概要:
講義や化学実験を通して,身の回りにある物質の性質,分類,構造をさぐり,それらの間に成り立つ法則を調べる。 その中で,専門科目の理解に必要な基礎学力を養い,得られた化学的な知識や考え方を用いた様々な問題解決の方法を学ぶ。さらに,化学実験においては,適切な試薬使用量を守ること,廃液をむやみに流さないことなど,環境に配慮する態度を養う。
授業の進め方・方法:
化学Ⅰは講義で学びます。
【事前事後学習など】化学実験のレポートは,実験当日中に必ず提出すること。 提出期限を過ぎたレポートは,原則として受理しない。
【関連科目】化学Ⅱ,物理学Ⅰ,物理学ⅡA,物理学ⅡB
注意点:
記憶する事項が多いが,単なる丸暗記ではなく,理屈を考えて記憶すること。
座学だけでなく,実験を通じて,注意力,観察力,思考力,技術力を獲得するように努めること。
科学に取り組む基本姿勢である,常に”なぜ?”と考える習慣を,毎時間,身に着けてもらいたい。 授業は,プリントによって行うので,絶対に忘れてこないこと。
【評価方法・評価基準】前期末試験,後期中間試験,学年末試験を実施する。
前期末:期末試験(80%),小テスト(20%) 学年末:前期末試験(20%),後期中間試験(20%),学年末試験(20%),小テスト(20%),実験レポートなど(授業への取り組み姿勢)(20%) ★実験レポートなどの点数は,レポートがすべて受理され,授業態度が良好と認めた場合にフルマーク(20%)を与える。成績の評価基準として50点以上を合格とする。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
化学実験(1) |
ガラス細工を通して物質の利用とその性質とのかかわりを理解するとともに実験室における安全について理解ができる。
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2週 |
物質の分類・分離 |
物質の分類ならびに混合物の分離方法について理解できる。
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3週 |
物質と原子・分子(1) 化学の基礎法則 |
原子と分子の違い,アボガドロの法則等の化学における基本法則が理解できる。
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4週 |
物質と原子・分子(2) 物質の表し方 |
物質の表し方が理解できる。
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5週 |
原子の構造 |
原子の構造について理解できる。
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6週 |
原子の電子配置 |
原子の電子殻と電子配置について理解できる。
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7週 |
元素と周期表 |
電子殻における電子の重点に関する規則性をもとに各元素と周期表の関係が理解できる。
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8週 |
化学結合(1) イオン結合 |
各元素のイオンへのなりやすさとイオン結合について理解できる。
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2ndQ |
9週 |
化学結合(2) 共有結合と分子 |
共有結合とそれからなる分子について理解できる。
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10週 |
化学結合(3) 分子の極性 |
共有結合の分極について理解できる。
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11週 |
化学結合(4) 金属結合,結晶の種類とその性質 |
金属結合と金属格子の種類について理解できる。
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12週 |
原子量・分子量と物質量 |
原子量,物質量と物質量との関係が理解できる。
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13週 |
化学実験(2) |
アルカリ金属元素に関する実験を通して周期表とイオンへのなり易さの関係を理解するとともに,ガラス器具を安全に正しく取り扱うことができる。
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14週 |
物質量の応用 |
物質量の算出ならびにモル濃度の算出ができる。
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15週 |
前期復習 |
ここまでの知識を総合的に活用することができる。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
化学反応式(1) 化学反応式の書き方 |
化学反応式を記す際の規則を理解し,化学反応式の作成ができる。
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2週 |
化学反応式(2) 化学反応式を用いる計算 |
化学反応式を用い各物質同士の量的関係を理解することができる。
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3週 |
化学反応式(3) 化学反応式を用いる計算 |
化学反応式を用い過不足があるケースにおける量的関係を理解することができる。
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4週 |
典型元素の単体と化合物(1) |
1,2,13族の性質とその単体について理解できる。
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5週 |
典型元素の単体と化合物(2) |
14,15,16族の性質とその単体について理解できる。
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6週 |
典型元素の単体と化合物(3) |
17,18族の性質とその単体について理解できる。
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7週 |
復習 |
ここまでの知識を総合的に活用することができる。
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8週 |
化学実験(3) |
過不足のあるケースについての実験を行いこれまでの知識を活用し,化学反応における量的関係を理解するとともに,ガラス器具を安全に正しく取り扱うことができる。
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4thQ |
9週 |
遷移元素の単体と化合物(1) 遷移元素と典型元素の違い |
遷移元素と典型元素の違いを理解することができる。
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10週 |
遷移元素の単体と化合物(2) 遷移元素 |
Mn,Feの特徴について理解できる。
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11週 |
遷移元素の単体と化合物(3) 遷移元素 |
Cr,Cu,Agの特徴について理解できる。
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12週 |
遷移元素の単体と化合物(4) 遷移元素と錯イオン |
錯イオンについて理解できる
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13週 |
金属イオンの系統分離とその確認 |
金属イオンの沈澱反応を用いる金属イオンの分離法法について理解できる。
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14週 |
化学実験(4) |
金属イオンの分離実験を行い,分離方法における知識を通して現象が理解できるともに,ガラス器具を安全に正しく取り扱うことができる。
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15週 |
後期復習 |
ここまでの知識を総合的に活用することができる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。 | 3 | |
物質が原子からできていることを説明できる。 | 3 | |
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | |
純物質と混合物の区別が説明できる。 | 3 | |
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。 | 3 | |
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。 | 2 | |
同位体について説明できる。 | 3 | |
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。 | 3 | |
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 | 3 | |
価電子の働きについて説明できる。 | 3 | |
原子のイオン化について説明できる。 | 3 | |
代表的なイオンを化学式で表すことができる。 | 2 | |
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。 | 3 | |
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。 | 3 | |
イオン式とイオンの名称を説明できる。 | 3 | |
イオン結合について説明できる。 | 3 | |
イオン結合性物質の性質を説明できる。 | 3 | |
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。 | 3 | |
共有結合について説明できる。 | 2 | |
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 | 3 | |
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。 | 3 | |
金属の性質を説明できる。 | 3 | |
原子の相対質量が説明できる。 | 3 | |
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。 | 3 | |
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。 | 3 | |
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。 | 3 | |
気体の体積と物質量の関係を説明できる。 | 3 | |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。 | 2 | |
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。 | 2 | |
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。 | 2 | |
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。 | 2 | |
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。 | 2 | |
化学実験 | 化学実験 | 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。 | 2 | |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。 | 2 | |
測定と測定値の取り扱いができる。 | 2 | |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。 | 2 | |
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 2 | |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 2 | |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 2 | |
試薬の調製ができる。 | 2 | |
代表的な気体発生の実験ができる。 | 2 | |
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。 | 2 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。 | 1 | |
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。 | 1 | |
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。 | 1 | |
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。 | 1 | |
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。 | 1 | |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 1 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 1 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 1 | |
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる | 1 | |
複数の情報を整理・構造化できる。 | 1 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 1 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 1 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 1 | |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 1 | |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 1 | |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 1 | |
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。 | 1 | |
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。 | 1 | |
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。 | 1 | |
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。 | 1 | |
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。 | 1 | |
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。 | 1 | |
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。 | 1 | |
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。 | 1 | |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。 | 1 | |