概要:
エネルギー保存則である熱力学第一法則を学び、閉じた系と開いた系における絶対仕事と工業仕事について理解する。また、熱力学第二法則を学び、熱と仕事の関係、およびエントロピー、有効エネルギーについて理解する。さらに、理想気体および実在気体の状態式と状態変化について学習し、熱力学の一般関係式を習得する。
授業の進め方・方法:
本科目は、融合複合・新領域の基礎工学科目群の力学系科目群のひとつです。また、この科目は学修単位科目「B」です。授業外学修の時間を含めます。授業外学修として毎回予習復習を行うことが必要です。さらに、授業外学修のための課題を課します。熱力学の第一法則や第二法則,および、熱と仕事の関係やエントロピー、有効エネルギーの概念などに関する講義と演習を行ないます。授業は教科書に沿って行ない、授業内容の要点に関する課題を課し、理解を深めるとともに、理解度のチェックを行いながら進めます。
注意点:
学習・教育目標:本科(準学士課程):RB1(○), RB2(◎) 、環境生産システム工学プログラム:JB1(○)、JB3(◎)
関連科目:工学基礎物理I(本科3年)、伝熱工学(本科5年)、熱機関(本科5年)、エネルギー変換工学(専攻科1年)
評価方法:中間確認を45%、期末試験を45%、授業外学習による課題の評価を10%として学年成績とする。ただし、合格点に満たない場合は、追加課題あるいは再試験を実施し、その評価によって最大10点を加点する場合がある。
評価基準:学年成績60点以上を合格とする。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業概要、シラバスの説明、熱力学を学ぶ意義、閉じた系と開いた系に関する講義及び演習 |
熱力学を学ぶ意義を理解し、閉じた系と開いた系の違いを説明できる
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2週 |
熱と熱平衡、単位と記号に関する講義及び演習 |
熱と熱平衡を理解し、単位と記号を正しく使うことができる
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3週 |
状態量と状態量でないもの、熱と仕事に関する講義及び演習 |
状態量と状態量でないもの、熱と仕事を説明できる
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4週 |
絶対仕事、閉じた系の熱力学第一法則、工業仕事、開いた系の熱力学第一法則に関する講義及び演習 |
絶対仕事、閉じた系の熱力学第一法則、工業仕事、開いた系の熱力学第一法則などの演習問題を解くことができる
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5週 |
理想気体の状態式、比熱、内部エネルギーおよびエンタルピーに関する講義及び演習 |
理想気体の状態式、比熱、内部エネルギーおよびエンタルピーに関する演習問題を解くことができる
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6週 |
理想気体の状態変化に関する講義及び演習 |
理想気体の状態変化を説明できる
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7週 |
理想気体の可逆変化(等温変化、等圧変化、等容変化)に関する講義及び演習 |
理想気体の可逆変化(等温変化、等圧変化、等容変化)に関する演習問題を解くことができる
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8週 |
中間確認 |
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2ndQ |
9週 |
試験の返却と解説、理想気体の可逆変化(可逆断熱変化、ポリトロープ変化)に関する講義及び演習 |
試験の返却と解説、理想気体の可逆変化(可逆断熱変化、ポリトロープ変化)に関する演習問題を解くことができる
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10週 |
理想気体の不可逆変化、混合気体に関する講義及び演習 |
理想気体の不可逆変化、混合気体に関する演習問題を解くことができる
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11週 |
湿り空気(絶対湿度と相対湿度、湿り空気の比容積とエンタルピー)に関する講義及び演習 |
湿り空気(絶対湿度と相対湿度、湿り空気の比容積とエンタルピー)に関する演習問題を解くことができる
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12週 |
湿り空気(湿り空気線図)に関する講義及び演習 |
湿り空気線図から数値を読み取ることができる
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13週 |
可逆変化と不可逆変化、熱力学第二法則の表現、カルノーサイクルに関する講義及び演習 |
可逆変化と不可逆変化、熱力学第二法則の表現を理解し、カルノーサイクルのしくみを説明できる
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14週 |
カルノーサイクルに関する講義及び演習 |
カルノーサイクルに関する演習問題を解くことができる
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15週 |
学習のまとめ |
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
可逆変化のエントロピー、温度-エントロピー線図に関する講義及び演習 |
可逆変化のエントロピーを理解し、温度-エントロピー線図について説明することができる
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2週 |
固体、液体および理想気体のエントロピーに関する講義及び演習 |
固体、液体および理想気体のエントロピーについて理解することができる
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3週 |
固体、液体および理想気体のエントロピーに関する講義及び演習 |
固体、液体および理想気体のエントロピーに関する演習問題を解くことができる
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4週 |
不可逆変化のエントロピーに関する講義及び演習 |
不可逆変化のエントロピーを理解することができる
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5週 |
熱機関の最大仕事、有効エネルギーと無効エネルギーに関する講義及び演習 |
熱機関の最大仕事、有効エネルギーと無効エネルギーを理解することができる
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6週 |
有効エネルギーと無効エネルギーに関する講義及び演習 |
有効エネルギーと無効エネルギーに関する演習問題を解くことができる
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7週 |
中間確認 |
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8週 |
試験の返却と解説、自由エネルギー、不可逆過程と有効エネルギー損失、エクセルギー効率に関する講義及び演習 |
試験の返却と解説、自由エネルギー、不可逆過程と有効エネルギー損失、エクセルギー効率に関する演習問題を解くことができる
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4thQ |
9週 |
蒸気の一般的性質に関する講義及び演習 |
蒸気の一般的性質を説明することができる
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10週 |
蒸気の状態変化、蒸気線図に関する講義及び演習 |
蒸気の状態変化、蒸気線図を説明することができる
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11週 |
蒸気の熱力学的状態量、実在気体の状態式に関する講義及び演習 |
蒸気の熱力学的状態量、実在気体の状態式を説明することができる
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12週 |
数学的基礎事項、マクスウェルの関係式に関する講義及び演習 |
数学的基礎事項、マクスウェルの関係式を説明することができる
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13週 |
比熱に関する一般関係式に関する講義及び演習 |
比熱に関する一般関係式に関する演習問題を解くことができる
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14週 |
ジュール-トムソン効果、相平衡とクラペイロン-クラウジウスの式に関する講義及び演習 |
ジュール-トムソン効果、相平衡とクラペイロン-クラウジウスの式に関する演習問題を解くことができる
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15週 |
学習のまとめ |
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 熱流体 | 熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。 | 4 | |
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。 | 4 | |
熱力学の第一法則を説明できる。 | 4 | |
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。 | 4 | |
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。 | 4 | |
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。 | 4 | |
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。 | 4 | |
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。 | 4 | |
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。 | 4 | |
熱力学の第二法則を説明できる。 | 4 | |
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。 | 4 | |
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。 | 4 | |
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。 | 4 | |
サイクルをT-s線図で表現できる。 | 4 | |