電気機器

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電気機器
科目番号 0074 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「First Stageシリーズ 電気機器概論」(深尾正ほか,実教出版)
担当教員 松浦 晃祐

到達目標

(1)直流電動機、変圧器、交流電動機、交流発電機、小型特殊電動機などの基本的な電気機器の構造、製作方法の基礎を理解できること.および省資源、省エネルギ-を考慮した設計の基礎および運転方法の基礎が理解できること.
(2)直流電動機、変圧器、交流電動機、交流発電機、小型特殊電動機などの基本的な電気機器の原理を理解でき、等価回路の作成および等価回路を用いて特性計算ができること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
理解能力教科書以上の内容について、理解・説明できる。教科書程度の内容について、理解・説明できる。教科書程度の内容について、理解・説明できない。
計算能力教科書以上の問題を計算できる。教科書程度の問題を計算できる。教科書程度の問題を計算できない。
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気エネルギ-の相互変換、電気-機械エネルギ-変換の考え方を理解するとともに代表的な機器である直流電動機、変圧器、交流電動機、交流発電機、小型特殊電動機について原理、構造、特性および解析方法を理解し、これらの機器の運転方法に関する基礎的な知識を習得する。
授業の進め方・方法:
電気エネルギ-変換に関する各種機器のうち、特に広く使用されている直流電動機、変圧器、交流電動機、交流発電機、 小型特殊電動機について、電気磁気学、電気回路の知識を基に、教科書に基づいた講義を中心として解説を行うとともに、演習を取り入れることにより内容の理解を深める。
注意点:
・学習・教育目標
 本科(準学士課程):RB2(◎)
 環境生産システム工学プログラム:JB3(◎)
・評価方法
 定期試験(前期中間試験・前期期末試験・後期中間試験・後期期末試験)により評価を行う。
 ※前期成績=(前期中間試験+前期期末試験)/2
  学年末成績=(前期中間試験+前期期末試験+後期中間試験+後期期末試験)/4
 ※追試験や追課題の実施は、定期試験の結果等を踏まえて判断する。
・評価基準
 学年成績60点以上

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 本科目で学ぶ内容(代表的な電気機器の種類と使用例),シラバス説明 本科目で学ぶ内容(代表的な電気機器の種類と使用例)について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
2週 電磁気学,交流回路の確認,回転磁界(交番磁界) 電磁気学,交流回路の確認,回転磁界(交番磁界)について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
3週 直流電動機の動作原理と構造,電機子反作用 直流電動機の動作原理と構造,電機子反作用について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
4週 直流電動機の運転特性と励磁方式(永久磁石,他励),等価回路 直流電動機の運転特性と励磁方式(永久磁石,他励),等価回路について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
5週 直流電動機の運転特性と励磁方式(自励:分巻,直巻),等価回路 直流電動機の運転特性と励磁方式(自励:分巻,直巻),等価回路について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
6週 直流電動機の始動,制動,速度制御 直流電動機の始動,制動,速度制御について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
7週 直流発電機の構造と原理 直流発電機の構造と原理について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 中間試験の解説
10週 変圧器の構造と原理 変圧器の構造と原理について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
11週 変圧器の等価回路(T型等価回路,L型等価回路) 変圧器の等価回路(T型等価回路,L型等価回路)について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
12週 等価回路定数の測定方法 等価回路定数の測定方法について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
13週 PU法,短絡インピーダンス,電圧変動率 PU法,短絡インピーダンス,電圧変動率について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
14週 変圧器の損失,効率,結線方法 変圧器の損失,効率,結線方法について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
15週 期末試験
16週 期末試験の解説
後期
3rdQ
1週 誘導電動機の動作原理と構造 誘導電動機の動作原理と構造について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
2週 誘導電動機の等価回路,すべり 誘導電動機の等価回路,すべりについて、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
3週 等価回路定数の求め方,等価回路による特性算定方法 等価回路定数の求め方,等価回路による特性算定方法について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
4週 誘導電動機の始動方法 誘導電動機の始動方法について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
5週 誘導電動機の諸特性(速度,トルク),速度制御 誘導電動機の諸特性(速度,トルク),速度制御について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
6週 誘導発電機の構造と原理 誘導発電機の構造と原理について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
7週 誘導発電機の特性 誘導発電機の特性について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
8週 中間試験
4thQ
9週 中間試験の解説
10週 同期発電機の構造と原理,使用例 同期発電機の構造と原理,使用例について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
11週 等価回路と等価回路定数の求め方 等価回路と等価回路定数の求め方について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
12週 負荷特性と電圧変動率 負荷特性と電圧変動率について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
13週 同期電動機の始動方法 同期電動機の始動方法について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
14週 特殊モータ(ステッピング,ブラシレスモータ)とパワーエレクトロニクス 特殊モータ(ステッピング,ブラシレスモータ)とパワーエレクトロニクスについて、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
15週 期末試験
16週 期末試験の解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。4
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。4
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。4
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。4
瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。4
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。4
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。4
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。4
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。4
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。4
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。4
相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4
理想変成器を説明できる。4
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。4
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4
電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。4
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。4
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。4
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。4
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。4
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。4
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。4
静電エネルギーを説明できる。4
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。4
電流に作用する力やローレンツ力を説明できる。4
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4
自己誘導と相互誘導を説明でき、自己インダクタンス及び相互インダクタンスに関する計算ができる。4
磁気エネルギーを説明できる。4
電子回路ダイオードの特徴を説明できる。5
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。5
FETの特徴と等価回路を説明できる。5
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。5
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。5
演算増幅器の特性を説明できる。5
反転増幅器や非反転増幅器等の回路を説明できる。5
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。5
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。5
原子の構造を説明できる。5
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。5
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。5
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。5
真性半導体と不純物半導体を説明できる。5
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。5
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。5
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。5
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。5
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4
直流機の原理と構造を説明できる。4
誘導機の原理と構造を説明できる。4
同期機の原理と構造を説明できる。4
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。4
半導体電力変換装置の原理と働きについて説明できる。4
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。4
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。4
高調波障害について理解している。4
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。4
電力システムの経済的運用について説明できる。4
水力発電の原理について理解し、水力発電の主要設備を説明できる。4
火力発電の原理について理解し、火力発電の主要設備を説明できる。4
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。4
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。4
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。4
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。5
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。5
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。5
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。5
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。5
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。5
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。5
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。5
ブリッジ回路を用いたインピーダンスの測定原理を説明できる。5
有効電力、無効電力、力率の測定原理とその方法を説明できる。5
電力量の測定原理を説明できる。5
オシロスコープの動作原理を説明できる。5
オシロスコープを用いた波形観測(振幅、周期、周波数)の方法を説明できる。5
制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。5
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。5
システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。5
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。5
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。5
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。5
情報基本的なアルゴリズムを理解し、図式表現できる。5
プログラミング言語を用いて基本的なプログラミングができる。5
整数、小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。5
基数が異なる数の間で相互に変換できる。5
基本的な論理演算を行うことができる。5
基本的な論理演算を組み合わせて任意の論理関数を論理式として表現できる。5
MIL記号またはJIS記号を使って図示された組み合わせ論理回路を論理式で表現できる。5
論理式から真理値表を作ることができる。5
論理式をMIL記号またはJIS記号を使って図示できる。5

評価割合

試験課題発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合100000000100
基礎的能力00000000
専門的能力100000000100
分野横断的能力00000000