(1)社会や環境に影響を与える科学技術に携わる技術者を目指す者として、技術者が倫理的に配慮すべきもの(公衆の安全・健康・福利、説明責任、平和の構築、自然資源の維持など)について、自らに引き付けて理解している。
(2)将来世代にわたる持続可能な地球社会の構築に努めるために、技術者として知っておくべき環境倫理や環境問題の現状についての基本的な知識を自らに引き付けて理解している。
(3)受講者が、技術者として社会で活躍するに際して、倫理的に行動するために知っておくべき概念(コンプライアンス、リスクマネジメント、社会貢献)を習得するとともに、それを基に自ら考える習慣を身に着ける。
(4)あらゆる技術には、必ずベネフィットとリスクが共存することや、リスクはあとで明らかになることも多いことを理解すること。
(5)新技術の開発に当たっては、科学的・客観的な視点から、そのリスクを回避または最小化することの重要性を体得すること。
(6)現実にリスクに直面したとき、その情報と対応策を組織の内外に説明・伝達・コミュニケートできる能力を開発すること。
(7)日本技術士会や電気学会等の「倫理要綱」の趣旨と意義が理解でき、また、その内容を第三者に説明できること。
(8)特許制度の概要を理解すること。
(9)特許出願書類(クレーム、明細書、図面等)の相互間の関連付けを理解し、明細書等を読み書きできるようにすること。
(10)特許侵害の意義を理解すること。
学習・教育到達度目標 RB2
JABEE JA3
概要:
現代社会において、技術者が社会的責任を問われる背景を理解し、講義および事例研究を通して、工学倫理に関する基礎知識を修得し、技術者が社会的責任を果たし、工学倫理に関わる問題に適切に対応できるようにする。
この科目は、技術士(建設部門(道路))の資格をもち、建設コンサルタント会社に勤務している者、および企業にて知的財産に関する業務に従事していた者が授業の一部を担当し、その経験を活かし、技術者としてのあり方、身につけるべき素養などを含め工学倫理等について多面的に授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
地球の環境倫理や倫理規定の必要性、事故の事例を踏まえた教育を行うとともに、環境、生命、安全、失敗や創造など多面的な視点から、工学倫理について教授する。Powerpointを用いた講義、プレゼンテーションやグループワーク、ケースメソッドなどの活動により授業を進める。
注意点:
定期試験は行わなず、提出されたレポートのみで成績を評価する。授業の内容を確実に身につけるために、予習・復習が必須である。講義中はパワーポイントや板書の内容だけでなく、口頭による説明についても各自メモをとる習慣を身につけること。内容を深く理解するため、また実践的工学倫理力を高めるため、参考文献やTV、新聞、インターネット等のメディアを活用し、近年話題となった工学倫理上の問題についてむ自身で調べ、分析すること。また、教科書に記載されている内容を一通り目を通し、技術的文書の展開方法、作成方法など、技術レポート作成の参考にすること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス 倫理的な問題の考え方(担当:中谷内) |
ガイダンス。倫理的な問題とその考え方について理解し実践する。
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2週 |
技術者の社会的責任、コンプライアンス(担当:板倉) |
技術者と社会的責任、コンプライアンスとは何か、コンプライアンス違反の事例について理解すること
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3週 |
製造物責任、リスクマネジメント(担当:板倉) |
製造物責任とは何か、製造物責任が問われた事例、リスクとクライシス、コントロールとマネジメントについて理解すること
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4週 |
2030SDGsの体験と振り返り(1)(担当:川畑) |
SDGsが設定された背景や達成目標を知り、ゲームを通して自らの行動が社会に与える影響について理解し、技術者として目指すべき社会について考える。
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5週 |
社会貢献(地域貢献)(担当:板倉) |
技術者の本来的使命、「この時」「この場所」との関わりについて理解すること
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6週 |
2030SDGsの体験と振り返り(2)(担当:川畑) |
SDGsが設定された背景や達成目標を知り、ゲームを通して自らの行動が社会に与える影響について理解し、技術者として目指すべき社会について考える。
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7週 |
技術者が配慮すべきもの:公衆の利益(担当:中谷内) |
公衆の利益とは何か、どこまで・どうして配慮すべきなのかを考え、自分の意見を述べる。
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8週 |
技術者が配慮すべきもの:自然環境(担当:中谷内) |
自然環境への影響を配慮すべき理由について理解し、自身で考察したうえで意見を述べる。
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4thQ |
9週 |
技術を社会に普及させること(1)(担当:中谷内) |
開発された技術を社会一般に普及させることの是非について、その考え方を理解して実践し、自身の意見を述べる。
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10週 |
2030SDGsの体験と振り返り(3)(担当:川畑) |
SDGsが設定された背景や達成目標を知り、ゲームを通して自らの行動が社会に与える影響について理解し、技術者として目指すべき社会について考える。
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11週 |
技術を社会に普及させること(2)(担当:中谷内) |
開発された技術を社会一般に普及させることの是非について、その考え方を理解して実践し、自身の意見を述べる。
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12週 |
学会などに示されている倫理規定・倫理要領について |
機械系技術者に求められる倫理・行動規範について説明できる
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13週 |
事例学習「自動車メーカーのクレーム隠し」「素材メーカーのデータ改ざん」「チャレンジャー事故」 |
事例を通して、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる
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14週 |
知的財産権概観に関する講義 |
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる
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15週 |
産業界および自然界での課題をグループワークで調査し,機械工学の観点から目標達成に向けた解決策を提案する |
持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理 | 技術者倫理 | 説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。 | 3 | |
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。 | 3 | |
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。 | 3 | 後1,後7,後8,後9,後11 |
社会における技術者の役割と責任を説明できる。 | 3 | |
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。 | 3 | |
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。 | 3 | |
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 3 | |
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | |
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | |
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。 | 3 | |
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。 | 3 | |
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。 | 3 | |
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。 | 3 | |
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。 | 3 | |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 3 | |
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。 | 3 | |
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。 | 3 | |
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。 | 3 | |
分野横断的能力 | 基盤的資質・能力 | 自己理解 | 自己理解 | 法令やルールを遵守した行動をとれる。 | 3 | |
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。 | 3 | |
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。 | 3 | |