材料学Ⅱ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 材料学Ⅱ
科目番号 0055 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 大西忠一、小川恒一、津田 滉、安丸尚樹著、「材料工学の基礎」、朝倉書店
担当教員 安丸 尚樹

到達目標

(1)拡散・変態現象を理解し、応力―ひずみ曲線を説明できること。
(2)炭素鋼の状態図・熱処理・材料記号の知識を身に付けること。
(3)特殊鋼、鋳鉄、非鉄金属材料(アルミニウム・銅・チタン・マグネシウム合金)の特徴・材料記号を理解し、表面硬化処理を説明できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1材料学Ⅱにおける基礎知識を充分に習得し、様々 な問題を解決するために応用できる。材料学Ⅱにおける基礎知識を充分に習得・理解 し、演習問題を解くことができる。材料学Ⅱにおける基礎知識が習得できていない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前期には、金属材料の基礎物性の残りを学習した後、機械材料として最も重要な炭素鋼に関し詳しく学ぶ。後期には、特殊鋼、鋳鉄、非鉄金属材料(アルミニウム・銅・チタン・マグネシウム合金)と表面硬化処理ついて学習し、実用機械材料の基礎力を身に付ける。
授業の進め方・方法:
熱処理や状態図など、応用例を含め教科書の内容を分かりやすく黒板で解説するため、板書をノートに必ず記入し、分からないことは積極的に質問すること。
注意点:
本科(準学士課程):RB2(◎)
既に学んでいる科目: 材料学Ⅰ(2年) 今後学ぶ科目: 材料科学(5年)、生産材料工学・先端材料工学(専攻科)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 拡散と変態 シラバスを理解できる。拡散の機構、拡散速度、アインシュタインの式による拡散解析を説明できる。
2週 弾性と塑性 弾性・塑性変形、引張試験、荷重―伸び曲線、加工硬化を説明できる。
3週 弾性と塑性 真応力、真ひずみ、公称(真)応力―公称(真)ひずみ曲線、引張強さを説明できる。
4週 弾性と塑性 各種材料の応力―ひずみ曲線を説明できる。
5週 炭素鋼 製鉄法、Fe-C系状態図(相の数、純鉄の変態、α、γ、θ)を説明できる。
6週 炭素鋼 Fe-C系状態図(変態点、状態図中の諸反応、炭素鋼の分類)を説明できる。
7週 炭素鋼 γから徐冷する時の組織変化、組織割合からの炭素含有量の計算を説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 炭素鋼 試験の返却と解説。炭素鋼の機械的性質、炭素鋼の熱処理と組織変化を説明できる。
10週 炭素鋼 共析鋼の連続冷却変態(CCT)線図と恒温変態(TTT)線図を説明できる。
11週 炭素鋼 加工硬化、回復・再結晶、焼なまし、焼ならしを説明できる。
12週 炭素鋼 焼入れ、マルテンサイト、硬さ試験を説明できる。
13週 炭素鋼 焼もどし、実用炭素鋼を説明できる。
14週 炭素鋼 実用炭素鋼、材料記号を説明できる。
15週 まとめ、特殊鋼 まとめ。高張力鋼、構造用合金鋼を説明できる。
16週
後期
3rdQ
1週 炭素鋼 構造用合金鋼、工具鋼、高速度鋼を説明できる。
2週 炭素鋼 超硬合金とサーメット、軸受鋼、ばね鋼、耐熱鋼、クリープ現象を説明できる。
3週 炭素鋼 ステンレス鋼を説明できる。
4週 鋳鉄 鋳鉄(鋳鉄の破面と組織、白鋳鉄の凝固過程)を説明できる。
5週 鋳鉄 鋳鉄(ねずみ鋳鉄の凝固過程、鋳鉄の組織と機械的性質)を説明できる。
6週 鋳鉄 各種鋳鉄(ねずみ鋳鉄、チル鋳物、球状黒鉛鋳鉄)を説明できる。
7週 アルミニウム合金 純アルミニウムの特性、時効処理を説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 アルミニウム合金 試験の返却と解説を理解できる。Al合金の材料記号、耐食性Al合金を説明できる。
10週 アルミニウム合金 高力Al合金、鋳物用Al合金を説明できる。
11週 銅合金 純銅の特性、Cu合金の材料記号、黄銅を説明できる。
12週 銅合金、チタン合金 洋白、青銅、純チタンの特性を説明できる。
13週 チタン合金、マグネシウム合金 チタン合金と応用例、マグネシウム合金を説明できる。
14週 表面硬化処理 高周波焼入れ、浸炭、窒化を説明できる。
15週 まとめ、材料試験 疲労試験、衝撃試験、まとめを理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料機械材料に求められる性質を説明できる。4
金属材料、非金属材料、複合材料、機能性材料の性質と用途を説明できる。4
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。4
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。4
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。4
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。4
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。4
塑性変形の起り方を説明できる。4
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。4
鉄鋼の製法を説明できる。4
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。4
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。4
焼きなましの目的と操作を説明できる。4
焼きならしの目的と操作を説明できる。4
焼入れの目的と操作を説明できる。4
焼戻しの目的と操作を説明できる。4

評価割合

試験課題レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90100000100
基礎的能力0000000
専門的能力90100000100
分野横断的能力0000000