電力システムⅠ

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電力システムⅠ
科目番号 0072 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 「電力工学」江間敏・甲斐隆章共著(コロナ社)
担当教員 山本 幸男,松浦 晃祐

到達目標

(1)地球環境の保全と循環型社会とを意識したものづくりに必要な知識と技術を結びつけることで,生産から消費・廃棄に至るプロセスをひとつのシステムとして認識できること。
(2)原子力発電,新エネルギー(太陽電池、燃料電池)についてそれらの原理,特徴,課題が説明できるようにすること.また,送電線路に関して,線路定数と送電特性、故障計算と中性点接地方式・異常電圧,送電送電線路の保護、電力システムの経済運用などについて理解し,解説できるようにすること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
理解能力教科書以上の内容について、理解・説明できる。教科書程度の内容について、理解・説明できる。教科書程度の内容について、理解・説明できない。
計算能力教科書以上の問題を計算できる。教科書程度の問題を計算できる。教科書程度の問題を計算できない。
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生産や消費活動などの社会活動に利用されている電気エネルギーに関する発生、輸送、消費のための技術を対象とする電力工学の基礎的事項を理解すること。
授業の進め方・方法:
教科書の流れに沿って講義を行うが,内容は最新の技術動向を中心に、適宜プリントを配布し教科書を補足説明する。さらに適宜レポートを課す。
注意点:
・学習・教育目標
 本科(準学士課程):RB2(◎)
 環境生産システム工学プログラム:JB3(◎)
・評価方法
 前期成績は定期試験(2回)と課題レポートで評価する。
 後期成績は定期試験(2回)で評価する。
 学年末成績は前期成績と後期成績の平均とする。
・評価基準
 学年成績60点以上

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明,電力輸送の特質と問題点,電気エネルギーの特質 電力輸送の特質と問題点,電気エネルギーの特質について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
2週 エネルギー資源の枯渇問題と地球環境問題 エネルギー資源の枯渇問題と地球環境問題について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
3週 原子力発電の特徴,原子核と原子核反応 原子力発電の特徴,原子核と原子核反応について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
4週 核分裂と連鎖反応 核分裂と連鎖反応について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
5週 原子炉の基本構成と構成材料 原子炉の基本構成と構成材料について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
6週 原子力発電所の種類 原子力発電所の種類について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
7週 中間試験
8週 中間試験の返却と解説,新エネルギー(太陽光発電) 新エネルギー(太陽光発電)について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
2ndQ
9週 新エネルギー(燃料電池) 新エネルギー(燃料電池)について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
10週 送電方式(直流、交流送電) 送電方式(直流、交流送電)について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
11週 送電電圧(種別)と送電電力 送電電圧(種別)と送電電力について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
12週 線路定数(抵抗、表皮効果) 線路定数(抵抗、表皮効果)について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
13週 線路定数(インダクタンス) 線路定数(インダクタンス)について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
14週 線路定数(静電容量) 線路定数(静電容量)について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
15週 期末試験
16週 期末試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 送電に関する復習 前期の授業内容について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
2週 送電特性(四端子定数) 送電特性(四端子定数)について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
3週 送電特性(短,中距離送電線路等価回路) 送電特性(短,中距離送電線路等価回路)について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
4週 分布定数回路理論 分布定数回路理論について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
5週 送電特性(長距離送電線路の四端子回路) 送電特性(長距離送電線路の四端子回路)について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
6週 中間試験
7週 中間試験の返却と解説,電力ベクトル軌跡 電力ベクトル軌跡について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
8週 電力円線図 電力円線図について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
4thQ
9週 電力円線図と調相容量 電力円線図と調相容量について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
10週 保護継電器方式と中性点接地方式 保護継電器方式と中性点接地方式について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
11週 異常電圧(内部異常電圧,外部異常電圧電)と絶縁 異常電圧(内部異常電圧,外部異常電圧電)と絶縁について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
12週 誘導障害(電磁誘導電圧の計算と静電誘導の計算) 誘導障害(電磁誘導電圧の計算と静電誘導の計算)について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
13週 電力システムの経済運用 電力システムの経済運用について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
14週 まとめ 前期および後期の授業内容について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
15週 期末試験
16週 期末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4前10,後5
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4前1,前10,後1,後2,後3,後4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4前1,前2,前6,前8,前9
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。4前3,前4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4前5
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4後9,後10,後11,後13,後14
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4前12,前13,前14
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。4
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。4
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4
理想変成器を説明できる。4
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4
直流機の原理と構造を説明できる。4
誘導機の原理と構造を説明できる。4
同期機の原理と構造を説明できる。4
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。4
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。4
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。4
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。4
高調波障害について理解している。4
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。4
電力システムの経済的運用について説明できる。4
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。4
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。4
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。4
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。4
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4

評価割合

試験課題発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合752500000100
基礎的能力00000000
専門的能力752500000100
分野横断的能力00000000