流れ学Ⅱ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 流れ学Ⅱ
科目番号 0057 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 加藤宏「ポイントを学ぶ流れの力学」、丸善
担当教員 藤田 克志

到達目標

(1)連続の式が導出でき、連続の式に関連する基本的な問題が解けること。
(2)ベルヌーイの式、運動量の法則の意味が理解でき、これらに関連する基本的な問題が解けること。
(3)ナビエ・ストークスの運動方程式を使って、流れの基本的な問題が解けること。
(4)円管内流れに関連した基本的な問題が解けること。
(5)境界層に関連した基本的な問題が解けること。
(6)物体まわりの流れに作用する抗力および揚力に関連した基本的な問題が解けること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1連続の式が導出でき、連続の式に関連する基本的な問題がほとんど解ける。連続の式が導出でき、連続の式に関連する基本的な問題がある程度解ける。連続の式が導出できず、連続の式に関連する基本的な問題が解けない。
到達目標2ベルヌーイの式、運動量の法則の意味が理解でき、これらに関連する基本的な問題がほとんど解ける。ベルヌーイの式、運動量の法則の意味が理解でき、これらに関連する基本的な問題がある程度解ける。ベルヌーイの式、運動量の法則の意味が理解できず、これらに関連する基本的な問題が解けない。
到達目標3ナビエ・ストークスの運動方程式を使って、流れの基本的な問題がほとんど解ける。ナビエ・ストークスの運動方程式を使って、流れの基本的な問題がある程度解ける。ナビエ・ストークスの運動方程式を使って、流れの基本的な問題が解けない。
到達目標4円管内流れに関連した基本的な問題がほとんど解ける。円管内流れに関連した基本的な問題がある程度解ける。円管内流れに関連した基本的な問題が解けない。
到達目標5境界層に関連した基本的な問題がほとんど解ける。境界層に関連した基本的な問題がある程度解ける。境界層に関連した基本的な問題が解けない。
到達目標6物体まわりの流れに作用する抗力および揚力に関連した基本的な問題がほとんど解ける。物体まわりの流れに作用する抗力および揚力に関連した基本的な問題がある程度解ける。物体まわりの流れに作用する抗力および揚力に関連した基本的な問題が解けない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
あなたは「新幹線の一番前の車両はなぜあんな形になっているのだろう」とか「野球のピッチャーの投げたカーブはなぜ曲がるのだろう」と疑問に思ったことがないだろうか? この講義は、工学的な問題や身の回りにある流れについてあなたが説明できるようになることが目標です。具体的には、これまであなたが学んできた数学や物理を道具に使って、流れ現象の基礎式(連続の式、ベルヌーイの式など)の導出や具体的な問題へ適用します。さらに運動量の法則についても理解を深めます。また、工学的な問題例として、円管内流れ、物体まわりの流れについて取り上げ、これらの流れの物理的意味を考えることが出来るようにします。さらに、将来ポンプやタービン、プラントの設計に関わるときにより機能性や安全性を意識できるようにすることが目標です。
授業の進め方・方法:
この授業は、機械工学分野の基礎科目のひとつです。
また、本科目は学修単位科目です。従って、授業においては流れ学に関する講義と演習を行ない、さらに、授業外学修のための課題を課します。
講義は、教科書に沿いながら行います。講義中は理解度をチェックするため出来るだけ質問をしながら進めますので、疑問やコメントがあったら積極的に発言して下さい。また、教科書の例題や演習問題についてその都度解説を加えます。問題を解くことで理解を深める狙いがあります。また、授業外学修のための課題はほぼ毎回配布し、提出する必要があります。このような課題には積極的に取り組むことをお勧めします。
注意点:
学習教育目標:本科(準学士課程):RB2(◎)
学習教育目標:環境生産システム工学プログラム:JB3(◎),JC1(○)
関連科目:流れ学I(本科3年)、機械設計製図Ⅱ(本科4年)、流体機械(本科5年)、連続体力学(専攻科2年)
学習・教育目標(RB2,JB3)の達成および科目取得の評価方法:中間試験および定期試験の成績(70%)、授業外学修による課題の評価(30%)で各学期の成績を評価する。学年末成績は各学期の成績評価を平均する。さらに学年成績に関しては、追加課題を課し、その評価によって最大10点を加点することがある。
学習・教育目標(RB2,JB3)の達成および科目取得の評価基準:学年成績60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業計画の説明、流線の方程式、質量保存則(連続の式)
【授業外学習】教科書p.37~39の予習
流線の方程式について説明できる。質量保存則(連続の式)導出の前提条件について説明できる。
2週 1次元の連続の式の導出,2次元の連続の式の導出、連続の式に関する演習
【授業外学習】教科書p.39の予習、連続の式に関する演習問題
連続の式について説明できる。
3週 連続の式に関する演習,エネルギー保存則(ベルヌーイの式)
【授業外学習】教科書p.39~41の予習、ベルヌーイの式に関する演習問題
連続の式に関連した基本的な問題を解くことができる。ベルヌーイの式について説明できる。
4週 相似則(レイノルズ数),ベルヌーイの式に関する演習
【授業外学習】教科書p.41~43の予習、ベルヌーイの式に関する演習問題
相似則について説明できる。ベルヌーイの式に関連した基本的な問題を解くことができる。
5週 ベルヌーイの式,相似則に関する演習
【授業外学習】ベルヌーイの式、相似則に関する演習問題
ベルヌーイの式、相似則に関連した基本的な問題を解くことができる。
6週 運動方程式(ナビエ・ストークスの式)の導出1
【授業外学習】教科書p.43~46の予習、ベルヌーイの式に関する演習問題
ナビエ・ストークスの式導出の前提条件について説明できる。
7週 運動方程式(ナビエ・ストークスの式)の導出2,オイラーの運動方程式について,ナビエ・ストークスの式に関する演習
【授業外学習】ナビエ・ストークスの式に関する演習問題
ナビエ・ストークスの式について説明できる。ナビエ・ストークスの式に関連した基本的な問題を解くことができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 試験の返却と解説、運動量の法則の説明
【授業外学習】教科書p.75~77の予習
中間試験の解説からその範囲について理解できる。運動量の法則について説明できる。
10週 運動量の法則の説明,運動量の法則の応用(管路に及ぼす流体の力と管路損失)
【授業外学習】教科書p.77~78の予習、運動量の法則に関する演習問題
運動量の法則の応用(管路に及ぼす流体の力と管路損失)について説明できる。
11週 管路に及ぼす流体の力と管路損失に関する演習
【授業外学習】運動量の法則に関する演習問題
管路に及ぼす流体の力と管路損失に関連した基本的な問題を解くことができる。
12週 運動量の法則の応用(物体に及ぼす噴流の力)
【授業外学習】教科書p.78~81の予習、運動量の法則に関する演習問題
運動量の法則の応用(物体に及ぼす噴流の力)について説明できる。
13週 物体に及ぼす噴流の力に関する演習1
【授業外学習】運動量の法則に関する演習問題
物体に及ぼす噴流の力に関連した基本的な問題を解くことができる。
14週 物体に及ぼす噴流の力に関する演習2
【授業外学習】運動量の法則に関する演習問題
物体に及ぼす噴流の力に関連した基本的な問題を解くことができる。
15週 試験返却、学習のまとめ
【授業外学習】教科書p.83~85の予習、夏休みの宿題
期末試験の解説からその範囲について理解できる。前期の基本事項について説明できる。
16週
後期
3rdQ
1週 角運動量の法則
【授業外学習】角運動量の法則に関する演習問題
角運動量の法則について説明できる。
2週 角運動量の法則に関する演習
【授業外学習】角運動量の法則に関する演習問題
角運動量の法則に関連した基本的な問題を解くことができる。
3週 円管流れの圧力降下と層流、乱流
【授業外学習】教科書p.49~50の予習、円管流れの圧力降下に関する演習問題
円管流れの圧力降下と層流、乱流について説明できる。
4週 助走区間内の円管流れ
【授業外学習】教科書p.50~52の予習、助走区間内も円管流れに関する演習問題
助走区間内の円管流れについて説明できる。
5週 十分発達した円管流れ(層流)
【授業外学習】教科書p.52~54の予習、層流の十分に発達した円管流れに関する演習問題
十分発達した円管流れ(層流)について説明できる。
6週 十分発達した円管流れ(乱流:滑らかな壁面の場合)
【授業外学習】教科書p.54~57の予習、乱流の滑らかな壁面の場合の円管流れに関する演習問題
十分発達した円管流れ(乱流:滑らかな壁面の場合)について説明できる。
7週 十分発達した円管流れ(乱流:粗い壁面の場合、ムーディ線図)
【授業外学習】教科書p.57~58の予習、乱流の粗い壁面の場合の円管流れに関する演習問題
十分発達した円管流れ(乱流:粗い壁面の場合、ムーディ線図)について説明できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 験の返却と解説、拡大管内の流れ
【授業外学習】教科書p.58~60の予習、損失を考慮したベルヌーイの式に関する演習問題
中間試験の解説からその範囲について理解できる。拡大管内の流れについて説明できる。
10週 拡大管内の流れに関する演習
【授業外学習】損失を考慮したベルヌーイの式に関する演習問題
拡大管内の流れについて演習を通して深く説明できる。
11週 平板上の境界層と摩擦抗力(境界層)
【授業外学習】教科書p.63~66の予習、平板上の排除厚さ、運動量厚さに関する演習問題
平板上の境界層と摩擦抗力(境界層)について説明できる。
12週 平板上の境界層と摩擦抗力(境界層の厚さ)
【授業外学習】平板上の境界層に関する演習問題
平板上の境界層と摩擦抗力(境界層の厚さ)について説明できる。
13週 円柱まわりの流れと圧力抗力
【授業外学習】教科書p.66~73の予習、円柱まわりの流れに関する演習問題
円柱まわりの流れと圧力抗力について説明できる。
14週 流れの中の物体に作用する抗力、翼まわりの流れと揚力
【授業外学習】教科書p.69~71の予習、物体に作用する抗力、翼まわりの流れと揚力に関する演習問題
流れの中の物体に作用する抗力、翼まわりの流れと揚力について説明できる。
15週 試験返却とその解説 期末試験の解説からその範囲について理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体定常流と非定常流の違いを説明できる。4前1
流線と流管の定義を説明できる。4前1
質量保存則と連続の式を説明できる。4前2
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4前3
オイラーの運動方程式を説明できる。4前6,前7
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4前3,前4
ピトー管、ベンチュリー管、オリフィスを用いた流量や流速の測定原理を説明できる。4前5
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。4前9,前10,前11,前12,前13,前14
層流と乱流の違いを説明できる。4後3
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。4後5
円管内層流および円管内乱流の速度分布を説明できる。4後5,後6
ハーゲン・ポアズイユの法則を説明できる。4後5
ダルシー・ワイスバッハの式を用いて管摩擦損失を計算できる。4後5
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる。4後7
境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。4後11,後12
流れの中の物体に作用する抗力および揚力について説明できる。4後13,後14
抗力について理解し、抗力係数を用いて抗力を計算できる。4後13
揚力について理解し、揚力係数を用いて揚力を計算できる。4後14

評価割合

試験提出物相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000