線形代数

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 線形代数
科目番号 0102 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「線形代数」(森北出版)
担当教員 朝倉 相一,中谷 実伸

到達目標

(1) ベクトルについての理解:ベクトルの加法・スカラー倍・内積の計算ができる.
具体的な図形の方程式を求めることができる.
(2) 行列の演算についての理解:行列の型を区別し, 加法・減法・乗法の計算ができる.
逆行列の意味を理解し, 求めることができる.
(3) 連立1次方程式の解法:解を求めることができる. 解の仕組みを理解できる.
(4) 線形変換についての理解:具体的な線形変換について, 行列の性質を用いて問題を解くことができる.
(5) 行列式の理解と応用:行列式の定義と性質からその計算ができる.
(6)固有値の理解:固有値と固有ベクトルを求めることができ, その応用(対角化など)ができる。
モデルコアカリキュラムに含まれる到達目標を含む。 対応は数学科HPを参照。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1具体的な図形のベクトル方程式を求めることができる。ベクトルの基本的な演算ができる。ベクトルの基本的な計算ができない。
評価項目2連立1次方程式の解のしくみを説明できる。正方行列の対角化ができる。行列を用いて、連立1次方程式を解くことができる。4次以上の行列式の値を求めることができる。正方行列の、固有値・固有ベクトルを求めることができる。行列および行列式の基本的な計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RB1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
線形代数の基本的な考え方を, ベクトルの図形への応用・行列・行列式・線形変換の学習を通して理解する. ベクトルの成分表示の扱いに慣れ, 直線と平面のベクトル表現, 行列の演算, 行列式の計算, 連立1次方程式の解法, 線形変換と固有値とその応用などを中心に学習する.
授業の進め方・方法:
家庭での予習を前提とする. 授業は線形代数の基本的な考え方と手法が身につくよう, グループ学習を中心に適宜問題演習と小テストを行う. また, グラフ電卓を用いた確認と検証, 探究活動も随時行う.
注意点:
定期試験8割、課題2割で評価する。
100点満点で60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
ガイダンス
2週 ベクトルと図形(1)
直線のベクトル方程式
3週 ベクトルと図形(2)
ベクトルと内積,成分による内積の計算
4週 ベクトルと図形(3)
ベクトルのなす角,内積の性質,垂直条件
5週 ベクトルと図形(4)
座標平面における直線の方程式,座標空間における平面の方程式
6週 ベクトルと図形(5)
円または球面の方程式
7週 行列(1) 行列,行列の和・差・実数倍
8週 中間まとめ
2ndQ
9週 行列(2) 行列の積,対角行列と単位行列,演算の性質
10週 行列(3) 転置行列,2次の逆行列,逆行列の性質
11週 行列(4) 連立1次方程式と行列,連立2元1次方程式のクラメルの公式
12週 行列式(1) 3次正方行列の行列式,連立3元1次方程式のクラメルの公式
13週 行列式(2) n次正方行列の行列式の定義,行列式の基本変形
14週 行列式(3) 行列式の基本変形,行列式の積の行列式
15週 行列式の展開 余因子,余因子展開,余因子行列と逆行列
16週 学習のまとめ
後期
3rdQ
1週 行列式の応用
平行四辺形の面積,外積,平行六面体の体積
2週 基本変形とその応用(1)
連立1次方程式の行列表現,基本変形による連立1次方程式の解法
3週 基本変形とその応用(2)
基本変形による逆行列の計算,階数
4週 基本変形とその応用(3)
連立1次方程式の解
5週 基本変形とその応用(4)
斉次連立1次方程式の解,線形独立と線形従属,正則性と同値条件
6週 線形変換(1)
線形変換と表現行列,線形変換の性質,直線の像
7週 線形変換(2) 基本ベクトルの像,原点まわりの回転,合成変換,
8週 中間まとめ
4thQ
9週 線形変換(3)
直交行列,直交変換, 逆変換
10週 固有値と対角化(1)
固有値と固有ベクトル
11週 固有値と対角化(2)
2次正方行列の固有値と固有ベクトル
12週 固有値と対角化(3)
3次正方行列の固有値と固有ベクトル
13週 固有値と対角化(4)
行列の対角化
14週 固有値と対角化(5)
行列の対角化の応用
15週 固有値と対角化(6)
対称行列の対角化
16週 学習のまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3前2
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3前2
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3前3,前4
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3前2,前4
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3前2,前5,前6
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3前7,前9
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3前10
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3前11,前12,前13
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3後6,後7
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3後7
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3後7

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000