日本文化論

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 日本文化論
科目番号 0017 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子機械工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教員作成資料の配布、共有。毎時作品を紹介する。
担当教員 永井 隆之

到達目標

1. 本授業の提供した資料を観察し、整理した上で、自分の意見を表現できる。
2. さらに自分で資料を充実させ、そこから得られた解釈を自論に用いることができる。
3. 資料の解釈に際して、先行研究の成果を批判的に継承し、恣意性をできるだけ排して実証の蓋然性を高めることができる。
4. 本授業で示した文化的・思想的・歴史的・社会的な問題に関する特徴的な論点を理解し、自論に用いることができる。
5. これらを踏まえた上で、 独創的な論点を提示することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 項目1,2本授業の提供した資料を観察し、整理した上で、自分の意見を表現できる。さらに自分で資料を充実させ、そこから得られた解釈を自論に用いることができる。本授業の提供した資料を観察し、整理した上で、自分の意見を表現できる。授業内で提供した資料を含め、関連資料に関する知識が乏しい
評価項目2 項目3資料の解釈に際して、先行研究の成果を批判的に継承し、恣意性をできるだけ排して実証の蓋然性を十分に高めている。 資料の解釈に際して、先行研究の成果を継承し、恣意性を排して実証の蓋然性を一程度確保している。資料の解釈に際して、先行研究の成果を省みず、恣意的な実証が目立つ。
評価項目3 項目4,5本授業で示した文化的・思想的・歴史的・社会的な問題に関する特徴的な論点を理解し、自論に用いることができる。 さらにこれらを踏まえた上で、 独創的な論点を提示することができる。本授業で示した本授業で示した文化的・思想的・歴史的・社会的な問題に関する特徴的な論点を理解し、自論に用いることができる。 本授業で示した文化的・思想的・歴史的・社会的な問題に関する特徴的な論点を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

創造工学プログラム C1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
国際社会において「日本」の魅力を語る上で欠くことのできない文化となったアニメやマンガなどの現代日本の大衆文化(ポップカルチャー)。受講者にはこの文化コンテンツの娯楽性に隠れた物語の構造やメッセージを読み解いてもらい、国際的・文化的・思想的・歴史的・社会的な問題に切り込んでいく力を得てもらいたい。
授業の進め方・方法:
毎回、作品を取り上げ、概要を解説した後、テーマに応じて検討していく。
注意点:
本科で履修した文系・社会科学系の基礎知識を解説することがある。
到達目標の達成度を確認するため、グループミーティングや口頭での発表を求めたりする場合がある。
授業計画は授業の進捗状況に応じて変更する場合がある。
【評価方法・評価基準系
提出された課題レポートによって評価する。(100%)
成績の評価基準として60点以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
~現代日本におけるポップカルチャー(アニメ・マンガ等)の国際的位置と価値~
日本文化としてアニメ・マンガについて、自らの知識・理解度を確認し、自分の意見を表現できる
2週 宮崎駿監督作品の魅力
~『未来少年コナン』、『ルパン三世~カリオストロの城~』など~
授業で扱った、あるいは関連するいくつかの作品を取り上げ、自分の意見を表現できる
3週 宮崎駿監督作品の検討
~『魔女の宅急便』について~
授業で扱った作品の先行研究や解釈を踏まえ、その背景となる国際的・文化的・思想的・歴史的・社会的な問題に関する特徴的な論点ついて理解し、自分の意見を表現できる
4週 宮崎駿監督作品の批判
~『君たちはどう生きるか』までのヒロイン像について~
授業で扱った作品の先行研究や解釈を踏まえ、その背景となる国際的・文化的・思想的・歴史的・社会的な問題に関する特徴的な論点について理解し、自分の意見を表現できる
5週 マンガ『ONE PIECE』の魅力 授業で扱った作品について理解し、自分の意見を表現できる
6週 マンガ『ONE PIECE』の組織論 授業で扱った作品の先行研究や解釈を踏まえ、その背景となる国際的・文化的・思想的・歴史的・社会的な問題に関する特徴的な論点について理解し、自分の意見を表現できる
7週 マンガ『ONE PIECE』におけるリーダーの条件 授業で扱った作品の先行研究や解釈を踏まえ、その背景となる国際的・文化的・思想的・歴史的・社会的な問題に関する特徴的な論点について理解し、自分の意見を表現できる
8週 アニメ・マンガにおける「王」の創り方
~『十二国記』、『アルスラーン戦記』、『風の谷のナウシカ』(マンガ版)など~
授業で扱った、あるいは関連するいくつかの作品を取り上げ、それら作品の先行研究や解釈を踏まえ、その背景となる国際的・文化的・思想的・歴史的・社会的な問題に関する特徴的な論点について理解し、自分の意見を表現できる
2ndQ
9週 アニメ『機動戦士ガンダム』(ファースト)の魅力 授業で扱った、あるいは関連するいくつかの作品を取り上げ、自分の意見を表現できる
10週 アニメ『機動戦士ガンダム』(ファースト)の主要テーマ分析~「ニュータイプ」とは何か~ 授業で扱った作品の先行研究や解釈を踏まえ、その背景となる国際的・文化的・思想的・歴史的・社会的な問題に関する特徴的な論点について理解し、自分の意見を表現できる
11週 アニメ『機動戦士ガンダム』(ファースト)から『伝説巨神イデオン』へ~新人類創造の臨界点~ 授業で扱った作品の先行研究や解釈を踏まえ、その背景となる国際的・文化的・思想的・歴史的・社会的な問題に関する特徴的な論点について理解し、自分の意見を表現できる
12週 アニメ・マンガにおける「神」の創り方
~『伝説巨神イデオン』から『新世紀エヴァンゲリオン』へ
授業で扱った、あるいは関連するいくつかの作品を取り上げ、それら作品の先行研究や解釈を踏まえ、その背景となる国際的・文化的・思想的・歴史的・社会的な問題に関する特徴的な論点について理解し、自分の意見を表現できる
13週 日本的想像力と世界のそれとの融合~『マトリックス』の魅力~ 授業で扱った作品について理解し、自分の意見を表現できる
14週 『マトリックス』の転換点~「革命」をめぐって~ 授業で扱った作品の先行研究や解釈を踏まえ、その背景となる国際的・文化的・思想的・歴史的・社会的な問題に関する特徴的な論点について理解し、自分の意見を表現できる
15週 授業の復習 これまで扱った、あるいは取り上げた作品の背景となる国際的・文化的・思想的・歴史的・社会的な問題に関する特徴的な論点について理解した上で、自らも、特定の作品を取り上げて、解釈し、意見を表現できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。5
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。3
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3
公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。5
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。5
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。2
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。2
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。2
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。2
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。5
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。5
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。4
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。4
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。4
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。5
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。4
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。4
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。4
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。4
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

レポート合計
総合評価割合100100
基礎的能力4040
専門的能力2020
分野横断的能力4040