量子力学

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 量子力学
科目番号 0021 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子機械工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 谷村省吾「量子力学10講」(名古屋大学出版会)
担当教員 古崎 広志

到達目標

1. 量子力学の理論体系を理解し,ブラ・ケットを用いた計算ができる
2. 一次元を運動する粒子の量子力学を理解し,微分・積分を用いた計算ができる
3. 非可換物理量の量子効果を理解している
4. エンタングル状態を理解している

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標 項目1量子力学の理論体系が十分理解できており,ブラ・ケットを用いた計算も十分できる量子力学の理論体系がおおむね理解できており,ブラ・ケットを用いた計算もおおむねできる量子力学の理論体系が理解できておらず,ブラ・ケットを用いた計算もできない
到達目標 項目2一次元空間を運動する粒子の量子力学が十分理解できており,微分・積分を用いた計算も十分できる.一次元空間を運動する粒子の量子力学がおおむね理解できており,微分・積分を用いた計算もおおむねできる.一次元空間を運動する粒子の量子力学が理解できておらず,微分・積分を用いた計算もできない.
到達目標 項目3非可換物理量の量子効果を十分理解している.非可換物理量の量子効果をおおむね理解している非可換物理量の量子効果を理解していない.
到達目標 項目4エンタングル状態を十分理解している.エンタングル状態をおおむね理解している.エンタングル状態を理解していない.

学科の到達目標項目との関係

創造工学プログラム A1専門(機械工学&電気電子工学&情報工学) 説明 閉じる
創造工学プログラム B2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
科学技術を利用して創造することに喜びを知り,たゆまず努力するには基礎的な工学の知識が必要である.本科目では,ミクロな世界を記述するのに必要な量子力学と呼ばれる理論体系について学ぶ.これらの学習を通して,物理学によって理論的に問題を解析し,解決までできる力を養成する.
授業の進め方・方法:
授業は教科書に沿って進めていくが,理解を深めるため,手を動かして計算できる例を取り上げる.線形代数や解析学といったこれまでに学習した数学を活用しつつ積極的に授業に参加してもらいたい.
履修の先修条件:行列の固有値・固有ベクトルを求められること.線形代数(専攻科1年共通)
授業時間外の学修として,課題への取り組みと,次に学修する範囲の予習が必要.
注意点:
毎回授業外学修時間に相当する分量の予習・復習課題を与えるので必ず提出すること.

前期中間試験と前期末試験を実施する.
前期中間試験(40%),前期末試験(40%),課題への取り組み (20%)
課題への取り組みは,提出状況により評価する.
成績の評価基準として60点以上を合格とする.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 量子力学の考え方 量子力学の考え方を理解できる
2週 状態を表すベクトル(その1) ヒルベルト空間におけるブラ・ケットを用いた表記を理解し,公理に基づいた計算ができる.確率解釈を理解できる.
3週 状態を表すベクトル(その2) ヒルベルト空間の例や完全正規直交系を理解できる.
4週 物理量を表す演算子(その1) ヒルベルト空間の演算子やその交換子を理解できる.
5週 物理量を表す演算子(その2) 演算子の固有値や自己共役演算子を理解できる.固有値と測定値の関係を理解できる.
6週 行列表示 有限次元のヒルベルト空間において,完全正規直交系を用いた行列表示に関する事項を理解し,計算に応用することができる.
7週 位置と運動量 粒子の一次元運動,特に周期境界条件を課した運動の量子力学を理解することができる.
8週 演習 1週から7週までの学習内容に関する問題が解ける
2ndQ
9週 ハミルトン形式の解析力学 簡単な一次元運動についてハミルトニアンを構成し,運動方程式を立てることができる
10週 正準量子化 正準量子化の方法を理解し,シュレディンガー表示でベクトルや演算子を表現することができる
11週 自由粒子 自由粒子のシュレディンガー方程式を解くことができる
12週 井戸型ポテンシャル(その1) 無限に深い井戸型ポテンシャルに対するシュレディンガー方程式を解くことができる
13週 井戸型ポテンシャル(その2) 有限の深さの井戸型ポテンシャルに対するシュレディンガー方程式について,その解や解の物理的意義について理解することができる
14週 調和振動子 調和振動子のエネルギー固有値が,ブラ・ケットを用いて求められることを理解し,エネルギー固有値の性質や意義を理解することができる
15週 前期復習 第1週から14週までに学習した内容をふり返り,学習内容を包括的に理解できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100
専門的能力000
分野横断的能力000