専門基礎Ⅲ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 専門基礎Ⅲ
科目番号 0003 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 使用しない(配布プリントを使用)
担当教員 村中 貴幸,田中 嘉津彦,伊勢 大成,芳賀 正和,高橋 奨

到達目標

「力学入門」:
 ・機械工学における失敗学の例を説明できること
 ・運動方程式を用いて自由落下運動に関する計算ができること
 ・力学的エネルギー保存について説明できること
「ものづくり科学」:
 ・実験テーマに関する報告書およびまとめのレポートを作成し、期限までに提出できること
 ・ポスター発表を行い、実験テーマに関する現象のしくみを説明できること

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
力学入門力学入門における基礎知識を充分に習得し、様々な問題を解決するために応用できる。力学入門における基礎知識を充分に習得・理解し、演習問題を解くことができる。力学入門における基礎知識が習得できていない。
ものづくり科学ものづくり科学における基礎知識を充分に習得し、様々な問題を解決するために応用できる。ものづくり科学における基礎知識を充分に習得・理解し、演習問題を解くことができる。ものづくり科学における基礎知識が習得できていない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RB2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前期に「力学入門」、後期は「ものづくり科学」を行なう。
「力学入門」:機械工学における「材料力学」、「工業力学」、「流れ学」、「熱力学」などの力学系科目の学習に向けて、力学に関する基礎的な力を身に付けることを目的とする。
「ものづくり科学」:課題とする実験テーマを自ら選択し、実験の実施ならびに調査・探求の方法を考え、実施する。チームを組み、課題の発見と解決およびプレゼンテーションを体験することで、周囲と協力しながら課題を解決していく方法を学習する。
授業の進め方・方法:
「力学入門」:機械工学に関するガイダンスの後、失敗学を学習する。また、力学(自由落下運動,運動量,仕事とエネルギーなど)に関する機械工学の実例を紹介しながら、演習問題を解くことで力学に対する理解を深める。最後にコーヒーサイフォンを実演し、分子運動による圧力と温度について学習する。
「ものづくり科学」:簡単な科学実験テーマを多数提示し、その中から自分の好きなテーマを1つ選択してチームを組む。チームで協力しながら実験を実行して課題を発見し、計画を立てて現象のしくみを探求する。最後にポスター発表ならびにまとめのレポートの作成を行なう。
注意点:
学習・教育目標:本科(準学士課程):RB2(◎)
関連科目:工学基礎物理I、材料力学I、工業力学、流れ学I、熱力学
前期「力学入門」における課題を50%、後期「ものづくり科学」におけるポスター発表を35%、まとめレポートを15%として評価する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 「力学入門」:機械工学について,失敗学の話
「力学入門」のガイダンス,シラバスの説明,学科紹介
機械工学科の内容を理解できる
2週 機械工学について、失敗学の話
機械工学ガイダンス、失敗学の話
機械工学の内容および失敗例について理解できる
3週 機械工学について、失敗学の話
機械工学ガイダンス、失敗学の話
機械工学の内容および失敗例について理解できる
4週 物体の運動
移動距離、速度、加速度、v-t、a-t 線図
速度と加速度に関する演習問題を解くことができる
5週 物体の運動
力、慣性、運動方程式、重力、重力加速度
運動方程式を把握し、重力加速度に関する演習問題を解くことができる
6週 自由落下
自由落下の式
自由落下の式に関する演習問題を解くことができる
7週 自由落下
投げ上げ運動
投げ上げ運動に関する演習問題を解くことができる
8週 自由落下
斜方投射と運動のグラフ
斜方投射に関する演習問題を解き、運動をグラフに表すことができる
2ndQ
9週 運動量
運動量、力積
運動量と力積に関する演習問題を解くことができる
10週 運動量
衝突、運動量保存則
運動量保存則に関する演習問題を解くことができる
11週 仕事とエネルギー
仕事、運動エネルギー
仕事と運動エネルギーに関する演習問題を解くことができる
12週 仕事とエネルギー
運動エネルギー、位置エネルギー
運動エネルギー、位置エネルギーに関する演習問題を解くことができる
13週 仕事とエネルギー
力学的エネルギー保存
力学的エネルギー保存に関する演習問題を解くことができる
14週 サイフォン
コーヒーサイフォン、分子運動と圧力・温度
サイフォンを観察し、分子運動と圧力・温度の関係を説明できる
15週 サイフォン
分子運動から見た蒸発・凝縮とサイフォンのしくみ
蒸発・凝縮のしくみを把握し、サイフォンのしくみを説明できる
16週
後期
3rdQ
1週 「ものづくり科学」:ガイダンス、テーマ決め
「ものづくり科学」のガイダンス、テーマ紹介、チーム決め
選択した実験のテーマを理解できる
2週 実験
実験、課題の発見
チームで実験を行い、課題を発見することができる
3週 実験、調査、報告書の作成
実験および調査
実験および調査を行い、報告書の作成に取り掛かることができる
4週 実験、調査、報告書の仮提出
実験および調査
チームで計画を立てて実験・調査を行い、報告書の作成を進めることができる
5週 実験、調査、報告書の作成
再実験、再調査および報告書の作成
チームで計画を立てて調査を行い、報告書の作成を進めることができる
6週 実験、調査、報告書の提出
再実験、再調査および報告書の作成
チームで計画を立てて調査を行い、報告書を提出することができる
7週 実験、調査、ポスターの作成
再実験、再調査およびポスターの作成
実験・調査の修正を計画し、ポスターの作成に取り掛かることができる
8週 実験、調査、ポスターの作成
再実験、再調査およびポスターの作成
実験・調査の修正を計画し、ポスターの作成を進めることができる
4thQ
9週 実験、調査、ポスターの作成
再実験、再調査およびポスターの作成
実験・調査の修正を計画し、ポスターの作成を進めることができる
10週 ポスターの作成
ポスター仮提出
ポスターを仕上げて提出することができる
11週 ポスター、報告書の作成
ポスターおよび報告書の仕上げ
ポスターおよび報告書を修正し、仕上げに取り掛かることができる
12週 ポスター発表の準備
ポスターおよび報告書の仕上げ
チームで計画を立て、ポスター発表の準備および報告書とポスターの仕上げに取り掛かることができる
13週 ポスター発表の準備
ポスターおよび報告書の提出
ポスター発表の準備を進め、ポスターおよび報告書を提出することができる
14週 ポスター発表
ポスター発表会
ポスター発表を行うことができる
15週 まとめ
ポスター発表の結果、まとめのレポート
ポスター発表を振り返り、良かった点、悪かった点を把握することができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。2前3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。2前3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。2前3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学仕事の意味を理解し、計算できる。1
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。1
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。1
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。1前3
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。1前3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。1
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。1
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。1
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。1
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。1
目標の実現に向けて計画ができる。1
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。1
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。1
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。1
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。1
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。1
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。1
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。1
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている1

評価割合

課題(前期)ポスター発表(後期)まとめレポート(後期)合計
総合評価割合503515100
基礎的能力0000
専門的能力503515100
分野横断的能力0000