科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 哲学
科目番号 20026 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 必要に応じてプリントを配布する。随時、参考図書を紹介する。
担当教員 佐々木 香織

到達目標

1.西洋哲学史の知識を得、それぞれの哲学者の考え方について理解する。
2.西洋近代の科学史の基礎的知識を得、科学が哲学と相補的関係で発展したことを理解する。
3.哲学に関する語句を正しく読解・表記できる。
4.学修を通じて得た知識を利用しながら、ある問いに対して自ら考察できる。
5.自らの考えを客観的・論理的に表現・論述できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 項目:1,2,3哲学史と科学史の基礎的知識を得、それを利用しながら、自ら問いを立て考察を行うことができる。哲学史・科学史についての基礎的知識を得る。哲学・科学における語彙を正しく読解できない。固有の哲学者・科学者の考え方について理解できない。
評価項目2 項目:3,4,5哲学の事項について適切な調査・資料収集をし、その内容について考察したことを客観的・論理的に論述できる。哲学の事項について、調査したことを表現・表記できる。哲学の事項について、不適切な調査方法を行い、論理的な表現・表記ができない。

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 3 説明 閉じる
本科学習目標 4 説明 閉じる
創造工学プログラム C1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
国際社会への幅広い視点を持ち、社会や環境に配慮できる技術者となるためには、その基盤となる人間の在り方や社会の仕組み、現代社会が形成された過程、科学技術の進展の仕方を知る必要がある。そこで本授業では、哲学の基礎知識の習得を主眼とし、その学習成果を論理的に記述し表現・対話できる学力を養うことを目標とする。
授業の進め方・方法:
到達目標を達成するため、随時、資料調査、論述文作成などの課題を課す。
事前事後学習:単元ごとに資料調査、考察課題を与える。
関連科目:歴史Ⅰ・Ⅱ、倫理
MCC対応:Ⅲ-C 社会、Ⅶ 汎用的技能、態度・志向性(人間力)、Ⅷ 態度・志向性(人間力)、Ⅸ 総合的な学修経験と創造的思考力
注意点:
【評価方法・評価基準】
中間試験、期末試験を実施する。成績の評価基準として60点以上を合格とする。
中間試験(40%)、期末試験(40%)、レポート(20%)

テスト

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 現代の課題ー哲学を学ぶ意義ー なぜ哲学を学ぶのか、みずからの生活との関連性から理解できる。
2週 古代ギリシアの神話的世界観 古代ギリシアの世界観を知ることを通じて、古代世界の人々の世界把握の在り方について理解する。
3週 アリストテレスの目的論的自然観 アリストテレスの目的論的自然観を中心に、古代ギリシアの自然哲学の目指した世界観について知識を得る。
4週 中世キリスト教の世界観からルネサンスへ ピコ・デ・ラ・ミランドラなどルネサンスの人文思想家の教説や、コペルニクス、ガリレオ、ブルーノらの知識を得る。
5週 17世紀科学革命 ーベーコンと帰納法ー フランシス・ベーコンの哲学から、近代自然科学の発想および帰納法の考え方について理解する。
6週 17世紀科学革命 ーデカルトと演繹法ー デカルトの哲学から、特に演繹法および物心二元論の考え方について理解する。
7週 イギリス経験論と大陸合理論の相克 ロック、バークリ、ヒュームの経験論、およびスピノザ、ライプニッツの合理論についての知識を得る。
8週 復習・論述指導
4thQ
9週 経験論と合理論の合一 カントの認識論についての知識を得る。
10週 人間の尊厳と自由 カントの道徳論についての知識を得る。科学技術の発展により、現代社会に新たな問題が生じたことを理解する。
11週 ベンサムの功利主義 ベンサムの哲学から、功利主義成立の社会背景および内容についての知識を得る。
12週 ミルの質的功利主義
ミルの哲学から、現代の自由主義的世界観についての知識を得る。
13週 責任という原理 新型コロナウイルスに対する各国の対応について、根底にどのような哲学的背景があるか理解する。
14週 復習・論述指導
15週 後期復習 学修を通じて得た知識を利用しながら、ある問いに対して自ら考察し、その成果を客観的・論理的に表現・論述できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。4
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。4
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。4
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力401050
専門的能力20020
分野横断的能力201030