概要:
この科目は、機械工学分野の材料学、機械力学、流体力学、制御工学、加工学、熱力学、材料力学、および電気工学の基礎に関する諸テーマについて実験形式で授業を行うものである。実験の計画および方法、現象の的確な把握、実験データの処理、現象の解析方法、実験報告書の書き方を修得する。
全10テーマのうち、「電顕」は走査電顕を用いた材料の表面分析技術について、企業で新材料を応用した製品開発を担当していた者が教授し、「制御シミュレーション」は企業で機械設計業務に携わっていた教員がその経験を活かし、設計プロセスにおけるCADや数値計算の役割や活用方法を、シミュレーションの実施と結果についてのディスカッションを通じて教授するものである。
授業の進め方・方法:
7~9人程度の5班に分かれ、各テーマ3週毎のローテーションにより、前期、後期それぞれに5テーマずつの実験を行い、報告書を提出する。なお、ガイダンスにおいて実験全体の安全教育を行うが、各テーマの実験の最初にも必要に応じて実験上の安全に関する基礎的な知識や技術を解説する。
注意点:
学習・教育目標:本科(準学士課程):RE1(◎) 環境生産システム工学プログラム:JB3(◎)、JE1(◎)
関連科目:機械工学実験I(本科4年)、生産システム工学実験I,Ⅱ(専攻科1年)
学習・教育目標(RE1)の達成および科目取得の評価方法:
実験テーマ毎に、次に示す配点で評価する。
実験テーマを理解して実験を実施することに関して30%、レポートの評価を70%とする。
レポートの評価は100点満点として行うが、レポート(報告書)の提出が期限日を越え2週間以内の提出は70点満点、2週を超え4週間以内の提出は42点満点とし、4週を超えた場合はレポート(報告書)を受け取らない。レポート評価の内訳は、報告書の基本的書き方を20%、実験データの収集解析を40%、考察検討を40%とする。なお、口頭説明を行った場合の評価は、③考察検討に含めることとする。
総合評価は、各実験テーマの評価の平均とする。なお、60点未満の実験テーマ数が0の場合に3点を、同実験テーマ数が1の場合2点を、同実験テーマ数が2の場合は1点を加点することもある。
実験レポートは次の実験日までに提出することを原則とし、実施済実験テーマのうち、レポート未提出が3つ以上ある場合には、次の実験は受けられない。
評価基準:学習・教育目標(E1)の達成および科目取得の評価基準:全テーマの平均点数が60点以上。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 4 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 4 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 4 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 4 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 4 | |
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。 | 3 | |
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。 | 3 | |
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。 | 3 | |
社会における技術者の役割と責任を説明できる。 | 3 | |
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。 | 3 | |
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 3 | |
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | |
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。 | 3 | |
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。 | 3 | |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 3 | |
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 機械系分野【実験・実習能力】 | 機械系【実験実習】 | 実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。 | 4 | |
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。 | 4 | |
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。 | 4 | |
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。 | 4 | |
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。 | 4 | |