法と社会秩序

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 法と社会秩序
科目番号 17810 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 舟橋 秀明

到達目標

1.「法学」とはどのような学問分野であるかを理解できる。
2.日常生活にもっとも密着した法律である「民法」の全体像について理解できる。
3.日常生活において生じうる「民事責任」について理解できる。
4.「消費者」に関係する法律問題を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標 項目1理科系の学問分野との違いを明確に意識することで、「法学」の特徴を正しく理解する。理科系の学問分野との違いが意識でき、「法学」の特徴を理解する。理科系の学問分野との違いが意識できず、「法学」の特徴を理解していない。
到達目標 項目2民法が規定する条文を通じて、「民法」の全体像について正しく理解する。民法が規定する条文を通じて、「民法」の全体像について理解する。民法が規定する条文を通じて、「民法」の全体像について理解していない。
到達目標 項目3自分が民事責任を負担しなければならない場合であっても、法的に正しく対応できる。自分が民事責任を負担しなければならない場合であっても、対応できる。自分が民事責任を負担しなければならない場合であっても、対応できない。
到達目標 項目4悪徳商法などの消費者問題に対して、法的に正しく対応できる。悪徳商法などの消費者問題に対して、対応できる。悪徳商法などの消費者問題に対して、対応できない。

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 3 説明 閉じる
本科学習目標 4 説明 閉じる
創造工学プログラム C1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 私たちは、日常生活を営む中で様々なトラブルに遭遇する。買ったはずの物が届かない、借りたアパートで雨漏りがする、交通事故に遭うなどが想定されるが、その場合、法治国家に生まれた私たちには、実力行使によるトラブル解決が認められないことは当然のことであり、最終的には法律に従って処理していくことが求められる。ただし、その法律にもそれぞれ守備範囲というものがあり、それが正しく理解できていないと適正にトラブルは解決できない。いわば、法律に関する基礎的な知識は、私たちが市民社会の構成メンバーとして平穏無事に生活していくための必須のスキルと言ってもよいであろう。とりわけ、日常生活にもっとも密着した法律である民法の知識は、是非とも身に付けておきたい知識のひとつである。
 そこで、この授業では、まず初めに、わが国における法体系の全体像についてその歴史から概観し、法解釈の方法、法解釈の実際の場である判例の読み方を勉強する。その後、契約、民事責任、そして消費者問題に関する実際の法律問題を素材として、民法等が規定する条文に関する理解を深めていく。
 最終的には、法律学の面白さに触れてもらうことを通じて、「法的なものの考え方」を涵養することを目指す。
授業の進め方・方法:
 特定の教科書等を使わず、授業の際に配布するレジュメや資料を利用して授業をすすめる。授業では、抽象的な法的知識を一方的に教授するようなことは極力避け、日常生活に生じうる身近な事例を素材にして、具体的に問題を考え、反対意見との衝突を想定した議論の場を提供できるよう心がけたい。
注意点:
 法律学には「唯一の正解」なるものは存在しない。法律学は、理科系の学問のように「真理」を追及・発見する科学ではないのである。これが、私たちが法律学を学ぶにあたっての出発点であり、もしかしたらもっとも理解しがたい点かもしれない。また、法律専門用語も難しく感じるかもしれないが、決して外国語ではない、れっきとした日本語である。専門分野とはそういうものだと思って欲しい。
 法律を学ぶにあたって重要なことは、結論それ自体を覚える、暗記することではなくて、その結論に至るまでの思考プロセスであり、どのように根拠付けるかである。この点を授業を通じて強調していきたいと思うが、具体的な事案について実際に皆さんがどのように考えているかを聞く機会をたくさん設けることで、「法的なものの考え方」の定着度を測っていきたいと思う。

【評価方法・評価基準】
中間試験(50%)、期末試験(50%)を実施する。
成績の評価基準として60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 イントロダクション・法学概論1(近代法の歴史) 到達目標1
2週 法学概論2(法解釈論) 到達目標1
3週 法学概論3(判例) 到達目標1
4週 民法総論 到達目標1,2
5週 所有権法 到達目標1,2
6週 契約法1(総論) 到達目標1~3
7週 契約法2(売買) 到達目標1~3
8週 中間試験 到達目標1~3
4thQ
9週 契約法3(賃貸借) 到達目標1~3
10週 民事責任法1(債務不履行法) 到達目標1~3
11週 民事責任法2(不法行為法1) 到達目標1~3
12週 民事責任法3(不法行為法2) 到達目標1~3
13週 消費者法1 到達目標1~4
14週 消費者法2 到達目標1~4
15週 後期復習(全体レビュー) 到達目標1~4
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000