科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 国語
科目番号 0021 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『精選 現代文B』(三省堂)  『クリアカラー 国語便覧』(数研出版)
担当教員 中村 吉秀

到達目標

(1) 論理的文章を書くにあたり,基本的・一般的な読解および表現の方法を会得し,実践できること.
(2) 不特定多数の読者を想定した論理的文章を書けること.
(3) 他人の文章に込められた論理およびその表現方法を,的確に理解できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
論理的文章を中心とした文章表現論理的文章の叙述・構成・主題に関する方法を的確に用いて、自分の意見を効果的に主張する論文が書ける。論理的文章の叙述・構成・主題に関する方法を適切に用いて、自分の意見を正確に主張する論文が書ける。論理的文章の叙述・構成・主題に関する方法の用い方が不十分で、自分の意見がじゅうぶんに読み手に伝わらない。
文章の相手意識読者を的確に意識し、不特定多数の読者に読まれることにじゅうぶんに配慮した文章がまとめられる。読者を適切に意識し、不特定多数の読者に読まれることに対する想定がみられる文章がまとめられる。読者を意識することが不十分で、不特定多数の読者が想定されていない文章になっている。
論理的文章の読解と分析論理的文章を的確に読解し、そこに込められた論理や表現の工夫をじゅうぶんに理解している。論理的文章を適切に読解し、そこに込められた論理や表現の工夫が意識できている。論理的文章の読解が不十分で、論理や表現の工夫が読み取れていない。  

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 日本語の説明(論理)的文章を読み解く能力と表現する能力とを,関わり合いながら習得させること.また、ものづくりの活動に直接必要なプレゼンテーションの基礎力や倫理意識を,日本語という観点から考えさせるとともに,日本語そのものにも関心をもたせ,その認識を深めること.
授業の進め方・方法:
 教科書の文章にこだわらず,広く社会に流布する文章に読解教材を求めることで,より実践的な読解を行う.また,読解で学んだ文章のしくみをいかした作文の活動に力点をおき,読解力と表現力とを関連づけて養う.この他,クラス全体や学生相互で協力し合う課題をも課する.さらに,漢字や語句に関する基本的な演習を毎回行う.
注意点:
 読解と表現を並行して進めるので、関連づけて理解する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業の概要説明 授業の流れを知る。
2週 【論文入門】課題論文(1) 内容づくり/同音異義語(5) 論文表現の基本的な知識を得る。出題された語句・熟語等の成り立ちと用法を知る。
3週 【論文入門】課題論文(2) 執筆/辞書クイズ(3) 先人の手法に倣い、論文を執筆する。出題された語句・熟語等の成り立ちと用法を知る。
4週 【論文の読解概要】「判断停止の快感」(1)/同音異義語(6) 論文読解の基本を知る。出題された語句・熟語等の成り立ちと用法を知る。
5週 【論文の読解概要】「判断停止の快感」(2)/辞書クイズ(4)・敬語演習 論文読解の基本を理解し、実践する。出題された語句・熟語等の成り立ちと用法を知る。
6週 【論文の叙述】読解演習(1) キーワード整理法練習/対義語/【論文入門】課題論文の返却・検討 論文の叙述について、実際の文章に即して理解する。出題された語句・熟語等の成り立ちと用法を知る。自身の論文表現の問題点を認識する。
7週 【論文の叙述】読解演習(2) 設問・課題プリント配付/同音異義語(7) 論文の叙述についての理解を深め実践る。出題された語句・熟語等の成り立ちと用法を知る。
8週 (中間試験) これまでの学習内容を確認する。
2ndQ
9週 【論文の叙述】論文叙述批正(1)・論文らしい叙述 論文の叙述について意識しながら文章を批評する。
10週 【論文の叙述】論文叙述批正(2)・執筆/中間試験返却・解説/同音異義語(8) 論文らしい叙述を意識して論文を書く。出題された語句・熟語等の成り立ちと用法を知る。ここまでの学習内容の疑問点を解決する。
11週 【論文の叙述】役に立たない取扱説明書(1)構想メモ/辞書クイズ(5) 論文の叙述を自分のクラス文集の文章表現に活かすための構想を練る。出題された語句・熟語等の成り立ちと用法を知る。
12週 【論文の叙述】役に立たない取扱説明書(2)資料集め・執筆/同音異義語(9) クラス文集の文章表現に必要な資料などを集める。出題された語句・熟語等の成り立ちと用法を知る。
13週 【論文の叙述】役に立たない取扱説明書(3)下書きチェック/辞書クイズ(6) 論文らしい叙述を意識してクラス文集の文章を書く。出題された語句・熟語等の成り立ちと用法を知る。
14週 【論文の叙述】役に立たない取扱説明書(4)しあげ/同音異義語(10)/夏季課題説明 クラス文集の文章を整え、完成する。出題された語句・熟語等の成り立ちと用法を知る。
15週 漢字・語句テスト/成績概要と夏季課題提出 出題された語句・熟語等の成り立ちと用法を確認する。
16週 (学力強化週間) これまでの学習内容についての疑問点を解決する。
後期
3rdQ
1週 【論文の構成】読解演習・課題プリント配布 論文の構成に関して実際の文章に即して理解する。
2週 【ディベートと高等発表】弁論大会レポート(1) 立場に関するメリット・デメリット/同音異義語(11) 弁論大会の試合に関する準備を整える。出題された語句・熟語等の成り立ちと用法を知る。
3週 【ディベートと高等発表】弁論大会レポート(2) 定義・プラン設定/辞書クイズ(7) 弁論大会の試合に必要な資料などを集める。出題された語句・熟語等の成り立ちと用法を知る。
4週 【ディベートと高等発表】弁論大会レポート(3) 立論・論文執筆(1)/同音異義語(12) 弁論大会の試合を受け、自分なりの立論を書く。出題された語句・熟語等の成り立ちと用法を知る。
5週 【ディベートと高等発表】弁論大会レポート(4) 立論・試合評執筆(2) 弁論大会テーマに関する自らの意見を論文にする。
6週 【論文の構成】意外な論文(1) 構想メモ/辞書クイズ(8) 構成を意識した論文の構想を練る。出題された語句・熟語等の成り立ちと用法を知る。
7週 【論文の構成】意外な論文(2) 執筆/同音異義語(13) 構成を意識した論文の執筆を進める。出題された語句・熟語等の成り立ちと用法を知る。
8週 (中間確認)【論文の叙述】役に立たない取扱説明書(5) 配布・製本 クラス文集を作成し、他人の作品を読んで批評する。
4thQ
9週 【論文の構成】意外な論文(3) しあげ/漢字・語句テスト 構成を意識した論文を完成する。後期前半に学んだ語句・熟語などの知識を確認する。
10週 【論文の主題】読解演習・課題プリント配付/同音異義語(14) 主題の立て方を意識した論文読解を実践する。出題された語句・熟語等の成り立ちと用法を知る。
11週 【論文の主題】主題文の公式と適切な主題文づくり/辞書クイズ(9) 主題文のしくみを知る。出題された語句・熟語等の成り立ちと用法を知る。
12週 【論文の主題】主題文から論文を作る(1) 主題文の設定/同音異義語(15) 自分なりの主題文を立てる。出題された語句・熟語等の成り立ちと用法を知る。
13週 【論文の主題】主題文から論文を作る(2) 主題文からの展開/辞書クイズ(10) 主題文に添って論文を構想する。出題された語句・熟語等の成り立ちと用法を知る。
14週 【論文の主題】主題文から論文を作る(3) 執筆/同音異義語(16) 主題文に添って文章を執筆する。出題された語句・熟語等の成り立ちと用法を知る。
15週 期末試験返却/学習のまとめ/成績と学年末課題の説明 これまでの学習内容について整理する。
16週 (特別学習) これまでの学習内容についての疑問点を解決する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章を読み、論理の構成や展開の把握にもとづいて論旨を客観的に理解し、要約し、意見を表すことができる。また、論理的な文章の代表的構成法を理解できる。4
文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。4
読書習慣の形成をとおして感受性を培い、新たな言葉やものの見方を習得して自らの表現の向上に生かすことができる。3
現代日本語の運用、語句の意味、常用漢字、熟語の構成、ことわざ、慣用句、同音同訓異義語、単位呼称、対義語と類義語等の基礎的知識についての理解を深め、その特徴を把握できる。また、それらの知識を適切に活用して表現できる。4
情報の収集や発想・選択・構成の方法を理解し、論理構成や口頭によるものを含む表現方法を工夫して、科学技術等に関する自らの意見や考えを効果的に伝えることができる。また、信頼性を重視して情報を分析し、図表等を適切に活用・加工してコミュニケーションに生かすことができる。4
他者の口頭によるものを含む表現について、客観的に評価するとともに建設的に助言し、多角的な理解力、柔軟な発想・思考力の涵養に努めるとともに、自己の表現の向上に資することができる。5
相手の意見を理解して要約し、他者の視点を尊重しつつ、建設的かつ論理的に自らの考えを構築し、合意形成にむけて口頭によるコミュニケーションをとることができる。また、自らのコミュニケーションスキルを改善する方法を習得できる。2
社会で使用される言葉を始め広く日本語を習得し、その意味や用法を理解できる。また、それらを適切に用い、社会的コミュニケーションとして実践できる。3

評価割合

定期試験小テスト作文など課題態度合計
総合評価割合33124510100
基礎的能力121210034
専門的能力21020041
分野横断的能力00151025