日本語Ⅰ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 日本語Ⅰ
科目番号 0130 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 芥川龍之介「羅生門」、教員作成のプリント、生教材
担当教員 門屋 飛央,市村 葉子

到達目標

(1) 作品中の語彙や漢字を学び、そこから派生させながら、語彙力を伸ばすことができるようになる。
(2) 作品の解釈に対する議論を通して、日本語によるプレゼンテーションができるようになる。
(3) 日本文学や日本語の学習を通して、日本語についての理解を深められるようになる。
(4)論理的な文章を読み、使用されている語彙や漢字を習得する。
(5)聞き手を意識して、正確に自分の考えや意見を表現できる。
(6)自分の話し方を客観視して適切な評価を行い改善できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
漢字・語彙力の育成文章で使用されている漢字や語彙を習得し、自身の表現活動に適切に使用できる。文章で使用されている漢字や語彙をある程度習得し、自身の表現活動に適切に使用できる。文章で使用されている漢字や語彙が理解できず、自身の表現活動に使用できない。
聞き手を意識した表現活動聞き手を意識して、正確に自身の考えや意見を適切に表現できる。ある程度聞き手を意識して、自身の考えや意見を表現できる。聞き手を意識して自身の考えや意見を表現できない。
自己評価自身の話し方を客観視して、適当な評価を行い改善できる。自身の話し方を客観視して、適当な評価を行いある程度改善できる。自身の話し方について適切に評価できず、改善できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 芥川龍之介の「羅生門」を扱い、それを読み進めながら、日本語の学習を行う。学生は、本文中の語彙や漢字の理解に加えて、そこから派生して語彙を学ぶ。また、作品の時代背景や、作者について調べることで、日本の歴史や文学も学ぶ。
 「羅生門」の輪読と合わせて、日本語共通語の発音、アクセント等の学習、日本語の作文の学習、受講者の日本語能力に合わせた日本語能力試験(N1もしくはN2)の合格に向けての学習を行う。
 新聞を読み、適切に要約し、それに対する自身の意見を表現できるようにする。また、文章を読み進める中で使用されている語彙や漢字の習得を目指す。
 ディスカッションの場で求められるふさわしいコミュニケーションのあり方を学ぶ。それと同時に、自分の話し方を客観視して、適当な評価を行い改善できるようにする。
授業の進め方・方法:
 授業の前半は、日本語の基礎的な学習を行う。アクセント、作文、日本語能力試験に向けての学習などを行う。
 授業の後半は、輪読を行う。「羅生門」を、学生が順に一文ずつ読みあげる。その文に対して、教員や学生から質疑を行い、それに答えることで輪読を進める。質疑において新たに課題ができた場合は、さらに翌週までに調べてくるようにする。
 授業の前半は日本語能力試験対策と新聞記事の読解を行う。
 授業の後半はディスカッションと語彙力・漢字力を強化する活動を行う。
 課題が出された場合は必ず期限を守って提出すること。
注意点:
 授業には日本語の辞書をもって出席すること。
 また、夏期休業中に課題を出すので、その提出期日を厳守すること。評価方法とその割合は中間試験(25%)、期末試験(25%)、発表(30%)、提出物(20%)である。100点満点で60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業の主旨をつかむ。
2週 作文(1)/輪読(1) 自己紹介の日本語作文を書く。
3週 作文(2)/輪読(2) 作文の添削を受け、作文を推敲する。
4週 作文(3)/輪読(3) 作文を清書する。
5週 漢字(1)/輪読(4) 漢字辞典の引き方を理解する。
6週 漢字(2)/輪読(5) 漢字辞典を使って、文章中の漢字を理解する。
7週 語彙(1)/輪読(6) 類義語や対義語について理解する。
8週 中間試験 これまでの学習をまとめ、表現する。
2ndQ
9週 中間試験解説 試験結果をもとに、これまでの復習と今後の課題発見を行う。
10週 文法(1)/輪読(7) 述語で用いられる文型を理解する。
11週 文法(2)/輪読(8) 順接と逆接の文章で用いられる表現を理解する。
12週 読解(1)/輪読(9) 200字程度の文章を読んで、内容を理解する。
13週 読解(2)/輪読(10) 500字程度の文章を読んで、内容を理解する。
14週 読解(3)/輪読(11) 1000字程度の文章を読んで、内容を理解する。
15週 期末試験解説 試験結果をもとに、これまでの復習と今後の課題発見を行う。
16週 前期まとめ 前期期間に学んだことをまとめ、後期へつなげる。
後期
3rdQ
1週 オリエンテーション 授業の進め方、自習の仕方、諸注意などを理解する。
2週 N1対策/新聞読解(1) 新聞記事を読み、適切に要約し、それに対する自身の意見が書ける。
3週 N1対策/ディスカッション・レポート作成 (1)で読んだ新聞記事についてディスカッションし、自分の意見を深化させ、レポートにまとめられる。
4週 N1対策/新聞読解(2) 新聞記事を読み、適切に要約し、それに対する自身の意見が書ける。
5週 N1対策/ディスカッション・レポート作成 (2)で読んだ新聞記事についてディスカッションし、自分の意見を深化させ、レポートにまとめられる。
6週 N1対策/新聞読解(3) 新聞記事を読み、適切に要約し、それに対する自身の意見が書ける。
7週 N1対策/ディスカッション・レポート作成 (3)で読んだ新聞記事について聞き手に適切に説明できる。記事を基にディスカッションし、自分の意見を深化させ、レポートにまとめられる。
8週 中間試験 これまでの学習をまとめ、表現する。
4thQ
9週 中間試験解説/グループディスカッション(1) 試験結果をもとに、これまでの復習と今後の課題発見を行う。/与えられたテーマについてグループで意見交換し、意見をまとめられる。
10週 漢字・語彙(1)/グループディスカッション(2) (1)での反省を踏まえ、さらにいいディスカッションができる。
11週 漢字・語彙(2)/グループディスカッション(3) 与えられたテーマについてグループで意見交換し、意見をまとめられる。
12週 漢字・語彙(3)/グループディスカッション(4) (3)での反省を踏まえ、さらにいいディスカッションができる。
13週 漢字・語彙(4)/問題解決型ディスカッション(5) 与えられたテーマについてグループで意見交換し、意見をまとめられる。
14週 漢字・語彙(5)/問題解決型ディスカッション(6) (5)での反省を踏まえ、さらにいいディスカッションができる。
15週 期末試験解説 試験結果をもとに、これまでの復習と今後の課題発見を行う。
16週 一年間のまとめ 一年間の学習をまとめ、これまでの学習を来年度以降に活かすための総括を行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,前13,前14,後2,後3,後4,後5,後6,後7
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3前12,前13,前14,後2,後4,後5,後6,後7,後8
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3前2,前3,前4,前8,前12,前13,前14,後3
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3前2,前3,前4,前5,前6,後2,後4,後5,後6,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。3前2,前3,前4,前6,前7,前11,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後10,後11,後12,後13,後14
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。3前1,前2,前3,前4,前7,前9,前10,前11,前14,前15,後10,後11,後12,後13,後14,後15
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後16
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。3前2,前3,前4,後1
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,前13,前14,後9,後10,後11,後12,後13,後14
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。3前4,前5,前6,前11,前14,後9,後10,後11,後12,後13,後14
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。3前3,前12,前13,後11,後12,後13,後14
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3前6,後1,後3,後5,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3後3,後5,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3前10,前11,後1,後3,後5,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後16

評価割合

定期試験課題教師評価自己評価合計
総合評価割合40302010100
基礎的能力40302010100
専門的能力00000
分野横断的能力00000