力度の算定、使用性(ひび割れ幅)を検討できる。 | 4 | |
せん断力を受ける部材の破壊形式を説明でき、せん断力に対する安全性を検討できる。 | 4 | |
施工・法規 | 型枠工・鉄筋工・足場支保工・打設工の流れについて、説明できる。 | 4 | |