概要:
あなたは「新幹線の一番前の車両はなぜあんな形になっているのだろう」とか「野球のピッチャーの投げたカーブはなぜ曲がるのだろう」と疑問に思ったことがないだろうか? この講義は、工学的な問題や身の回りにある流れについてあなたが説明できるようになることが目標です。具体的には、これまであなたが学んできた数学や物理を道具に使って、流れ現象の基礎式(連続の式、ベルヌーイの式など)の導出や具体的な問題へ適用します。さらに運動量の法則についても理解を深めます。また、工学的な問題例として、円管内流れ、物体まわりの流れについて取り上げ、これらの流れの物理的意味を考えることが出来るようにします。さらに、将来ポンプやタービン、プラントの設計に関わるときにより機能性や安全性を意識できるようにすることが目標です。
授業の進め方・方法:
この授業は、機械工学分野の基礎科目のひとつです。
また、本科目は学修単位科目「B」です。授業外学修の時間を含めます。従って、授業においては流れ学に関する講義と演習を行ない、さらに、授業外学修のための課題を課します。
講義は、教科書に沿いながら行います。講義中は理解度をチェックするため出来るだけ質問をしながら進めますので、疑問やコメントがあったら積極的に発言して下さい。また、教科書の例題や演習問題についてその都度解説を加えます。問題を解くことで理解を深める狙いがあります。また、授業外学修のための課題はほぼ毎回配布し、提出する必要があります。このような課題には積極的に取り組むことをお勧めします。
注意点:
学習教育目標:本科(準学士課程):RB2(◎)
学習教育目標:環境生産システム工学プログラム:JB3(◎),JC1(○)
関連科目:流れ学I(本科3年)、流体機械(本科5年)、連続体力学(専攻科2年)
学習・教育目標(RB2,JB3)の達成および科目取得の評価方法:中間試験および定期試験の成績(70%)、授業外学修による課題の評価(30%)で各学期の成績を評価する。学年末成績は各学期の成績評価を平均する。さらに学年成績に関しては、追加課題を課し、その評価によって最大10点を加点することがある。
学習・教育目標(RB2,JB3)の達成および科目取得の評価基準:学年成績60点以上を合格とする。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業計画の説明、流線の方程式、質量保存則(連続の式) 【授業外学習】教科書p.37~39の予習 |
流線の方程式について説明できる。質量保存則(連続の式)導出の前提条件について説明できる。
|
2週 |
1次元の連続の式の導出,2次元の連続の式の導出、連続の式に関する演習 【授業外学習】教科書p.39の予習、連続の式に関する演習問題 |
連続の式について説明できる。
|
3週 |
連続の式に関する演習,エネルギー保存則(ベルヌーイの式) 【授業外学習】教科書p.39~41の予習、ベルヌーイの式に関する演習問題 |
連続の式に関連した基本的な問題を解くことができる。ベルヌーイの式について説明できる。
|
4週 |
相似則(レイノルズ数),ベルヌーイの式に関する演習 【授業外学習】教科書p.41~43の予習、ベルヌーイの式に関する演習問題 |
相似則について説明できる。ベルヌーイの式に関連した基本的な問題を解くことができる。
|
5週 |
ベルヌーイの式,相似則に関する演習 【授業外学習】ベルヌーイの式、相似則に関する演習問題 |
ベルヌーイの式、相似則に関連した基本的な問題を解くことができる。
|
6週 |
運動方程式(ナビエ・ストークスの式)の導出1 【授業外学習】教科書p.43~46の予習、ベルヌーイの式に関する演習問題 |
ナビエ・ストークスの式導出の前提条件について説明できる。
|
7週 |
運動方程式(ナビエ・ストークスの式)の導出2,オイラーの運動方程式について,ナビエ・ストークスの式に関する演習 【授業外学習】ナビエ・ストークスの式に関する演習問題 |
ナビエ・ストークスの式について説明できる。ナビエ・ストークスの式に関連した基本的な問題を解くことができる。
|
8週 |
中間試験 |
|
2ndQ |
9週 |
試験の返却と解説、運動量の法則の説明 【授業外学習】教科書p.75~77の予習 |
中間試験の解説からその範囲について理解できる。運動量の法則について説明できる。
|
10週 |
運動量の法則の説明,運動量の法則の応用(管路に及ぼす流体の力と管路損失) 【授業外学習】教科書p.77~78の予習、運動量の法則に関する演習問題 |
運動量の法則の応用(管路に及ぼす流体の力と管路損失)について説明できる。
|
11週 |
管路に及ぼす流体の力と管路損失に関する演習 【授業外学習】運動量の法則に関する演習問題 |
管路に及ぼす流体の力と管路損失に関連した基本的な問題を解くことができる。
|
12週 |
運動量の法則の応用(物体に及ぼす噴流の力) 【授業外学習】教科書p.78~81の予習、運動量の法則に関する演習問題 |
運動量の法則の応用(物体に及ぼす噴流の力)について説明できる。
|
13週 |
物体に及ぼす噴流の力に関する演習 【授業外学習】運動量の法則に関する演習問題 |
物体に及ぼす噴流の力に関連した基本的な問題を解くことができる。
|
14週 |
角運動量の法則 【授業外学習】角運動量の法則に関する演習問題 |
角運動量の法則について説明できる。
|
15週 |
角運動量の法則に関する演習 【授業外学習】角運動量の法則に関する演習問題 |
角運動量の法則に関連した基本的な問題を解くことができる。
|
16週 |
試験返却、学習のまとめ 【授業外学習】試験問題の復讐 |
期末試験の解説からその範囲について理解できる。
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
円管流れの圧力降下と層流、乱流 【授業外学習】教科書p.49~50の予習、円管流れの圧力降下に関する演習問題
|
円管流れの圧力降下と層流、乱流について説明できる。
|
2週 |
助走区間内の円管流れ 【授業外学習】教科書p.50~52の予習、助走区間内も円管流れに関する演習問題 |
助走区間内の円管流れについて説明できる。
|
3週 |
十分発達した円管流れ(層流) 【授業外学習】教科書p.52~54の予習、層流の十分に発達した円管流れに関する演習問題 |
十分発達した円管流れ(層流)について説明できる。
|
4週 |
十分発達した円管流れ(乱流:滑らかな壁面の場合) 【授業外学習】乱流の滑らかな壁面の場合の円管流れに関する演習問題 |
十分発達した円管流れ(乱流:滑らかな壁面の場合)について説明できる。
|
5週 |
十分発達した円管流れ(乱流:粗い壁面の場合) 【授業外学習】教科書p.57~58の予習、乱流の粗い壁面の場合の円管流れに関する演習問題 |
十分発達した円管流れ(乱流:粗い壁面の場合)について説明できる。
|
6週 |
十分発達した円管流れ(乱流:ムーディ線図) 【授業外学習】教科書p.57~58の予習、乱流の粗い壁面の場合の円管流れに関する演習問題 |
十分発達した円管流れ(乱流:ムーディ線図)について説明できる。
|
7週 |
拡大管内の流れとその演習 【授業外学習】損失を考慮したベルヌーイの式に関する演習問題 |
拡大管内の流れについて説明できる。
|
8週 |
中間試験 |
|
4thQ |
9週 |
試験返却とその解説、物体まわりの流れ(境界層の概略) 【授業外学習】教科書p.63~66の予習 |
中間試験の解説からその範囲について理解できる。
|
10週 |
平板上の境界層と摩擦抗力(境界層) 【授業外学習】教科書p.63~66の予習、平板上の排除厚さ、運動量厚さに関する演習問題 |
平板上の境界層と摩擦抗力(境界層)について説明できる。
|
11週 |
平板上の境界層と摩擦抗力(境界層の運動量方程式) 【授業外学習】平板上の境界層に関する演習問題 |
平板上の境界層と摩擦抗力(運動量方程式)について説明できる
|
12週 |
平板上の境界層と摩擦抗力に関する演習 【授業外学習】平板上の境界層に関する演習問題 |
平板上の境界層と摩擦抗力に関する基本的な問題を解くことができる。
|
13週 |
円柱まわりの流れと圧力抗力 【授業外学習】教科書p.66~73の予習、円柱まわりの流れに関する演習問題 |
円柱まわりの流れと圧力抗力について説明できる。
|
14週 |
流れの中の物体に作用する抗力、翼まわりの流れと揚力 【授業外学習】物体に作用する抗力、翼まわりの流れと揚力に関する演習問題 |
流れの中の物体に作用する抗力、翼まわりの流れと揚力について説明できる。
|
15週 |
流れの中の物体に作用する抗力、翼まわりの流れと揚力に関する演習 【授業外学習】物体に作用する抗力、翼まわりの流れと揚力に関する演習問題 |
流れの中の物体に作用する抗力、翼まわりの流れと揚力に関する基本的な問題を解くことができる。
|
16週 |
試験返却とその解説 |
期末試験の解説からその範囲について理解できる。
|