日本文化論

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 日本文化論
科目番号 0177 科目区分 一般 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 環境建設工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 毎時間プリントを配布する。随時、書籍を紹介する。
担当教員 佐々木 香織

到達目標

1. 文化と文明の差異を説明できる。
2. 日本文化と異文化の差異について説明できる。
3. 歴史的史料をはじめとした史料調査を効率よく行うことができる。
4. 日本文化が異文化との接触によって形成してきたことを理解する。
5. 日本文化の特色について自分の考えを説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 項目1,2,4授業による定義付けに加え、さらに自ら調査した内容を付随して述べたり、授業内容とは異なる定義づけを自らの力で行い説明できる使用語句の定義付けがされている使用語句の定義付けがされていない
評価項目2 項目3自らの考えを裏付ける資料やデータが自らの論に必要なだけ端的にまとめられている授業内で用いた資料を用いて自らの考えを裏付けている授業内で用いた資料を含め、資料調査がなされていない
評価項目3 項目5日本文化の特色を自らの専門である工学研究に生かしたり、いかに日常の社会生活に関わっているかを考察したり、この課題を扱う問題考察の「必然性」が明確に言及されている日本文化の特色を自らの専門である工学研究に生かしたり、いかに日常の社会生活に関わっているかを考察できる日本文化について明確な考えがなく、論に必然性がない

学科の到達目標項目との関係

創造工学プログラム C1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本授業では異文化社会から見た日本のあり方を再検討することで、国際社会を多面的に考え、より深く日本文化を理解させることを目標とする。また、本校の位置する加賀・能登で15世紀より盛んに行われてきた能楽を日本文化のひとつとして学ぶことで、地域社会への理解を深めることを併せて目標とする。
授業の進め方・方法:
毎回、書籍・文献を紹介し、講義冒頭にペーパー課題を課すので、授業外学習時間に予習しておくこと。
また、関連書籍を読むことで復習を行い、さらに見識を広めること。
注意点:
本科で履修した日本文学、日本史、古典、哲学と科学の基礎知識を必要とする。
本科および専攻科一年までに履修・学修した外国語の基礎知識を必要とする。
到達目標の達成度を確認するため、授業内において史料調査を行ったり、ペーパーおよび口頭での発表を求めたりする場合がある。
【評価方法・評価基準】
提出された課題レポートによって評価する。(100%)
成績の評価基準として60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 日本文化を検討するために 日本文化に関して自らの現状の知識・理解度を認識し、自分の意見を表現できる
2週 文化とは何か 語義・語源をたどる方法論を知る
3週 文明とは何か 語義・語源をたどる方法論について理解する
4週 文明と技術ー西洋古代・中世の技術観ー 現在の技術観の根幹となる思想の知識を得、それを理解できる
5週 現代技術の問題ー生殖医療を例としてー 現在の技術と倫理の相克の問題について知識を得、それを理解できる
6週 異文化理解とは何かー言語と文化の関わりー 異文化理解の方向性・注意点について理解する
7週 異文化を通じた自己理解ー東日本大震災における各国の反応ー 空間的異質性をもつ人々の反応から、自国文化の特性について理解する
8週 異文化を通じた自己理解ー関東大震災における風説流布ー 時間的異質性をもつ人々の反応から、自国文化の特性について理解する
2ndQ
9週 日本古来の宗教観ー伊勢神宮の事例からー 日本の土着的宗教観についての知識を得、それを理解できる。
10週 仏教伝来による宗教観の変化 外来文化への反応についての知識を得、それを理解できる
11週 暦法の伝来とその二重性 外来文化への反応についての知識を得、それを理解できる
12週 文字の伝来とその変容 外来文化への反応についての知識を得、それを理解できる
13週 音楽・芸能の変遷 外来文化への反応についての知識を得、それを理解できる
14週 能楽の歴史 先行文化を融合して変遷していった日本芸能についての知識を得、それを理解できる
15週 世阿弥能楽論と現代 日本中世の思想の汎用性についての知識を得、それを理解できる
16週 前期復習およびレポート作成指導 複雑な事象の本質を構造化し、結論の推定をするために、必要な条件を加え、要約・整理した内容から多様な観点を示し、自分の意見や手順を論理的に展開する手法を理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地歴産業活動(農牧業、水産業、鉱工業、商業・サービス業等)などの人間活動の歴史的発展過程または現在の地域的特性、産業などの発展が社会に及ぼした影響について理解できる。2前1
人間活動と自然環境との関わりや、産業の発展が自然環境に及ぼした影響について、地理的または歴史的観観点から理解できる。2前1
社会や自然環境に調和した産業発展に向けた現在までの取り組みについて理解できる。2前1
日本を含む世界の様々な生活文化、民族・宗教などの文化的諸事象について、歴史的または地理的観点から理解できる。5前1,前9
国家間や国家内で見られる、いわゆる民族問題など、文化的相違に起因する諸問題について、地理的または歴史的観点から理解できる。5前1
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。5前1
公民哲学者の思想に触れ、人間とはどのような存在と考えられてきたかについて理解できる。2
諸思想や諸宗教において、自分が人としていかに生きるべきと考えられてきたかについて理解できる。2
諸思想や諸宗教において、好ましい社会と人間のかかわり方についてどのように考えられてきたかを理解できる。2
民主政治の基本的原理、日本国憲法の成り立ちやその特性について理解できる。2
資本主義経済の特質や財政・金融などの機能、経済面での政府の役割について理解できる。2
現代社会の政治的・経済的諸課題、および公正な社会の実現に向けた現在までの取り組みについて理解できる。2
地歴・公民現代科学の考え方や科学技術の特質、科学技術が社会や自然環境に与える影響について理解できる。4
社会や自然環境に調和し、人類にとって必要な科学技術のあり方についての様々な考え方について理解できる。4
今日の国際的な政治・経済の仕組みや、国家間の結びつきの現状とそのさまざまな背景について理解できる。2
環境問題、資源・エネルギー問題、南北問題、人口・食糧問題といった地球的諸課題とその背景について理解できる。2
国際平和・国際協力の推進、地球的諸課題の解決に向けた現在までの取り組みついて理解できる。2
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能相手の意見を聞き、自分の意見を伝えることで、円滑なコミュニケーションを図ることができる。3前1
相手を理解した上で、説明の方法を工夫しながら、自分の意見や考えをわかりやすく伝え、十分な理解を得ている。3前1
集団において、集団の意見を聞き、自分の意見も述べ、目的のために合意形成ができる。3前1
目的達成のために、考えられる提案の中からベターなものを選び合意形成の上で実現していくことができ、さらに、合意形成のための支援ができる。3前1
ICTやICTツール、文書等を基礎的な情報収集や情報発信に活用できる。3
ICTやICTツール、文書等を自らの専門分野において情報収集や情報発信に活用できる。3
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、そこから主要な原因を見出そうと努力し、解決行動の提案をしようとしている。4前1
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、発見した課題について主要な原因を見出し、論理的に解決策を立案し、具体的な実行策を絞り込むことができる。4前1
事象の本質を要約・整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。4前1
複雑な事象の本質を整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。結論の推定をするために、必要な条件を加え、要約・整理した内容から多様な観点を示し、自分の意見や手順を論理的に展開できる。4前1
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性身内の中で、周囲の状況を改善すべく、自身の能力を発揮できる。 4前1
集団の中で、自身の能力を発揮して、組織の勢いを向上できる。4前1
日常生活の時間管理、健康管理、金銭管理などができる。常に良い状態を維持するための努力を怠らない。4前1
ストレスやプレッシャーに対し、自分自身をよく知り、解決を試みる行動をとることができる。日常生活の管理ができるとともに、目標達成のために対処することができる。4前1
学生であっても社会全体を構成している一員としての意識を持って、行動することができる。4前1
市民として社会の一員であることを理解し、社会に大きなマイナス影響を及ぼす行為を戒める。人間性・教養、モラルなど、社会的・地球的観点から物事を考えることができる。4前1
チームワークの必要性・ルール・マナーを理解し、自分の感情の抑制、コントロールをし、他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持つとともに、当事者意識を持ち協調して共同作業・研究をすすめることができる。3
組織やチームの目標や役割を理解し、他者の意見を尊重しながら、適切なコミュニケーションを持つとともに、成果をあげるために役割を超えた行動をとるなど、柔軟性を持った行動をとることができる。3
先にたって行動の模範を示すことができる。口頭などで説明し、他者に対し適切な協調行動を促し、共同作業・研究をすすめことができる。3
目指すべき方向性を示し、先に立って行動の模範を示すことで他者に適切な協調行動を促し、共同作業・研究において、系統的に成果を生み出すことができる。リーダーシップを発揮するために、常に情報収集や相談を怠らず自身の判断力をも磨くことができる。3
法令を理解し遵守する。基本的人権について理解し、他者のおかれている状況を理解することができる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識している。4前1
法令を理解し遵守する。研究などで使用する、他者のおかれている状況を理解できる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識し、身近で起こる関連した情報や見解の収集に努めるなど、技術の成果が社会に受け入れられるよう行動できる。4前1
未来の多くの可能性から技術の発展と持続的社会の在り方を理解し、自らのキャリアを考えることができる。3
技術の発展と持続的社会の在り方に関する知識を有し、未来社会を考察することができるとともに、技術の創造や自らのキャリアをデザインすることが考慮できる。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセス理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しなければならないことを理解する。3
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセスを理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しデザインすることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合00000100100
基礎的能力000004040
専門的能力000002020
分野横断的能力000004040