科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 国語
科目番号 0023 科目区分 一般 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 三省堂『精選 現代文B』
担当教員 伊勢 光

到達目標

(1) 日本語と、それによって生み出される日本文化に関心をもち、またそれらを理解すること。
(2) 各種文章の表現意図・方法を的確に把握しつつ読解・鑑賞し、それを自分の表現にいかし、自らの物事の見方・とらえ方を、文章にまとめられること。
(3) 特に日本近現代文学について理解を深め、中島敦、村上春樹、夏目漱石といった優れた小説家の問題意識を知ること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
日本語と日本文化に強い関心を持ち、それらについて深く理解したことを自分なりの文章で表現できること。日本語と日本文化にある程度の関心を持ち、理解し、そのことを文章で表現できること。日本語、日本文化について関心を持てず、理解も出来ない。
文章の意味、方法、論理展開などを正しく理解、鑑賞し、それらに対して独自性のある文章で自分の意見を述べることが出来る。文章の意味を理解し、それについての自らの意見を文章にまとめられる。文章の意味が理解できず、自分の意見もまとめることができない。
日本近代文学について深く理解し、優れた文学者たちの問題意識を説明、論評することが出来る。日本近代文学について理解し、優れた文学者たちの問題意識を説明できる。日本近代文学について理解できず、優れた文学者たちの問題意識を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 文章を正しく読み取った上で、適宜質疑応答を交える。各単元の終わりには読み取ったことを踏まえ、自らの考えを述べるレポートを課す。定期テストと課題レポートの両面から理解を確認することで、「読み」と「書き」の両面の力を養成する。
授業の進め方・方法:
 日本語の説明(論理)的文章を読み解く能力と表現する能力とを,関わり合いながら習得させる.また、ものづくりの活動に直接必要なプレゼンテーションの基礎力や倫理意識を,日本語という観点から考えさせるとともに,日本語そのものにも関心をもたせ,その認識を深める.
注意点:
 レポートの配分が大きい。必ず期日までに決められた書式で提出すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス
1年間の流れを知る。
2週 随想を読む 「最初のペンギン」とは何か知る。
3週 随想を読む(2) 筆者の論旨を正しく読み取る。
4週 近代小説に親しむ 中島敦について学ぶ。
5週 近代小説に親しむ(2) 話のあらすじをつかむ。
6週 近代小説に親しむ(3) 李徴の苦悩を知る。
7週 近代小説に親しむ(4) 李徴に足りないものを理解する。
8週 中間試験を行う これまでの成果を表現する。
2ndQ
9週 試験の解説を行う 正しい答えを理解し、復習する。レポートを提出する。
10週 評論を読む(1) 「ミロのヴィーナス」における語句の意味を把握する。
11週 評論を読む(2) 「ないからこそ美しい」という理屈を理解する。
12週 評論を読む(3)
「手」の意味を知る。
13週 評論を読む(4) 筆者の論旨を正しくつかむ。
14週 現代小説に親しむ 村上春樹について知る。
15週 現代小説に親しむ(2) 「レキシントンの幽霊」のあらすじをつかむ。
16週 期末試験の解説を行う これまでの学習を復習し、レポートを提出する。
後期
3rdQ
1週 現代小説に親しむ(3) 登場人物の心情をつかむ。
2週 現代小説に親しむ(4) 「ある種の物事は別の形をとる」について自分なりに思いを深める。
3週 評論を読む 二 「であることとすること」の語句の意味をつかむ。
4週 評論を読む(2) 「時効」とは何か、知る。
5週 評論を読む(3) 「近代社会」とは何か、理解する。
6週 評論を読む(4) 「である」社会とは何か、筆者の論旨をつかむ。
7週 評論を読む(5) 学問や芸術と政治との違いを、筆者の論旨に従って把握する。
8週 中間試験を行う これまでの学習を正しく復習し、表現する。
4thQ
9週 中間試験解説を行う 間違いを知り、正しい筆者の論旨を復習する。
10週 近代小説に親しむ 二 夏目漱石について知る。
11週 近代小説に親しむ(2) 登場人物について把握する。
12週 近代小説に親しむ(3) あらすじを理解する。
13週 近代小説に親しむ(4) Kと「私」のすれ違い、心情の違いを味わう。
14週 近代小説に親しむ(5) 「私」の行動について、正しく理解する。
15週 近代小説に親しむ(6) Kの自殺の理由を説明する。
16週 まとめを行う 1年間の復習を行い、理解を深める。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章を読み、論理の構成や展開の把握にもとづいて論旨を客観的に理解し、要約し、意見を表すことができる。また、論理的な文章の代表的構成法を理解できる。4前1,前2,前3,前8,前11,前13,後6,後7,後16
代表的な文学作品を読み、人物・情景・心情の描写ならびに描写意図などを理解して味わうとともに、その効果について説明できる。4前4,前5,前6,前7,前9,前10,後1,後2,後12,後13,後15,後16
文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。4前11,前12,後4,後5,後6,後16
文学作品について、鑑賞の方法を理解できる。また、代表的な文学作品について、日本文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。4後1,後2,後10,後13,後15,後16
鑑賞にもとづく批評的な文章の執筆や文学的な文章(詩歌、小説など)の創作をとおして、感受性を培うことができる。4前9,後2,後10,後12,後15,後16
読書習慣の形成をとおして感受性を培い、新たな言葉やものの見方を習得して自らの表現の向上に生かすことができる。4後1,後10,後16
現代日本語の運用、語句の意味、常用漢字、熟語の構成、ことわざ、慣用句、同音同訓異義語、単位呼称、対義語と類義語等の基礎的知識についての理解を深め、その特徴を把握できる。また、それらの知識を適切に活用して表現できる。4前4,前10,後9,後16
情報の収集や発想・選択・構成の方法を理解し、論理構成や口頭によるものを含む表現方法を工夫して、科学技術等に関する自らの意見や考えを効果的に伝えることができる。また、信頼性を重視して情報を分析し、図表等を適切に活用・加工してコミュニケーションに生かすことができる。4前8,前16,後8,後16
他者の口頭によるものを含む表現について、客観的に評価するとともに建設的に助言し、多角的な理解力、柔軟な発想・思考力の涵養に努めるとともに、自己の表現の向上に資することができる。4前13,後16
相手の意見を理解して要約し、他者の視点を尊重しつつ、建設的かつ論理的に自らの考えを構築し、合意形成にむけて口頭によるコミュニケーションをとることができる。また、自らのコミュニケーションスキルを改善する方法を習得できる。4前13,後16
社会で使用される言葉を始め広く日本語を習得し、その意味や用法を理解できる。また、それらを適切に用い、社会的コミュニケーションとして実践できる。4前10,後16

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50500000100
基礎的能力50500000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000