国語Ⅱ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 国語Ⅱ
科目番号 0010 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 大修館書店『精選 国語総合 新訂版』、数研出版『九訂版 読解をたいせつにする体系古典文法』
担当教員 門屋 飛央

到達目標

(1)古代から現代までの日本文学に触れ、日本語や日本文化に関心をもち、理解できること。
(2)文章を論理的に読むことができ、論理的な文章を書くことができること。
(3)古典文法や漢文訓読を理解し、古典文学を解釈できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1日本文学に触れ、日本語や日本文化に積極的に関心をもち、その解釈を表現することができる。日本文学に触れ、日本語や日本文化に関心をもち、理解できる。日本文学に触れても、日本語や日本文化に関心をもたず、理解できない。
評価項目2文章を論理的に読んだり書いたりすることができ、推敲することができる。文章を論理的に読んだり書いたりすることができる。文章を論理的に読んだり書いたりすることができない。
評価項目3古典文法や漢文訓読を充分に理解し、古典文学を多角的に解釈できる。古典文法や漢文訓読を理解し、こて文学を解釈できる。古典文法や漢文訓読を理解できず、古典文学を解釈できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 時代やジャンルの異なる様々な文章を読む。現代文では、評論や小説、詩を扱う。評論では、文章構成を分析し、筆者の問題提起、論拠、主張を的確に理解できるようになり、それを自身の文章表現にも活かせるようにする。小説や詩では、多角的な視点から解釈することを行う。古典文法や漢文訓読法は、正確な読みをするために必ず身に付けておかなくてはならない。この授業では、解釈を暗記するのはなく、解釈の方法や論理を理解することを目指す。
授業の進め方・方法:
 この授業は、教員による解説を中心に行う。現代文では解説のほかに、個人やグループで意見をまとめてもらう活動も行う。その課題に取り組むなかで、評論や小説を読解する力と、自分の考えを説明する力を習得していく。古典では、文法学習と作品読解を行う。教員から学生に適宜質問をし、古典語を分析的に学び、作品を読んでいく。
注意点:
 授業時には、各教科書のほか、辞書を持って臨むこと。現代文の授業には国語辞典、古文の授業には古語辞典、漢文の授業には漢語辞典を持参すること。キャリア教育の入門的な内容として、手紙の書き方体験を組み入れる。評価方法とその割合は、中間試験(35%)、期末試験(35%)、提出物(20%)、発表(10%)である。100点満点で60点以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業の概要をつかむ。
2週 仮名・仮名遣い 古典語の表記方法について学ぶ。
3週 文節・単語・品詞 文の階層構造について学ぶ。
4週 動詞活用・音便 子音語幹と母音語幹による活用表を学ぶ。
5週 形容詞活用・語幹用法 動詞活用を参考に、形容詞活用表を作成する。
6週 形容動詞活用 動詞活用を参考に、形容動詞活用表を作成する。
7週 詩「甃のうへ」 詩の文学史を理解したうえで、鑑賞し、朗読する。
8週 中間試験 これまでの学習をまとめ、表現する。
2ndQ
9週 中間試験解説 試験結果をもとに、これまでの復習と各自の課題発見をする。
10週 枕草子「虫は」(1) 「枕草子」の作者や作品の時代背景を理解し、「これもおそろしき心あらむとて」まで読解する。
11週 枕草子「虫は」(2) 「ほとめきありきたるこそをかしけれ」まで読解する。
12週 小説「城の崎にて」(1)/【社会とつながる文章】暑中見舞葉書(1) 近代文学史について理解し、「よく欄干から蜂の出入りを眺めていた」まで読解する。/暑中見舞葉書の書き方を理解する。
13週 小説「城の崎にて」(2)/【社会とつながる文章】暑中見舞葉書(2) 「それはしかたのないことだ」まで読解する。/葉書のレイアウトを考え、文章を書く。
14週 小説「城の崎にて」(3)/【社会とつながる文章】暑中見舞葉書(3) 「自分は~助かった」まで読解する。/葉書の表書きを書き、完成させる。
15週 唐代の詩 「絶句」を読解する。
16週 前期まとめ 前期に行った学習をまとめ、後期の学習につなげる。
後期
3rdQ
1週 評論「技術としての『教養』」(1)/学校行事対応・弁論大会レポート(1) 問題提起、論拠、主張をつかむ。/ディベートテーマについて、意見を出し合う。
2週 評論「技術としての『教養』」(2)/学校行事対応・弁論大会レポート(2) 文章構成について議論する。/ディベートテーマについて、討論し、意見をまとめる。
3週 評論「技術としての『教養』」(3) 評論を100字要約する。
4週 自動詞と他動詞、「る・らる」「す・さす」「しむ」 古典語のヴォイスについて学ぶ。
5週 「き」「けり」 古典語のテンスについて学ぶ。
6週 「つ」「ぬ」「たり」「り」 古典語のアスペクトについて学ぶ。
7週 「む」「むず」「けむ」「らむ」「べし」「まじ」「じ」「らし」「めり」「終止なり」 古典語のモダリティについて学ぶ。
8週 中間試験 これまでの学習をまとめ、表現する。
4thQ
9週 中間試験解説 試験結果をもとに、これまでの復習と各自の課題発見をする。
10週 格助詞・接続助詞 古典語の格と条件表現形式について学ぶ。
11週 係り結び 古典語にみられる係り結びについて学ぶ。
12週 敬語の種類・特別な敬語表現 古典語から現代語に至る敬語の変化を学ぶ。
13週 伊勢物語「芥川」(1) 歌物語の文学史の位置づけを理解し、「男に問ひける」まで読解する。
14週 伊勢物語「芥川」(2) 「后のただにおはしける時とや」まで読解する。
15週 孔子の思想 [学問]と[政治]から2つずつ読解する。
16週 一年間のまとめ 一年間に行った学習をまとめ、今後の学習につなげる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。3
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。3
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。3
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3

評価割合

中間試験期末試験提出物発表合計
総合評価割合35352010100
基礎的能力35352010100
専門的能力00000
分野横断的能力00000