到達目標
(1)日本語を客観的に分析することで、普段使用している言葉を見つめ直し、日本語を主体的に使用することができるようになる。
(2)古典語の文法現象を学ぶことで、古典語が共通語と違う体系を持っていることを実感し、日本語を重層的に理解できるようになる。
(3)日本語の文法現象について、古典語に馴染みがない相手にもわかりやすく説明することができるようになる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
| 日本語を客観的に分析し、自分の言葉と他の言葉の違いを比較し、日本語を高度に運用することができる。 | 日本語を客観的に分析でき、普段使用している言葉を見つめ直し、日本語を主体的に使用することができる。 | 日本語を客観的に分析することができず、日本語を主体的に使用することができない。 |
| 古典語の文法現象を興味を持って学び、古典語が共通語と違う体系を持っていることを自覚し、日本語を重層的に理解できる。 | 古典語の文法現象を学び、古典語が共通語と違う体系を持っていることを実感し、日本語の変化を理解できる。 | 古典語が共通語と違う体系を持っていることが理解できず、日本語を重層的に理解できない。 |
| 日本語の文法現象について、古典語に馴染みがない相手に、例を挙げながら、わかりやすく説明することができる。 | 日本語の文法現象について、古典語に馴染みがない相手に説明することができる。 | 日本語の文法現象について、相手にわかりやすく説明することができない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 RC2
説明
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JABEE JC3
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教育方法等
概要:
この授業のテーマは、日本語文法史である。国語の古文の授業で学んだ古典語は、およそ1000年前の日本語である。古典語から現代語に至るまでに、日本語の文法がどのように変化してきたのかを考える。この授業は、受講者が言語の仕組みを考察する力を養うことを目的としている。授業を通して、受講者は言語に対して客観的な分析を行い、自分自身の言語を振り返り、内省することができるようになる。言語はコミュニケーションの道具であるだけでなく、思考の道具である。これから社会で活躍するうえで、言語を考察することは、ひとつの重要な力となると考えられる。
授業の進め方・方法:
授業は、講義形式で行う。毎回、日本語文法史のキーワードを取り上げ、それに関して解説を行う。受講者には教科書を購入してもらい、その教科書をもとに教員は講義を行う。受講者は教科書を予習したうえで、授業に臨む。
この授業では、現代共通語のほかに古典語、方言なども取り上げる。古文の助動詞や活用など、古典語文法の基礎的な部分は、既習であることを前提に授業を進める。そのため、2年生までの古文の授業内容を復習しておく必要がある。
注意点:
評価方法とその割合は中間試験(40%)、期末試験(40%)、コミュニケーションペーパー(20%)である。100点満点で60点以上を合格とする。コミュニケーションペーパーとは、課題への回答や授業に対する感想などを求めるものである。このコミュニケーションペーパーを、毎回の授業時に提出してもらう。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス |
この授業の目的、流れを理解する。
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2週 |
動詞の活用 |
子音語幹と母音語幹による活用表を学ぶ。
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3週 |
二段活用の一段化 |
古典語から現代語に至る活用の変化を学ぶ。
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4週 |
形容詞の活用・形容動詞 |
これまでの学習をもとに、形容詞と形容動詞の活用表を作成する。
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5週 |
条件表現 |
古典語の条件表現の体系を学ぶ。
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6週 |
仮定表現・逆接表現 |
古典語の個々の条件表現形式について学ぶ。
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7週 |
原因理由表現 |
古典語から現代語に至る条件表現の変化を学ぶ。
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8週 |
中間試験 |
これまでの学習をまとめ、表現する。
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4thQ |
9週 |
中間試験まとめ |
試験結果をもとに、これまでの復習と今後の課題発見を行う。
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10週 |
受身・「(ら)る」の多義性 |
古典語のヴォイスについて学ぶ。
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11週 |
可能表現 |
古典語から現代語に至る可能表現の変化を学ぶ。
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12週 |
テンス・アスペクト |
古典語のテンスとアスペクトの体系を学ぶ。
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13週 |
モダリティ |
古典語、現代語や方言のモダリティ形式について学ぶ。
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14週 |
係り結び |
古典語にみられる係り結びについて学ぶ。
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15週 |
絶対敬語と相対敬語 |
古典語から現代語に至る敬語の変化を学ぶ。
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16週 |
一年間のまとめ |
一年間の学習をまとめ、これからの学習につなげる。
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評価割合
| 中間試験 | 期末試験 | コミュニケーションペーパー | 合計 |
総合評価割合 | 40 | 40 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 40 | 20 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |