電気電子工学実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 電気電子工学実験Ⅱ
科目番号 0070 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 自作テキスト
担当教員 米田 知晃,大久保 茂,佐藤 匡

到達目標

(1)電気電子工学全般にわたる基礎理論について,実験を通して理解を深める.
(2)目的および手順を理解して安全に実験をおこない,得られた結果に対する評価を含む報告書が作成できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電気・電子回路の理論を説明でき、その知識を実際に活用できる。 電気・電子回路の理論を説明できる。 電気・電子回路の理論を説明できない。
評価項目2安全に対して注意を払いながら実験を遂行でき、改善案などが提案できる。安全に対して注意を払いながら実験を遂行できる安全に対して注意を払いながら実験を遂行できない。
評価項目3実験により得られたデータを、他人にも分かるようにまとめ、データの解析・考察を行った上で報告書にまとめて、その内容を説明でき、また実験データより、実験方法等の誤りを指摘できる。実験により得られたデータを、他人にも分かるようにまとめ、データの解析・考察を行った上で報告書にまとめて、その内容を説明できる。実験により得られたデータを、他人にも分かるようにまとめ、データの解析・考察を行った上で報告書にまとめて、その内容を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気回路論,電磁気学,電子工学,電子回路,コンピュータ制御等に関する基礎実験を通して,実践的能力を身に付け、実験に対する安全意識の向上を図る.
授業の進め方・方法:
各実験課題にそれぞれ指導者がつき,実験指導とレポート作成について教授する.なお、シラバスの説明時には実験全体の安全教育を行うが、各実験の最初にも、必要に応じて実験上の安全に関する基礎的な知識や技術を解説する。
種々の基礎的な実験テーマを与え、その実験の工学的意味を理解し、提示された方法を計画・実行させ、その結果が既存のものと一致することを確認し、これらの内容をレポートとして期日までにまとめ、提出するる。実技の様子とレポートの内容で評価する。
注意点:
病欠等のやむ得ない事情により実験ができなかった場合は、実験担当者の指示を仰ぐこと。
実験レポート未提出者は不合格とする。但し、レポート提出のためには実験を行っていなければならない。
評価基準:60点以上を合格とする.
本科(準学士過程):RE2(◎)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明、安全教育、実験書配布,実験概要説明 電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。
2週 共振回路:R-L-C回路の電圧・電流の測定 電圧・電流・電力などの電気諸量の測定方法を習得する。
抵抗・インダクタンス・キャパシタンス・インピーダンスなどの素子値の測定方法を習得する。
交流回路論における諸現象について実験を通して理解する。
3週 ICトレーナに関する実験 論理回路の動作について実験を通して理解する。
4週 トランジスタ・エミッタ静特性の測定 電圧・電流・電力などの電気諸量の測定方法を習得する。
半導体素子の電気的特性の測定法を習得し、実験を通して理解する。
増幅回路等の動作について実験を通して理解する。
5週 パルス回路動作原理と実験 電圧・電流・電力などの電気諸量の測定方法を習得する。
半導体素子の電気的特性の測定法を習得し、実験を通して理解する。
6週 電子デバイスセンサの実験(CdS、フォトダイオード) 電圧・電流・電力などの電気諸量の測定方法を習得する。
半導体素子の電気的特性の測定法を習得し、実験を通して理解する。
7週 電子デバイスセンサの実験(CdS、フォトダイオード) 電圧・電流・電力などの電気諸量の測定方法を習得する。
半導体素子の電気的特性の測定法を習得し、実験を通して理解する。
8週 技術者基礎教育 技術者倫理の必要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。
技術者として信用失墜の禁止と公益の確保が考慮することができる。
持続可能な社会を実現するために配慮することができる。
2ndQ
9週 シーケンス制御の基礎と実験(リレーシーケンス回路) リレーシーケンス回路を作成することができる。
シーケンス図を作成することができる。
10週 シーケンス制御の基礎と実験(PLC) PLCを用いてシーケンス制御を行うことができる。
11週 光センサをもつ走行ロボットの制御 光センサをもつ走行ロボットを制御することができる。
12週 光センサをもつ走行ロボットの制御 光センサをもつ走行ロボットを制御することができる。
13週 工場見学 自らのキャリアを考えることができる。
技術の創造や自らのキャリアをデザインすることが考慮できる。
14週 工場見学に関するプレゼンテーション 自らのキャリアを考えることができる。
技術の創造や自らのキャリアをデザインすることが考慮できる。
15週 電気電子工学実験Ⅱのまとめ 実験テーマの内容を理解し、実験・測定結果の妥当性評価や考察等について論理的な説明ができる。
実験ノートの記述、及び実験レポートの作成の方法を理解し、実践できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前10,前11,前12
物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前14
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前15
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。3前8
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3前8
技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスを実践できる。3前8
社会性、社会的責任、コンプライアンスが強く求められている時代の変化の中で、技術者として信用失墜の禁止と公益の確保が考慮することができる。3前8
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3前8
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3前8
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3前1,前2,前4,前5,前6
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。3前1,前2
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3前1,前2,前5
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3前1,前9
直流回路論における諸定理について実験を通して理解する。3前1,前5,前6,前7,前9
交流回路論における諸現象について実験を通して理解する。3前1,前2
半導体素子の電気的特性の測定法を習得し、実験を通して理解する。3前1,前4,前5,前7
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。3
論理回路の動作について実験結果を考察できる。3前3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能相手の意見を聞き、自分の意見を伝えることで、円滑なコミュニケーションを図ることができる。3
相手を理解した上で、説明の方法を工夫しながら、自分の意見や考えをわかりやすく伝え、十分な理解を得ている。3
集団において、集団の意見を聞き、自分の意見も述べ、目的のために合意形成ができる。3
目的達成のために、考えられる提案の中からベターなものを選び合意形成の上で実現していくことができ、さらに、合意形成のための支援ができる。3
ICTやICTツール、文書等を基礎的な情報収集や情報発信に活用できる。3
ICTやICTツール、文書等を自らの専門分野において情報収集や情報発信に活用できる。3
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、そこから主要な原因を見出そうと努力し、解決行動の提案をしようとしている。3
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、発見した課題について主要な原因を見出し、論理的に解決策を立案し、具体的な実行策を絞り込むことができる。3
事象の本質を要約・整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。3
複雑な事象の本質を整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。結論の推定をするために、必要な条件を加え、要約・整理した内容から多様な観点を示し、自分の意見や手順を論理的に展開できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性身内の中で、周囲の状況を改善すべく、自身の能力を発揮できる。 3前13,前14
集団の中で、自身の能力を発揮して、組織の勢いを向上できる。3前13,前14
日常生活の時間管理、健康管理、金銭管理などができる。常に良い状態を維持するための努力を怠らない。3前13,前14
ストレスやプレッシャーに対し、自分自身をよく知り、解決を試みる行動をとることができる。日常生活の管理ができるとともに、目標達成のために対処することができる。3前13,前14
学生であっても社会全体を構成している一員としての意識を持って、行動することができる。3前13,前14
市民として社会の一員であることを理解し、社会に大きなマイナス影響を及ぼす行為を戒める。人間性・教養、モラルなど、社会的・地球的観点から物事を考えることができる。3前13,前14
チームワークの必要性・ルール・マナーを理解し、自分の感情の抑制、コントロールをし、他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持つとともに、当事者意識を持ち協調して共同作業・研究をすすめることができる。3前13,前14
組織やチームの目標や役割を理解し、他者の意見を尊重しながら、適切なコミュニケーションを持つとともに、成果をあげるために役割を超えた行動をとるなど、柔軟性を持った行動をとることができる。3前13,前14
先にたって行動の模範を示すことができる。口頭などで説明し、他者に対し適切な協調行動を促し、共同作業・研究をすすめことができる。3前13,前14
目指すべき方向性を示し、先に立って行動の模範を示すことで他者に適切な協調行動を促し、共同作業・研究において、系統的に成果を生み出すことができる。リーダーシップを発揮するために、常に情報収集や相談を怠らず自身の判断力をも磨くことができる。3前13,前14
法令を理解し遵守する。基本的人権について理解し、他者のおかれている状況を理解することができる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識している。3
法令を理解し遵守する。研究などで使用する、他者のおかれている状況を理解できる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識し、身近で起こる関連した情報や見解の収集に努めるなど、技術の成果が社会に受け入れられるよう行動できる。3
未来の多くの可能性から技術の発展と持続的社会の在り方を理解し、自らのキャリアを考えることができる。3前13,前14
技術の発展と持続的社会の在り方に関する知識を有し、未来社会を考察することができるとともに、技術の創造や自らのキャリアをデザインすることが考慮できる。3前13,前14
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3前13,前14
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3前13,前14
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセス理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しなければならないことを理解する。3前13,前14
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセスを理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しデザインすることができる。3前13,前14

評価割合

実験レポート発表その他合計
総合評価割合90100100
基礎的能力300030
専門的能力600060
分野横断的能力010010