電気回路Ⅱ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電気回路Ⅱ
科目番号 0064 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「基礎からの交流理論」原著小郷 寛,電気学会
担当教員 堀川 隼世,松浦 晃祐

到達目標

(1)交流回路の電力、力率の考え方、表現方法が理解できる。省資源、省エネルギ-を図るための電力の輸送、配分方法として、三相交流の基礎が理解できること。
(2)基本回路における交流電力の計算方法が理解できること。
(3)相互インダクタンスの動作が理解でき、これを含む回路の計算ができること。
(4)簡単な回路網における電圧、電流の計算方法が理解できること。
(5)三相交流回路における電圧、電流、電力の計算方法が理解できること。
(6)独創的なアイデアをものづくりを通して実現・発表できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
理解能力と計算能力交流回路の回路網計算を説明することができ、計算ができる。交流回路の回路網計算を説明することができる。交流回路の回路網計算を説明することができない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
交流回路の電力について理解し、交流電力の計算方法を習得する。回路網の各種解析方法の基礎を習得する。三相交流について理解し、三相交流回路の計算方法を習得する。相互インダクタンスについて理解し、これを含む回路の計算方法を習得する。また、電気創作コンテストとして「電気で動く、鳴る、光る」をテーマとした各自の独創的なアイデアで作品を製作・発表する。
授業の進め方・方法:
第2学年における電気回路Ⅰおよび第2学年、第3学年の数学の知識を基に、教科書と作成資料を用いて講義を進める。その間、課題演習を行い電気回路の理解を深めさせる。
注意点:
・学習・教育目標
 本科(準学士課程):RB2(◎)
・評価方法
 前期成績は定期試験(80%)とレポート(20%)で評価する。
 後期成績は定期試験(80%)、電気創作コンテスト(20%)で評価する。
 学年末成績は前期成績と後期成績の平均とする。
・評価基準
 学年成績60点以上

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明、電気回路基礎事項に関する講義 交流回路の基本的な表現方法を利用できる。
2週 電力、エネルギ-、素子の瞬時電力に関する講義 単純な回路での瞬時電力の計算ができる。
3週 R-L、R-C回路の瞬時電力に関する講義と演習 R-L、R-C回路の瞬時電力の計算ができる。
4週 R-L、R-C回路の平均電力に関する講義 R-L、R-C回路の平均電力の計算ができる。
5週 皮相電力、無効電力に関する講義と演習 皮相電力、無効電力の計算ができる。
6週 力率、力率改善に関する講義 力率、力率改善の計算ができる。
7週 複素電力に関する講義と演習 複素電力の計算ができる。
8週 交流電力の測定に関する講義 交流電力の測定方法を知っている。
2ndQ
9週 中間学力確認 8週までの問題を解くことができる。
10週 中間学力確認の解説、ループ法(1)に関する講義 ループ法の計算の方法を知っている。
11週 ループ法(2)に関する講義 ループ法の計算を立式できる。
12週 ループ法(3)に関する講義と演習 ループ法の計算ができる。
13週 節点方程式に関する講義と演習 接点方程式を用いて回路網の計算ができる。
14週 電力保存測に関する講義 電力保存則を知っている。
15週 期末試験 交流回路の基礎的な内容を理解している。
16週 期末試験の解説、電気創作コンテストの概要説明
後期
3rdQ
1週 電気創作コンテスト発表会 電気創作物を発表する。
2週 自己誘導、相互誘導、相互インダクタンスの基礎式に関する講義 自己誘導、相互誘導、相互インダクタンスの基礎式を説明できる。
3週 磁気エネルギーと結合係数に関する講義 磁気エネルギーと結合係数に関する問題を解ける。
4週 相互インダクタンスの図記号、極性に関する講義 相互インダクタンスの図記号、極性に関して説明できる。
5週 結合回路の解析に関する講義 結合回路の解析ができる
6週 等価回路に関する講義 等価回路を用いることができる
7週 理想変成器、インピ-ダンス換算に関する講義 理想変成器、インピ-ダンス換算を行うことができる。
8週 中間学力確認 8週までの問題を解くことができる。
4thQ
9週 3相交流の基礎(表示法、回路の結線法)に関する講義 3相交流の基礎(表示法、回路の結線法)を説明できる。
10週 星形結線、三角結線に関する講義と演習 星形結線、三角結線に関する問題を解くことができる。
11週 平衡3相回路に関する講義と演習(星形-星形、三角-三角結線) 平衡3相回路(星形-星形、三角-三角結線)に関する問題を解くことができる。
12週 平衡3相回路に関する講義と演習(星形-三角結線) 平衡3相回路(星形-三角結線)に関する問題を解くことができる。
13週 等価変換に関する講義と演習 等価変換に関する問題を解くことができる。
14週 平衡3相回路(電源、線路インピ-ダンスを含む)に関する講義 平衡3相回路(電源、線路インピ-ダンスを含む)に関する問題を解くことができる。
15週 学習のまとめ 14週までの内容を理解し、説明することができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。4
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。4
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4
理想変成器を説明できる。4
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4
静電エネルギーを説明できる。4
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。4
電流に作用する力やローレンツ力を説明できる。4
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4
自己誘導と相互誘導を説明でき、自己インダクタンス及び相互インダクタンスに関する計算ができる。4
磁気エネルギーを説明できる。4
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4
直流機の原理と構造を説明できる。4
誘導機の原理と構造を説明できる。4
同期機の原理と構造を説明できる。4
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。4
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。4
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。4
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。4
高調波障害について理解している。4
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。4
電力システムの経済的運用について説明できる。4
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。4
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。4
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。4
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。4
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4

評価割合

試験課題発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合8010100000100
基礎的能力00000000
専門能力8010100000100
分野横断的能力00000000