言語文化特講

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 言語文化特講
科目番号 0058 科目区分 一般 / 選択
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 『トータルサポート 新国語便覧』大修館
担当教員 佐々木 克己,松山 哲士

到達目標

(1)古典文学作品から現代のサブカルチャーまで人の心をとらえてきた様々な言語表現に接することで、今、そして将来の現実の言語生活をより豊かなものにする。
(2)他者の言葉を的確に理解し、自らの気持ちや考えを効果的に伝えられる日本語力を高める。
(3)実社会をたくましくかつしなやかに生き抜くために必要な国語の知識ゃ技能を身に付ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1積極的に読書に親しみ自らの言語力向上に役立てられる。言語文化に対して平均的な興味関心を持ち社会人として恥ずかしくない教養がある。知的好奇心に乏しく、文学作品等に対して無関心である。
評価項目2他者の言葉を正確に理解でき、自らの考えを効果的に伝えられる。日常のコミュニケーションは特に支障なく行える。コミュニケーション能力に問題があり、日常生活でも困難なことが多い。
評価項目3豊富な語彙力を持ち、場面に応じて豊かな表現ができる。常識的な語彙力はあり、特に支障なく言語生活を送れる。語彙力不足のため、他者とのコミュニケーションで齟齬を招くことが多い。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生涯にわたる社会生活に必要な国語の知識や技能を身に付けるとともに、我が国の言語文化に対する理解を深めることができるようにする。
論理的に考える力や深く共感したり豊かに想像したりする力を伸ばし、他者との関わりの中で伝え合う力を高め、自分の考えを広げたり深めたりすることができるようにする。
古典文学作品から現代のライトノベルやJポップの歌詞まで幅広いジャンルから素材を選び、主体的・探究的な読解とそれを踏まえた話し合いを行う。
漢詩と和歌の音読・暗誦を通して、伝統的な価値観や美意識に対する理解・認識を深める。
授業の進め方・方法:
毎時間、漢詩または和歌の音読・暗誦と語彙力強化小テストを行う。小テストでは実生活で役に立つ語彙力を増強することを企図し、カタカナ語や熟語の読み方・意味・用法等を幅広く出題する。
インターネット等を活用し、主体的・積極的に情報を収集しそれをもとに思考し判断し表現する力を養う。
授業で取り上げる教材は今を生きる受講者の心に訴求するものであることを重視して選んである。
授業の終わりには少人数でのバズセッションを行う。
注意点:
中間・期末試験 50%   小テスト 30%  課題作文等 20%
インターネットを活用して情報収集したり、少人数で議論する等アクティブな活動を多くするので、常に主体的・探究的な姿勢で授業に望むこと。
この授業での学びが学生の日常的な言語生活に良い影響を与えることを企図して授業を構築するので、読書や映画鑑賞等で積極的に知的世界に関わっていくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 授業の流れを把握する。授業の概要、目的を理解する。
2週 ケネディ大統領就任演説
漢詩、語彙指導、言語活動
実生活に役立つ文学的表現についての認識を持つ。
3週 小説『少年の日の思い出』
漢詩、語彙指導、言語活動
翻訳の難しさと面白さについて理解を深める。
4週 小説『走れメロス』
漢詩、語彙指導、言語活動
太宰治の作品の魅力を知り、彼の作品への興味関心を高める。
5週 小説『故郷』
漢詩、語彙指導、言語活動
日本と中国での漢字廃止論の歴史を学ぶ。
6週 漢文『矛盾』
漢詩、語彙指導、言語活動
中国における儒教批判の論理と歴史を学ぶ。
7週 小説『悲しみよこんにちは』
漢詩、語彙指導、言語活動
天才作家のデビュー作を読み、その文学的表現の魅力を味わう。
8週 Jポップの歌詞
漢詩、語彙指導、言語活動
若者に人気のある楽曲の歌詞の中から、心に強く響くフレーズを探す。
4thQ
9週 中間試験 これまでの授業での学習内容の理解度と定着度を測る。
10週 中間試験解説/詩を味わう
和歌、語彙指導、言語活動
吉野弘と八木重吉の詩を味わう。
11週 随筆『水の東西』
和歌、語彙指導、言語活動
「この文章は評論ではなく随筆」という筆者の言葉を糸口に、論理的文章の条件について学ぶ。
12週 小説『家族八景』
和歌、語彙指導、言語活動
人間の内面の真実を描く、という視点から我が国の近現代文学の有名作品を概観する。
13週 漢文『史記』(1)
和歌、語彙指導、言語活動
史記の概要を知る。
14週 漢文『史記』(2)
和歌、語彙指導、言語活動
現代語訳で物語の面白さを味わう。
15週 期末試験 これまでの授業での学習内容の理解度と定着度を測る。
16週 期末試験解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3後2,後6,後11
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3後2,後6,後11
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3後2,後3,後4,後7,後8,後10,後12,後13,後14
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。3後6,後11
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。3後6
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。3後2,後8
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。3後6,後11
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3後3,後6,後11
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後10,後11,後12
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3後3,後4,後5,後7,後11

評価割合

中間試験期末試験小テスト課題作文合計
総合評価割合25253020100
基礎的能力25253020100
専門的能力00000
分野横断的能力00000