電子回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子回路Ⅰ
科目番号 0066 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 電子回路 電気・電子系教科書シリーズ12 コロナ社
担当教員 松浦 徹

到達目標

アナログ回路と通信回路の基礎を学習する。 1週目から18週目まで、トランジスタにダイオードなどを組み合わせて構成されるアナログ電子回路を習得する。能動素子の機能、バイアス法、負荷線と動作点、小信号等価回路など増幅回路の基礎について理解を図る。 また、19週目から30週目までは、通信回路の基礎について学ぶ。発振回路の特性、動作原理、変調復調回路の特性、動作原理について学ぶ。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電子回路に関連する問題解法能力内容が充分に理解出来、解法が示せる。 一部理解できない部分があるものの、大半に関しては解法が示せる。充分な理解が示せない。
授業関連の課題提出能力 課題が充分に提出できる。一部不充分な部分はあるものの、大半の課題は提出できる。充分に課題提出が出来ない。
授業態度 授業を真摯な態度で受講できる。一部問題はあるものの、充分に授業を受講できている。授業を受講する態度に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
教科書に基づいた講義を中心とするが、数学の復習を行うことにより電気現象の回路表現、数式表現法の理解を図る。また、多くの例題、演習を取り入れることにより直流・交流回路の解析、計算能力を養成する。
授業の進め方・方法:
電子回路の基礎として特に重要と思われる内容を精選し、ダイオード、トランジスタ、FETを用いた回路を分析し計算する能力を身につける。そのため、適宜演習を織り交ぜながら講義を進める。
講義は、必ずしもテキストに沿った内容とはなっていないので注意すること。
注意点:
講義時の授業態度および講義への遅刻に対して減点を課す場合がある。
なお、60点に満たない場合は追試験または課題を実施する場合がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明 電子回路の概要 ダイオードの特徴・動作 ダイオードの特徴を説明できる。
2週 ダイオードのスイッチング作用 ダイオードの特徴を説明できる。
3週 ダイオードの作図法 ダイオードの特徴を説明できる。
4週 トランジスタの特徴・動作 バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。
5週 トランジスタの静特性 バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。
6週 2電源バイアス回路の解析(作図法) トランジスタ増幅器のバイアス方法を説明できる。
7週 2電源バイアス回路の解析(作図法) トランジスタ増幅器のバイアス方法を説明できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 中間試験の解説
10週 エミッタ接地電流帰還増幅回路の動作と解析(作図法) トランジスタ増幅器のバイアス方法を説明できる。
11週 エミッタ接地電流帰還増幅回路の動作と解析(作図法) トランジスタ増幅器のバイアス方法を説明できる。
12週 バイポーラトランジスタの小信号等価回路 トランジスタ増幅器のバイアス方法を説明できる。
13週 バイポーラトランジスタの小信号等価回路 トランジスタ増幅器のバイアス方法を説明できる。
14週 まとめ
15週 期末試験
16週 期末試験の解説
後期
3rdQ
1週 FETの特長・動作 FETの特徴と等価回路を説明できる。
2週 FETのバイアス回路 FETの特徴と等価回路を説明できる。
3週 FETの小信号等価回路 FETの特徴と等価回路を説明できる。
4週 FETの小信号等価回路 FETの特徴と等価回路を説明できる。
5週 発振回路の基礎・原理・分類 利得、周波数帯域、インピーダンス整合等の増幅回路の基礎事項を説明できる。
6週 LC発振回路の原理 利得、周波数帯域、インピーダンス整合等の増幅回路の基礎事項を説明できる。
7週 CR発振回路の原理 利得、周波数帯域、インピーダンス整合等の増幅回路の基礎事項を説明できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 中間試験の解説
10週 変調復調の基礎 変調の考え方を説明できる。
11週 振幅変調回路 振幅変調の仕組みを説明できる。
12週 振幅復調回路 振幅復調の仕組みを説明できる。
13週 周波数変調回路 周波数変調の仕組みを説明できる。
14週 周波数復調回路 周波数復調の仕組みを説明できる。
15週 学年末試験
16週 期末試験の解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。5前1
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。5前2
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。5前2,前3,前4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。5前3,前4
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。5前5
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。5前5,前6,前7
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。5前2,前10
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。5前8
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。5前11,前12
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。5前13
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。5後2,後3
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。5
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。5
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。5
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。5後4,後5
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。5後6
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。5後7
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。5後8,後10
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。5後10
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。5後11,後12,後13,後14
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。5前9,後7
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。5前1,前2,前3
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。5前4,前5,前10,前11,前12,前13
FETの特徴と等価回路を説明できる。5後1,後2,後3,後4
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。5後5,後6,後7
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。5前6,前7,前13

評価割合

試験課題合計
総合評価割合80200000100
前期中間学力確認試験200000020
前期期末学力確認試験200000020
後期中間学力確認試験200000020
後期期末学力確認試験200000020
提出課題020000020