量子力学

科目基礎情報

学校	石川工業高等専門学校	開講年度	2017
授業科目	量子力学
科目番号	0185	科目区分	専門 / 選択
授業形態		単位の種別と単位数	学修単位: 2
開設学科	環境建設工学専攻	対象学年	専2
開設期	前期	週時間数	2
教科書/教材
担当教員	古崎 広志

到達目標

1. 古典論と量子論の相違を理解することができる．
2. スピンの性質を理解し説明することができる．
3. 量子論における「要請」を理解することができる．
4. ブラ・ケットを用いた計算をすることができる．
5. 不確定性原理を理解し説明することができる．
6. 正準量子化の方法を理解することができる．
7. シュレディンガー表示を理解し，ベクトルや演算子を表現できる．
8. 簡単なシュレーディンガー方程式を解くことができる．
9. 波束を理解することができる．

ルーブリック

	理想的な到達レベルの目安	標準的な到達レベルの目安	未到達レベルの目安
評価項目1
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

創造工学プログラム B2 （問題の提起と解決（数学（情報処理）･物理による理論的解析能力））

教育方法等

概要:

科学技術を利用して創造することに喜びを知り，たゆまず努力するには基礎的な工学の知識が必要である．本授業では，ミクロな世界を記述するのに必要な量子力学と呼ばれる理論体系について学ぶ．量子力学は，量子力学とそれ以外という形で物理の諸分野を分けられるほど，基本的な考え方が大きく異なる．通常，物理量は測定する・しないに関わらず各時刻で定まった値を持つと考えているが，量子力学ではこれを否定するところから始まる．この授業では，量子力学特有の基本仮定と枠組みを中心に学習していき，応用としてスピンと1次元空間を運動する粒子を取り上げる．これらの学習を通して，物理学によって理論的に問題を解析し，解決までできる力を養成する．

授業の進め方・方法:

前半は線形代数の学習と平行してスピンを題材に量子力学の要請を一通り学ぶ．後半は正準量子化に基づいて1次元空間を運動する粒子の量子力学について学ぶ．線形代数の学習は，主に事前学習としてワークシートに取り組んでもらい，授業で解説する形で進める．その他は，授業で解説してから事後学習で授業内容の理解を深めてもらう．
履修の先修条件：行列の固有値・固有ベクトルを求められること．線形代数（専攻科1年共通）
授業時間外の学修として，課題への取り組みと，次に学修する範囲の予習が必要．

注意点:

毎回授業外学修時間に相当する分量の予習・復習課題を与えるので必ず提出すること．

前期中間試験と前期末試験を実施する．
前期中間試験（45%），前期末試験（90%），課題への取り組み （10%）
課題への取り組みは，提出状況により評価する．
成績の評価基準として60点以上を合格とする．

授業計画

		週	授業内容	週ごとの到達目標
前期
	1stQ
		1週	古典物理の破綻から量子論へ	古典論と量子論の相違を理解することができる
		2週	ヒルベルト空間	ブラ・ケットを用いた計算をすることができる
		3週	量子論の要請（離散固有値）	量子論における「要請」を理解することができる
		4週	期待値とゆらぎ，量子論の要請（連続固有値）	量子論における「要請」を理解し，ブラ・ケットを用いた計算をすることができる．
		5週	不確定性原理	不確定性原理を理解し説明することができる
		6週	時間発展	時間発展に関する量子論における「要請」を理解することができる
		7週	解析力学	正準量子化の方法を理解することができる
		8週	中間試験	1週から6週までに学習した内容の到達度を確認する
	2ndQ
		9週	正準量子化	正準量子化の方法を理解し，シュレディンガー表示でベクトルや演算子を表現することができる
		10週	自由粒子	簡単なシュレーディンガー方程式を解くことができる
		11週	井戸型ポテンシャル（その1）	簡単なシュレーディンガー方程式を解くことができる
		12週	井戸型ポテンシャル（その2）	簡単なシュレーディンガー方程式を解くことができる
		13週	調和振動子	ブラ・ケットを用いた計算をすることができる
		14週	波束	波束を理解することができる．
		15週	期末試験	7週および9週から14週に学習した内容の到達度を確認する
		16週

評価割合

	試験	発表	相互評価	態度	ポートフォリオ	その他	合計
総合評価割合	90	0	0	0	0	10	100
基礎的能力	90	0	0	0	0	10	100
専門的能力	0	0	0	0	0	0	0
分野横断的能力	0	0	0	0	0	0	0