電気回路Ⅱ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電気回路Ⅱ
科目番号 0025 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「基礎からの交流理論」原著小郷 寛,電気学会
担当教員 福嶋 宏之,山本 幸男

到達目標

(1)交流回路の電力、力率の考え方、表現方法が理解できる。省資源、省エネルギ-を図るための電力の輸送、配分方法として、三相交流の基礎が理解できること。
(2)基本回路における交流電力の計算方法が理解できること。
(3)相互インダクタンスの動作が理解でき、これを含む回路の計算ができること。
(4)簡単な回路網における電圧、電流の計算方法が理解できること。
(5)三相交流回路における電圧、電流、電力の計算方法が理解できること。
(6)独創的なアイデアをものづくりを通して実現・発表できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
交流回路の回路網計算に関連する問題解法能力交流回路の回路網計算を説明することができ、計算ができる。交流回路の回路網計算の大部分を説明することができるが、一部は説明ができない。交流回路の回路網計算を説明することができない。
相互インダクタンスに関連する問題解法能力相互インダクタンスについて説明することができ、その計算ができる。相互インダクタンスについて大部分を説明することができるが、一部は説明ができない。相互インダクタンスについて説明することができない。
三相交流回路に関連する問題解法能力三相交流回路について説明することができ、計算ができる。三相交流回路について大部分を説明することができるが、一部は説明ができない。三相交流回路について説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RB2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
交流回路の電力について理解し、交流電力の計算方法を習得する。回路網の各種解析方法の基礎を習得する。三相交流について理解し、三相交流回路の計算方法を習得する。相互インダクタンスについて理解し、これを含む回路の計算方法を習得する。また、電気創作コンテストとして「電気で動く、鳴る、光る」をテーマとした各自の独創的なアイデアで作品を製作・発表する。
授業の進め方・方法:
第2学年における電気回路Ⅰおよび第2学年、第3学年の数学の知識を基に、教科書と作成資料を用いて講義を進める。その間、課題演習を行い電気回路の理解を深めさせる。
注意点:
・学習・教育目標
 本科(準学士課程):RB2(◎)
・評価方法
 各試験、課題と小テスト、電気創作コンテストは各々100点満点として採点する。
 前期中間成績は前期中間試験(100%)で評価する。
 前期成績は(前期中間試験+前期期末試験)÷2×0.7+(課題成績+小テスト成績)×0.3で評価する。
 後期中間成績は後期中間試験(100%)で評価する。
 後期成績は(後期中間試験+後期期末試験)÷2×0.7+(課題成績+小テスト成績)×0.25+電気創作コンテスト×0.05で評価する。
 学年末成績は前期成績と後期成績の平均とする。
・評価基準
 学年成績60点以上

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明、電気回路基礎事項に関する講義 交流回路の基本的な表現方法を利用できる。
2週 電力、エネルギ-、素子の瞬時電力に関する講義 単純な回路での瞬時電力の計算ができる。
3週 節点方程式に関する講義と演習 接点方程式を用いて回路網の計算ができる。
4週 重ねの理に関する講義と演習 重ねの理を用いて回路の計算ができる。
5週 テブナンの定理に関する講義と演習 テブナンの定理を用いて回路網の計算ができる。
6週 皮相電力、無効電力、力率に関する講義と演習 皮相電力、無効電力、力率の計算ができる。
7週 交流電力の測定に関する講義 交流電力の測定方法を知っている。
8週 電力保存測および直列・並列共振回路に関する講義 電力保存則および直列・並列共振回路を知っている。
2ndQ
9週 中間学力確認 8週までの問題を解くことができる。
10週 中間学力確認の解説、静電界中の電荷に関する講義 静電界中の電荷に関する計算ができる。
11週 RLおよびRC直列回路の過渡応答に関する講義と演習 RLおよびRC直列回路の過渡応答に関する計算ができる。
12週 RLおよびRC並列回路の過渡応答に関する講義と演習。 RLおよびRC並列回路の過渡応答に関する計算ができる
13週 RLC直列回路の過渡応答に関する講義 RLC直列回路の過渡応答に関する計算ができる。
14週 RLC並列回路の過渡応答に関する講義 RLC並列回路の過渡応答に関する計算ができる。
15週 期末試験 交流回路の基礎的な内容を理解している。
16週 期末試験の解説、電気創作コンテストの概要説明
後期
3rdQ
1週 電気創作コンテスト発表会(1) 電気創作物について、アイディア・製作過程・成果について発表し、クラスメートの発表を聴講し質疑応答に参加する.
2週 電気創作コンテスト発表会(2) 電気創作物について、アイディア・製作過程・成果について発表し、クラスメートの発表を聴講し質疑応答に参加する.
3週 自己誘導、相互誘導、相互インダクタンスに関する講義 自己誘導、相互誘導、相互インダクタンスに関する問題を解ける.
4週 磁気エネルギーと結合係数に関する講義 磁気エネルギーと結合係数に関する問題を解ける.
5週 結合回路の解析に関する講義 結合回路の解析ができる.
6週 等価回路に関する講義 等価回路を用いることができる.
7週 理想変成器、インピ-ダンス換算に関する講義 理想変成器、インピ-ダンス換算を行うことができる.
8週 中間学力確認 8週までの問題を解くことができる.
4thQ
9週 3相交流の基礎(表示法、回路の結線法)に関する講義 3相交流の基礎(表示法、回路の結線法)を説明できる.
10週 星形結線、三角結線に関する講義と演習 星形結線、三角結線に関する問題を解くことができる。
11週 平衡3相回路に関する講義と演習(星形-星形、三角-三角結線) 平衡3相回路(星形-星形、三角-三角結線)に関する問題を解くことができる。
12週 平衡3相回路に関する講義と演習(星形-三角結線) 平衡3相回路(星形-三角結線)に関する問題を解くことができる。
13週 等価変換に関する講義と演習 等価変換に関する問題を解くことができる。
14週 平衡3相回路(電源、線路インピ-ダンスを含む)に関する講義 平衡3相回路(電源、線路インピ-ダンスを含む)に関する問題を解くことができる。
15週 学習のまとめ 14週までの内容を理解し、説明することができる。
16週 期末試験の解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4前1
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4前1
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4前3
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4前1
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4前8
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4前5,前14
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4前2
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4前2
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4前2
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4前2
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4前3,前4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4前8,前11,前12,前13,前14
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4前8
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4後3
理想変成器を説明できる。4後7
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4前6,前7,前8
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4前11,前12
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4前13,前14
重ねの理を用いて、回路の計算ができる。4前4
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4前3
節点電位法を用いて回路の計算ができる。4前3
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。4前5
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4前10
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4前10
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4前10
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4前10
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4前10
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4前11,前12
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4前11,前12
静電エネルギーを説明できる。4前11
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4後3
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4後9
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4後10
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4後11,後12,後13,後14

評価割合

試験課題と小テスト電気創作コンテスト相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合702550000100
基礎的能力00000000
専門能力70250000095
分野横断的能力00500005