コンクリート構造学

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 コンクリート構造学
科目番号 20418 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 環境都市工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 小林和夫著 「コンクリート構造学」(森北出版)
担当教員 福留 和人

到達目標

1.コンクリート構造の原理,特徴および設計法について,説明できる。
2.曲げモーメントおよびせん断力を受ける部材の使用状態における応力を算定できる。
3.許容応力度設計法を理解し,単・複鉄筋長方形断面の断面設計ができる。
4.限界状態設計法の各種限界状態を理解し,照査方法を説明できる。
5.曲げモーメントの作用する部材の耐力を算定でき,安全性を検討できる。
6.偏心,中心軸方向圧縮力の作用する部材の耐力を算定でき,安全性を検討できる。
7.せん断力の作用する部材の耐力を算定でき,安全性を検討できる。
8.ひび割れ幅,たわみを算定でき,使用性を検討できる。
9.PC構造の原理,分類を理解し,説明できる。  
10.PC部材の応力,耐力を算定でき,使用性,安全性を検討できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標 項目1鉄筋コンクリ-ト構造物の原理と設計法について理解し,説明できる。鉄筋コンクリ-ト構造物の原理と設計法について理解し,基本を説明できる。鉄筋コンクリ-ト構造物の原理と設計法について理解できず,説明できない。
到達目標 項目2鉄筋コンクリートの応力算定の考え方を理解し,応力計算ができる。鉄筋コンクリートの応力算定の考え方を理解し,簡単な応力計算ができる。鉄筋コンクリートの応力算定の考え方を理解できず,応力計算ができない。
到達目標 項目3許容応力度設計法の考え方を理解し,各種断面力を受ける部材の断面設計ができる。許容応力度設計法の考え方を理解し,各種断面力を受ける部材の簡単な断面設計ができる。許容応力度設計法の考え方を理解できず,各種断面力を受ける部材の断面設計ができない。
到達目標 項目4限界状態設計法の各種限界状態を理解し,照査方法を説明できる。限界状態設計法の各種限界状態を理解し,照査方法の簡単な説明ができる。限界状態設計法の各種限界状態を理解し,照査方法を説明できない。
到達目標 項目5曲げモーメントの作用する部材の耐力を算定でき,安全性を検討できる。曲げモーメントの作用する部材の耐力を算定できる。曲げモーメントの作用する部材の耐力を算定できない。
到達目標 項目6偏心,中心軸方向圧縮力の作用する部材の耐力を算定でき,安全性を検討できる。偏心,中心軸方向圧縮力の作用する部材の耐力を算定できる。偏心,中心軸方向圧縮力の作用する部材の耐力を算定できない。
到達目標 項目7せん断力の作用する部材の耐力を算定でき,安全性を検討できる。せん断力の作用する部材の耐力を算定できる。せん断力の作用する部材の耐力を算定できない。
到達目標 項目8ひび割れ幅,たわみを算定でき,使用性を検討できる。ひび割れ幅,たわみを算定できる。ひび割れ幅,たわみを算定できない。
到達目標 項目9PC構造の原理,分類を理解し,説明できる。 PC構造の原理,分類を理解できる。PC構造の原理,分類を理解できない。  
到達目標 項目10PC部材の応力,耐力を算定でき,使用性,安全性を検討できる。PC部材の応力,耐力を算定できる。PC部材の応力,耐力を算定できない。

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 1 説明 閉じる
本科学習目標 2 説明 閉じる
本科学習目標 3 説明 閉じる
創造工学プログラム A1 説明 閉じる
創造工学プログラム B1専門(土木工学) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
コンクリートは優れた構造材料であり,鉄筋と組み合わせた鉄筋コンクリートは,多くの構造物で使用されている。鉄筋コンクリートの理論は130年ほど前に考えられ,いろいろな変遷を経て今日に至っている。
 本授業では,第一段階として,弾性理論による使用状態の応力度算定方法および設計法の一つである許容応力度設計法の基本的な考え方を学ぶ。次に,鉄筋コンクリートの設計体系の主流となっている限界状態設計法,すなわち,耐久性,安全性,安全性,使用性などを考慮して,限界状態に至らないことを照査する設計法の基本的な考え方を学ぶ。さらに,プレストレストコンクリート構造(PC構造)の原理,特長,施工法および設計法を概説する。意欲的実践的に課題解決に最後まで取り組む中から,技術者としての自らの立場を理解し,コンクリート構造物の社会環境における位置づけを学ぶ。この科目は企業でコンクリート構造物の設計を担当していた教員が,その経験を活かし,最新の設計手法、構造形式、施工法等について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
【事前事後の学習など】
毎回,講義内容の理解度を確認する小テスト行い,提出してもらうので,授業外学習時間に復習して理解を深めること。理解できなかったことは必ず質問して理解すること。
【関連科目】環境都市工学基礎,コンクリート工学,構造力学I,構造力学II
【MCC対応】Ⅴ-F-2 材料
注意点:
1.授業の理解を進めるため演習課題をレポートとして提出させる。
2.演習問題はコンクリート構造設計の基礎となるものであり,十分理解しなければならない。
【先修条件】
コンクリ-ト工学に関する基本的事項(材料、施工など)および構造力学の基本的事項について理解していること。コンクリ-ト工学、構造力学Ⅰ,構造力学Ⅱ
【評価方法・評価基準】
前期中間試験,前期末試験,後期中間試験,学年末試験を実施する。
前期末;中間試験(40%),期末試験(40%),小テスト・課題(20%)
後期末;前期末成績(50%),後期中間試験(20%),学年末試験(20%),小テスト・課題(10%)
で評価する。評価基準として,60点以上を合格とする。

テスト

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 鉄筋コンクリートの原理と設計法 鉄筋コンクリ-ト構造の原理および設計法について理解し,説明できる。
2週 単鉄筋長方形断面の曲げ応力の算定 曲げモーメントの作用する単鉄筋長方形断面の応力の算定方法を理解し,算定できる。
3週 複鉄筋長方形断面の曲げ応力の算定 曲げモーメントの作用する複鉄筋長方形断面の応力の算定方法を理解し,算定できる。
4週 釣合断面および断面設計 釣合断面となる鉄筋量の算定方法を理解し,算定できる。
5週 せん断力を受ける部材のせん断応力 せん断力の作用する長方形断面のせん断応力の分布を理解し、説明できる。
6週 せん断力に対する斜め引張鉄筋の配置の考え方 許容応力度設計法による斜め引張鉄筋量の算定方法を理解し,算定できる。
7週 限界状態設計法の考え方,材料の特性値と設計用値
限界状態設計法の材料の特性値と設計値を理解し,説明できる。
8週 断面破壊に関する検討,曲げを受ける部材 曲げモーメントの作用する部材の破壊形式を説明できる。
2ndQ
9週 断面破壊に関する検討,曲げを受ける部材
曲げモーメントの作用する部材の曲げ耐力を算定でき,断面破壊に対する安全性を検討できる。
10週 断面破壊に関する検討,偏心軸方向圧縮力を受ける部材
偏心軸方向圧縮力の作用する部材の破壊形式を説明できる。
11週 断面破壊に関する検討,偏心軸方向圧縮力を受ける部材
偏心軸方向圧縮力の作用する部材の耐力を算定でき,断面破壊に対する安全性を検討できる。
12週 断面破壊に関する検討,中心軸方向圧縮力を受ける部材
中心軸方向圧縮力の作用する部材の耐力を算定でき,断面破壊に対する安全性を検討できる。
13週 断面破壊に関する検討,せん断力を受ける部材 せん断力の作用する部材の耐力を算定でき,断面破壊に対する安全性を検討できる。
14週 断面破壊に関する検討,せん断力を受ける部材 せん断力の作用する部材の耐力を算定でき,断面破壊に対する安全性を検討できる。
15週 前期学習まとめ
16週
後期
3rdQ
1週 疲労による断面破壊の検討
疲労強度を算定でき,断面破壊に対する安全性を検討できる。
2週 疲労による断面破壊の検討 疲労強度を算定でき,断面破壊に対する安全性を検討できる。
3週 使用性に関する検討,ひび割れ幅 曲げモーメントの作用する部材のひび割れ幅を算定でき,使用性を検討できる。
4週 使用性に関する検討,ひび割れ幅 曲げモーメントの作用する部材のひび割れ幅を算定でき,使用性を検討できる。
5週 使用性に関する検討,変形 曲げモーメントの作用する部材の変形を算定でき,使用性を検討できる。
6週 使用性に関する検討,変形 曲げモーメントの作用する部材の変形を算定でき,使用性を検討できる。
7週 PC構造の原理,PC構造の分類と歴史 PC構造の原理および分類を理解し,説明できる。
8週 PC構造の設計手順,PC構造の材料 PC構造の設計の手順,使用材料の種類および要求性能を理解し,説明できる。
4thQ
9週 プレストレス力の損失 プレストレス力の損失の算定方法を理解し,有効プレストレス力を算定できる。
10週 プレストレス力の損失 プレストレス力の損失の算定方法を理解し,有効プレストレス力を算定できる。
11週 PC部材の応力 PC部材の応力を算定でき,使用性を検討できる。
12週 PC部材の応力 PC部材の応力を算定でき,使用性を検討できる。
13週 PC部材の曲げ耐力 PC部材の曲げ耐力を算定でき,安全性を検討できる。
14週 コンクリート構造の施工 コンクリート構造の施工手順を理解し,説明できる。
15週 後期学習まとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学建設系分野材料プレストレストコンクリートの特徴、分類について、説明できる。4
プレストレス力の算定及び断面内の応力度の計算ができ、使用性を検討できる。4
コンクリート構造の種類、特徴について、説明できる。4
コンクリート構造の代表的な設計法である限界状態設計法、許容応力度設計法について、説明できる。4
曲げモーメントを受ける部材の破壊形式を説明でき、断面破壊に対する安全性を検討できる。4
曲げモーメントを受ける部材の断面応力度の算定、使用性(ひび割れ幅)を検討できる。4
せん断力を受ける部材の破壊形式を説明でき、せん断力に対する安全性を検討できる。4
施工・法規型枠工・鉄筋工・足場支保工・打設工の流れについて、説明できる。4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000