公共社会Ⅰ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 公共社会Ⅰ
科目番号 0018 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『倫理』(東京書籍)
担当教員 佐藤 勇一

到達目標

(1)人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解すること。
(2)歴史、文化、宗教的背景を踏まえて、先人の思想を正しく理解できること。また、先人の思想を手掛かりにして、自己の生き方や他者と共に生きていくことの重要性について考えることができる。
(3)多様な思想を知り、現代社会の特質や倫理的課題について様々な角度から理解できること。
(4)民族、宗教(キリスト教、イスラーム、仏教)や生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会を尊重することの重要性について考察できる。
(5)民主主義社会における市民の育成に資する哲学対話に参加し、問いを自分の世界に引き付けて考察し、自分や他人の論証を理解することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1青年期の意義と自己形成の課題について十分に理解している青年期の意義と自己形成の課題について概ね理解している。青年期の意義と自己形成の課題についてほとんど理解できない。
評価項目2歴史、文化、宗教的背景を踏まえて、先人の思想を正しく理解し先人の思想を手掛かりにして、自己の生き方や他者と共に生きていくことの重要性について考えることができる。歴史、文化、宗教的背景を踏まえて、先人の思想を正しく理解し先人の思想を手掛かりにして、自己の生き方や他者と共に生きていくことの重要性について考えることが概ねできる。歴史、文化、宗教的背景を踏まえて、先人の思想を正しく理解し先人の思想を手掛かりにして、自己の生き方や他者と共に生きていくことの重要性について考えることがめったにできない。
評価項目3現代社会の特質や倫理的課題について様々な角度から理解できる。現代社会の特質どや倫理的課題について様々な角度から概ね理解できる。現代社会の特質や倫理的課題について様々な角度からめったに理解できない。
評価項目4民族、宗教(キリスト教、イスラーム、仏教)や生活文化の多様性を理解できる。民族、宗教(キリスト教、イスラーム、仏教)や生活文化の多様性を概ね理解できる。民族、宗教(キリスト教、イスラーム、仏教)や生活文化の多様性をめったに理解できない。
評価項目5民主主義社会における市民の育成に資する哲学対話に参加し、問いを自分の世界に引き付けて考察し、自分や他人の論証を理解することが十分にできる。 民主主義社会における市民の育成に資する哲学対話に参加し、問いを自分の世界に引き付けて考察し、自分や他人の論証を理解することが概ねできる。 民主主義社会における市民の育成に資する哲学対話に参加し、問いを自分の世界に引き付けて考察し、自分や他人の論証を理解することがめったにできない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RA1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
国際人として、専門人として必要となる基礎的な知識の獲得を目指し、様々な文化や社会の背景(エートス:倫理)となっている哲学や宗教、科学思想を中心に学習する。
次のことができるようになるよう、真剣に受講することを望む。
・思想家たちの用いた諸概念の連関について説明できる。
・思想家たちが、どのような時代背景や文化的背景のもとで、どのような倫理思想を構築したかを理解することにより、さまざまな地域の歴史や文化を多面的に認識できる。
・過去から現代までのさまざまな思想が、現代社会の特質や現代の倫理的課題、さらに、技術をとりまく問題を捉える際に多くの示唆を与えてくれることを理解できる。
授業の進め方・方法:
教科書に沿って、17世紀の思想まで進むことを目指すが、古代の思想について学びながら同時に現代の事柄を扱うようにするため、学生は倫理社会についての全体的な知識を得ることができる。板書やプリントを用いた講義を中心に、p4cを数回行う。学生の理解度をはかり、思索の深化を促すために、授業中に複数回の小テストや自習プリント、感想文課題、p4cワークシートを行う。ノートの提出も義務づける。
注意点:
2回の定期試験の平均(35%)に、授業中に行う複数回行う小テストや要約レポートおよびサイレントダイアローグ用紙(20%)、哲学対話への参加(p4cワークシート 10%)、提出物(感想文や自習プリント)や態度などの平常点(30%)、ノート(5%)により評価する。評価したうえで必要な場合は、追加のテストや課題を課す。100点満点で60点以上を合格とする。授業中または課題として出す提出物の提出が滞らないようにすること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 序 第1章 I人間 シラバスの説明とガイダンス、収容所における極限状況から人間について考察する。
2週 I人間 人間の尊厳、生命倫理、人権、技術と公衆について理解する
3週 I人間  人間の定義とその社会的背景について理解する。
4週 I人間 サルトル・フーコーにおける人間の定義批判に見られる現代社会の特質について理解する
5週 Ⅱ青年期 Ⅲ自己  青年期の特徴、自己実現、自己理解について理解する
6週 Ⅲ自己 Ⅳ欲求  成熟した人間像、欲求の階層理論、情報倫理について理解する 
7週 Ⅴ無意識 フロイト、ユングの思想について理解する
8週 Ⅵ性格 第2章 Ⅰ哲学の誕生 性格理論、および、自然哲学者、植民都市について理解する
2ndQ
9週 Ⅱソクラテス以前  自然哲学者について理解する
10週 Ⅱソクラテス以前 Ⅲソフィスト 自然環境と技術、環境倫理について理解する
11週 ⅢソフィストⅣソクラテス ソフィストの思想、ポリス、無知の知、問答法について理解する。サイレントダイアローグを通じて技術者について考察する。
12週 Ⅳソクラテス 哲学対話(p4c) 講義の内容や哲学的な問題に関し、対話を通じて探究する。
13週 Ⅴプラトン Ⅵアリストテレス プラトンにおけるイデア、徳、国家、魂などについて理解する。
14週 Ⅵアリストテレス アリストテレスにおける倫理、正義などについて理解する。技術者における幸福や安全について考察する。
15週 試験返却 Ⅶヘレニズム  ヘレニズムにおける倫理、正義 、世界市民主義について理解する
16週
後期
3rdQ
1週 第3章I中国の思想 諸子百家について理解する
2週 Ⅱ儒家 孔子、孟子の思想について理解する
3週  Ⅱ儒家 孟子、荀子の思想について理解する
4週 哲学対話(p4c) 講義の内容や哲学的な問題に関し、対話を通じて探究する。
5週 Ⅲ道家
老子、荘子の思想について理解する
6週 第4章Ⅰユダヤ教 ユダヤ教について理解する
7週 Ⅰユダヤ教 Ⅱキリスト教 イエスの思想 について理解する
8週 Ⅱキリスト教 イエスの思想、原始キリスト教について理解する
4thQ
9週 Ⅱキリスト教  教父哲学、スコラ哲学について理解する
10週 Ⅲイスラーム イスラームの教え、オリエンタリズムについて理解する
11週 Ⅳ仏教 自由思想家、ヒンドゥー教、ブッダの思想について理解する
12週 Ⅳ仏教 ブッダの思想、仏教の発展について理解する
13週 第5章 Iルネサンス 人文主義、万能人について理解する
14週 Ⅱ近代科学の誕生 科学革命、機械論的自然観について理解する
15週 試験返却 Ⅳ合理論と経験論 ベーコン、デカルトの思想について理解する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3前1,前2,前5,前7,前8,前9,前13,前15,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3前1,前2,前6,前10,前12,前14,後4,後14
グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国の文化や歴史に敬意を払い、その違いを受け入れる寛容さが必要であることを認識している。3前1,前2,前3,前4,前7,前8,前9,前12,前13,前14,前15,後4,後5,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後15
様々な国の生活習慣や宗教的信条、価値観などの基本的な事項について説明できる。3前5,前7,前15,後1,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後14
異文化の事象を自分たちの文化と関連付けて解釈できる。3前7,前8,前9,前11,前14,前15,後2,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。3前1,前2,前6,前10,前12,前14,後14,後15

評価割合

試験小テスト、要約レポート、サイレントダイアローグ用紙哲学対話(p4cワークシート)提出物(感想文、自習プリント)その他平常点ノート合計
総合評価割合352010305100
基礎的能力352010305100
専門的能力000000
分野横断的能力000000