日本文化論

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 日本文化論
科目番号 0017 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子機械工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 毎時間プリントを配布する。随時、書籍を紹介する。
担当教員 佐々木 香織

到達目標

1. 文化と文明の差異を説明できる。
2. 日本文化と異文化の差異について説明できる。
3. 歴史的史料をはじめとした史料調査を効率よく行うことができる。
4. 日本文化が異文化との接触によって形成してきたことを理解する。
5. 日本文化の特色について自分の考えを説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 項目1,2,4授業による定義付けに加え、さらに自ら調査した内容を付随して述べたり、授業内容とは異なる定義づけを自らの力で行い説明できる使用語句の定義付けがされている使用語句の定義付けがされていない
評価項目2 項目3自らの考えを裏付ける資料やデータが自らの論に必要なだけ端的にまとめられている授業内で用いた資料を用いて自らの考えを裏付けている授業内で用いた資料を含め、資料調査がなされていない
評価項目3 項目5日本文化の特色を自らの専門である工学研究に生かしたり、いかに日常の社会生活に関わっているかを考察したり、この課題を扱う問題考察の「必然性」が明確に言及されている日本文化の特色を自らの専門である工学研究に生かしたり、いかに日常の社会生活に関わっているかを考察できる日本文化について明確な考えがなく、論に必然性がない

学科の到達目標項目との関係

創造工学プログラム C1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本授業では異文化社会から見た日本のあり方を再検討することで、国際社会を多面的に考え、より深く日本文化を理解させることを目標とする。また、本校の位置する加賀・能登で15世紀より盛んに行われてきた能楽を日本文化のひとつとして学ぶことで、地域社会への理解を深めることを併せて目標とする。
授業の進め方・方法:
毎回、書籍・文献を紹介し、講義冒頭にペーパー課題を課すので、授業外学習時間に予習しておくこと。
また、関連書籍を読むことで復習を行い、さらに見識を広めること。
注意点:
本科で履修した日本文学、日本史、古典、哲学と科学の基礎知識を必要とする。
本科および専攻科一年までに履修・学修した外国語の基礎知識を必要とする。
到達目標の達成度を確認するため、授業内において史料調査を行ったり、ペーパーおよび口頭での発表を求めたりする場合がある。
【評価方法・評価基準】
提出された課題レポートによって評価する。(100%)
成績の評価基準として60点以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 日本文化を検討するために 日本文化に関して自らの現状の知識・理解度を認識し、自分の意見を表現できる
2週 文化とは何か 語義・語源をたどる方法論を知る
3週 文明とは何か 語義・語源をたどる方法論について理解する
4週 文明と技術ー西洋古代・中世の技術観ー 現在の技術観の根幹となる思想の知識を得、それを理解できる
5週 現代技術の問題ー生殖医療を例としてー 現在の技術と倫理の相克の問題について知識を得、それを理解できる
6週 異文化理解とは何かー言語と文化の関わりー 異文化理解の方向性・注意点について理解する
7週 異文化を通じた自己理解ー東日本大震災における各国の反応ー 空間的異質性をもつ人々の反応から、自国文化の特性について理解する
8週 異文化を通じた自己理解ー関東大震災における風説流布ー 時間的異質性をもつ人々の反応から、自国文化の特性について理解する
2ndQ
9週 日本古来の宗教観ー伊勢神宮の事例からー 日本の土着的宗教観についての知識を得、それを理解できる。
10週 仏教伝来による宗教観の変化 外来文化への反応についての知識を得、それを理解できる
11週 暦法の伝来とその二重性 外来文化への反応についての知識を得、それを理解できる
12週 文字の伝来とその変容 外来文化への反応についての知識を得、それを理解できる
13週 音楽・芸能の変遷 外来文化への反応についての知識を得、それを理解できる
14週 能楽の歴史およびレポート作成指導 先行文化を融合して変遷していった日本芸能についての知識を得、それを理解できる
15週 前期復習 複雑な事象の本質を構造化し、結論の推定をするために、必要な条件を加え、要約・整理した内容から多様な観点を示し、自分の意見や手順を論理的に展開する手法を理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。5
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。3
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3
公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。5
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。5
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。2
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。2
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。2
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。2
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。5
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。5
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。4
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。4
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。4
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。5
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。4
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。4
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。4
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。4
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

レポート合計
総合評価割合100100
基礎的能力4040
専門的能力2020
分野横断的能力4040