国語Ⅲ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 国語Ⅲ
科目番号 0025 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『文学国語』(筑摩書房)、『語彙力をつける入試漢字2600』(筑摩書房)
担当教員 大谷 貞徳,市村 葉子,松山 哲士

到達目標

(1)評論や随想を的確に読解したうえで、筆者の主張を正しく理解し、わかりやすく説明できる。
(2)近代の文学作品を分析的に読み、その表現の工夫を解釈し、わかりやすく説明できる。
(3)自分の意見と他者の意見を比較検討し、深い議論ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1評論や随想を的確に読解したうえで、筆者の主張を正しく理解し、わかりやすく説明できる。評論や随想を読解したうえで、筆者の主張を正しく理解し、ある程度説明できる。評論や随想を読解できておらず、筆者の主張を理解できない。
評価項目2近代の文学作品を分析的に読み、その表現の工夫を解釈し、わかりやすく説明できる。近代の文学作品を読み、その表現の工夫を解釈し、ある程度説明できる。近代の文学作品に対して、その表現を解釈できない。
評価項目3自分の意見と他者の意見を比較検討し、積極的に議論し、意見をより深めることができる。自分の意見と他者の意見を比較検討し、議論ができる。自分の意見を持つことができず、議論もできていない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RC2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
この授業では、評論・小説・詩などの近現代の文章について、分析的に読解していくことを目的とする。評論では、文章構成を分析し、筆者の問題提起、論拠、主張を的確に理解できるようになり、それを自身の文章表現にも活かせるようにする。小説や詩では、多角的な視点から解釈できるようになり、自身の思考に繋げられるようにする。
授業の進め方・方法:
教員による講義形式を基本とするが、ペア/グループワークや小レポートなど、意見を発表したり、書いたりする機会も設ける。また、各単元で小レポートを作成し、教室内で議論を行う。随時漢字の小テストを行い、日本語の基礎的知識を修得し、自身の表現活動に役立てられるようにする。
注意点:
評価方法とその割合は、中間試験(30%)、期末試験(30%)、小レポート・小テスト(30%)、発表(10%)とする。
授業時には、上記に指定している教科書のほか、国語辞書を持って臨むこと。また、単元ごとに小レポートを課し、成績評価の対象とする。なお、自主的に発表を行った際には加点を行う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
授業の概要、目的、進め方を理解する。
2週 評論「情報の彫刻」(1) 紙とデータとの違いについて説明できる。
3週 評論「情報の彫刻」(2) 内容を理解した上で、自分の意見を理由を挙げて説明できる。
4週 小説「山月記」(1) 中島敦について理解を深める。
李徴が失踪するまでの経緯を読み取る。
5週 小説「山月記」(2) 李徴が虎になった経緯を読みとる。
6週 小説「山月記」(3) 李徴が虎になってからの苦悩を読み取る。
7週 小説「山月記」(4) 李徴と袁傪とのやり取りを読み取る。
8週 小説「山月記」(5) 李徴の人物像について、自分の意見をまとめ、議論する。
2ndQ
9週 中間試験 これまでの学習をまとめ、表現する。
10週 中間試験解説/評論「メディアと倫理」(1) 試験結果をもとに、これまでの復習と各自の課題発見をする。/情報メディアの特性を読み取る。
11週 評論「メディアと倫理」(2) 戦争と報道との関係性について考察する。
12週 評論「メディアと倫理」(3) 内容を理解した上で、自分の意見を理由を挙げて説明できる。
13週 詩「永訣の朝」(1) 宮沢賢治について理解を深める。
14週 詩「永訣の朝」(2) 詩の情景を理解し、鑑賞する。
15週 詩「永訣の朝」(3) 鑑賞文を作成し、クラス内で交流する。
16週 前期まとめ 前期に行った学習をまとめ、後期の学習につなげる。
後期
3rdQ
1週 小説『こころ』(1) 夏目漱石について理解を深め、作品に対する興味関心を深める。
2週 小説『こころ』(2) 「私」とKの置かれた状況を読み取る。
3週 小説『こころ』(3) 「私」とKとの関係性を意識しつつ、物語を読み進める。
4週 小説『こころ』(4) 「私」とKとの関係性を意識しつつ、物語を読み進める。
5週 小説『こころ』(5) 「私」とKの心情について考察する。
6週 小説『こころ』(6) 「私」とKの心情について考察する。
7週 小説『こころ』(7) 「私」の最終的な心情や、Kが自殺した理由について、自分の意見をまとめ、議論する。
8週 中間試験 これまでの学習をまとめ、表現する。
4thQ
9週 中間試験解説 試験結果をもとに、これまでの復習と各自の課題発見をする。
10週 評論「文学の仕事」(1) 「文学」と「科学技術」の役割について、読み取る。
11週 評論「文学の仕事」(2) 「情熱」について、「個」と「全体」について、読み取る。
12週 評論「文学の仕事」(3) 「文学の力」について、自分の考えをまとめる。
13週 小説「鞄」(1) 全文を読み、初読の感想をまとめる。
14週 小説「鞄」(2) 本文の精読を行う。
15週 小説「鞄」(3) 自分にとっての「自由」とは何か、意見を持つ。
16週 一年間のまとめ 一年間に行った学習をまとめ、今後の学習につなげる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3前2,前8,前10,前15,後6,後10,後15
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3前2,前8,前12,前15,前16,後6,後10,後15
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3前3,前6,前7,前8,前11,前13,前14,後2,後3,後4,後5,後11,後13,後14
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後10,後11,後12,後13,後14
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。3前7,前8,前13,後4,後13,後14
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。3前2,前4,前8,前12,前13,前15,前16,後1,後2,後10,後12,後13,後15,後16
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3前2,前7,前8,前12,前15,前16,後2,後5,後6,後10,後13,後14,後15,後16
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。3前3,前7,前8,前11,前12,前14,前16,後3,後5,後11,後13,後14
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3前3,前7,前8,前11,前13,前14,後3,後5,後7,後11,後14
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3前7,前8,前13,前14,後3,後5,後7,後14
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3前5,前6,前7,前8,前13,前14,後3,後5,後7,後14
分野横断的能力汎用的技能コミュニケーションスキルコミュニケーションスキルグループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3

評価割合

中間試験期末試験小レポート・小テスト発表合計
総合評価割合30303010100
基礎的能力30303010100
専門的能力00000
分野横断的能力00000