熱力学

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 熱力学
科目番号 0143 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 平田哲夫、田中誠、熊野寛之著、「例題でわかる工業熱力学第2版」、森北出版
担当教員 芳賀 正和

到達目標

(1) 閉じた系と開いた系の仕事について説明できる
(2) 熱力学の第一法則を説明できる
(3) 理想気体の状態式および理想気体の可逆変化について説明できる
(4) 熱力学の第二法則を説明できる
(5) 蒸気の状態変化について説明できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
熱力学第一法則熱力学第一法則に関する基礎知識を充分に習得し、様々な問題を解決するために応用できる。熱力学第一法則に関する基礎知識を習得・理解し、演習問題を解くことができる。熱力学第一法則に関する基礎知識が習得できていない。
理想気体理想気体に関する基礎知識を充分に習得し、様々な問題を解決するために応用できる。理想気体に関する基礎知識を習得・理解し、演習問題を解くことができる。理想気体に関する基礎知識が習得できていない。
熱力学第二法則熱力学第二法則に関する基礎知識を充分に習得し、様々な問題を解決するために応用できる。熱力学第二法則に関する基礎知識を習得・理解し、演習問題を解くことができる。熱力学第二法則に関する基礎知識が習得できていない。
有効エネルギー有効エネルギーに関する基礎知識を充分に習得し、様々な問題を解決するために応用できる。有効エネルギーに関する基礎知識を習得・理解し、演習問題を解くことができる。有効エネルギーに関する基礎知識が習得できていない。
実在気体実在気体に関する基礎知識を充分に習得し、様々な問題を解決するために応用できる。実在気体に関する基礎知識を習得・理解し、演習問題を解くことができる。実在気体に関する基礎知識が習得できていない。
熱力学の一般関係式熱力学の一般関係式に関する基礎知識を充分に習得し、様々な問題を解決するために応用できる。熱力学の一般関係式に関する基礎知識を習得・理解し、演習問題を解くことができる。熱力学の一般関係式に関する基礎知識が習得できていない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RB1 説明 閉じる
学習・教育到達度目標 RB2 説明 閉じる
JABEE JB1 説明 閉じる
JABEE JB3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
エネルギー保存則である熱力学第一法則を学び、閉じた系と開いた系における絶対仕事と工業仕事について理解する。また、熱力学第二法則を学び、熱と仕事の関係、およびエントロピー、有効エネルギーについて理解する。さらに、理想気体および実在気体の状態式と状態変化について学習し、熱力学の一般関係式を習得する。
授業の進め方・方法:
本科目は、融合複合・新領域の基礎工学科目群の力学系科目群のひとつです。また、この科目は学修単位科目「B」です。授業外学修の時間を含めます。授業外学修として毎回予習復習を行うことが必要です。さらに、授業外学修のための課題を課します。熱力学の第一法則や第二法則,および、熱と仕事の関係やエントロピー、有効エネルギーの概念などに関する講義と演習を行ないます。授業は教科書に沿って行ない、授業内容の要点に関する課題を課し、理解を深めるとともに、理解度のチェックを行いながら進めます。
注意点:
学習・教育目標:本科(準学士課程):RB1(○), RB2(◎) 、環境生産システム工学プログラム:JB1(○)、JB3(◎)
関連科目:工学基礎物理I(本科3年)、伝熱工学(本科5年)、熱機関(本科5年)、エネルギー変換工学(専攻科1年)
評価方法:中間確認を45%、期末試験を45%、授業外学習による課題の評価を10%として学年成績とする。ただし、合格点に満たない場合は、追加課題あるいは再試験を実施し、その評価によって最大10点を加点する場合がある。
評価基準:学年成績60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業概要、シラバスの説明、熱力学を学ぶ意義、閉じた系と開いた系に関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.5 までの予習、および閉じた系と開いた系に関する演習問題
熱力学を学ぶ意義を理解し、閉じた系と開いた系の違いを説明できる
2週 熱と熱平衡に関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.8 までの予習、および熱と熱平衡に関する演習問題
熱と熱平衡を理解することができる
3週 単位と記号、状態量と状態量でないもの、熱と仕事に関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.16 までの予習、および単位と記号、状態量、熱と仕事に関する演習問題
単位と記号を正しく使うことができ、状態量と状態量でないもの、熱と仕事を説明できる
4週 絶対仕事に関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.18 までの予習、および絶対仕事に関する演習問題
絶対仕事の演習問題を解くことができる
5週 閉じた系の熱力学第一法則、工業仕事に関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.22 までの予習、および閉じた系の熱力学第一法則、工業仕事に関する演習問題
閉じた系の熱力学第一法則、工業仕事に関する演習問題を解くことができる
6週 開いた系の熱力学第一法則、理想気体の状態式に関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.27 までの予習、および開いた系の熱力学第一法則、理想気体の状態式に関する演習問題
開いた系の熱力学第一法則、理想気体の状態式に関する演習問題を解くことができる
7週 比熱、内部エネルギーおよびエンタルピーに関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.30 までの予習、および比熱、内部エネルギーおよびエンタルピーに関する演習問題
比熱、内部エネルギーおよびエンタルピーに関する演習問題を解くことができる
8週 中間確認
2ndQ
9週 中間確認の返却と解説、理想気体の状態変化、等温変化、等圧変化、等容変化に関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.38 までの予習、および理想気体の等温変化、等圧変化、等容変化に関する演習問題
中間確認の返却と解説、理想気体の状態変化、理想気体の可逆変化(等温変化、等圧変化、等容変化)に関する演習問題を解くことができる
10週 理想気体の可逆変化(可逆断熱変化)に関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.41 までの予習、および理想気体の可逆断熱変化に関する演習問題
理想気体の可逆変化(可逆断熱変化)に関する演習問題を解くことができる
11週 理想気体の可逆変化(ポリトロープ変化)、理想気体の不可逆変化に関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.45 までの予習、および理想気体のポリトロープ変化、不可逆変化に関する演習問題
理想気体の可逆変化(ポリトロープ変化)、理想気体の不可逆変化に関する演習問題を解くことができる
12週 混合気体、湿り空気(絶対湿度と相対湿度)に関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.49 までの予習、および混合気体、湿り空気(絶対湿度と相対湿度)に関する演習問題
混合気体、湿り空気(絶対湿度と相対湿度)に関する演習問題を解くことができる
13週 湿り空気(湿り空気の比容積とエンタルピー、湿り空気線図)に関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.55 までの予習、および湿り空気の比容積とエンタルピー、湿り空気線図に関する演習問題
湿り空気(湿り空気の比容積とエンタルピー)に関する演習問題を解くことができ、湿り空気線図から数値を読み取ることができる
14週 可逆変化と不可逆変化、熱力学第二法則の表現、カルノーサイクル(一般サイクルの熱効率)に関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.61 までの予習、および可逆変化と不可逆変化、熱力学第二法則の表現、一般サイクルの熱効率に関する演習問題
可逆変化と不可逆変化、熱力学第二法則の表現を理解し、一般サイクルの熱効率に関する演習問題を解くことができる
15週 カルノーサイクル(カルノーサイクルの熱効率)に関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.65 までの予習、およびカルノーサイクルの熱効率に関する演習問題
カルノーサイクルのしくみ、およびカルノーサイクルの熱効率を説明することができる
16週 期末試験の返却
後期
3rdQ
1週 カルノーサイクル(カルノーサイクルの熱効率)に関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.67 までの予習、およびカルノーサイクルの熱効率に関する演習問題
カルノーサイクルの熱効率に関する演習問題を解くことができる
2週 可逆変化のエントロピーに関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.70 までの予習、および可逆変化のエントロピーに関する演習問題
可逆変化のエントロピーを理解し、説明することができる
3週 温度-エントロピー線図、固体、液体および理想気体のエントロピーに関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.75 までの予習、および温度-エントロピー線図、固体、液体および理想気体のエントロピーに関する演習問題
温度-エントロピー線図について説明することができ、固体、液体および理想気体のエントロピーに関する演習問題を解くことができる
4週 不可逆変化のエントロピーに関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.80 までの予習、および不可逆変化のエントロピーに関する演習問題
不可逆変化のエントロピーを理解することができる
5週 熱機関の最大仕事、有効エネルギーと無効エネルギーに関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.84 までの予習、および最大仕事、有効エネルギーと無効エネルギーに関する演習問題
熱機関の最大仕事、有効エネルギーと無効エネルギーを理解することができる
6週 有効エネルギーと無効エネルギーに関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.89 までの予習、および有効エネルギーと無効エネルギーに関する演習問題
有効エネルギーと無効エネルギーに関する演習問題を解くことができる
7週 自由エネルギー、不可逆過程と有効エネルギー損失、エクセルギー効率に関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.93 までの予習、および自由エネルギー、有効エネルギー損失、エクセルギー効率に関する演習問題
自由エネルギー、不可逆過程と有効エネルギー損失、エクセルギー効率に関する演習問題を解くことができる
8週 中間確認
4thQ
9週 中間確認の返却と解説、蒸気の一般的性質に関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.98 までの予習、および蒸気の一般的性質に関する演習問題
中間確認の返却と解説、蒸気の一般的性質を説明することができる
10週 蒸気の状態変化に関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.101 までの予習、および蒸気の状態変化に関する演習問題
蒸気の状態変化を説明することができる
11週 蒸気線図、蒸気の熱力学的状態量に関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.106 までの予習、および蒸気線図、蒸気の熱力学的状態量に関する演習問題
蒸気線図、蒸気の熱力学的状態量を説明することができる
12週 実在気体の状態式、数学的基礎事項に関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.111 までの予習、および実在気体の状態式、数学的基礎事項に関する演習問題
実在気体の状態式、数学的基礎事項を説明することができる
13週 マクスウェルの関係式に関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.113 までの予習、およびマクスウェルの関係式に関する演習問題
マクスウェルの関係式を説明することができる
14週 比熱に関する一般関係式、ジュール-トムソン効果に関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.118 までの予習、および比熱に関する一般関係式、ジュール-トムソン効果に関する演習問題
比熱に関する一般関係式、ジュール-トムソン効果に関する演習問題を解くことができる
15週 相平衡とクラペイロン-クラウジウスの式に関する講義及び演習
【授業外学修】教科書 p.121 までの予習、およびクラペイロン-クラウジウスの式に関する演習問題
相平衡とクラペイロン-クラウジウスの式に関する演習問題を解くことができる
16週 期末試験の返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。4
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。4
熱力学の第一法則を説明できる。4
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。4
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。4
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。4
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。4
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。4
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。4
熱力学の第二法則を説明できる。4
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。4
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。4
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。4
サイクルをT-s線図で表現できる。4

評価割合

前期課題前期小テスト前期期末試験後期課題後期中間確認後期期末試験合計
総合評価割合25520102020100
基礎的能力0000000
専門的能力25520102020100
分野横断的能力0000000