概要:
様々なタイプの文章を読解する。評論文においては筆者の狙いを明確に読み取るとともに、その文章に対して自分の意見を持ち提示できるようになることを目指す。物語文においては場面を正確に読み取り、登場人物の声や思いに耳を澄ませ、そこで感じ取ったことを文章にまとめることを目指す。日本人、日本語が古くから培ってきた言葉の文化を味わい、自らの思考、表現に生かすことを目標とする。
授業の進め方・方法:
授業では本文の正確な読解に努めるとともに、適宜質疑し応答を求める(ひとつの決まった答えがない場合も多い)。本文を踏み台とし、様々な意見を求めつつ進めていく。そして、各単元の終了時にはレポートを課す。その単元で自らが得た知見、論点などを切り口に、意見をまとめる。古文では文法の確認も適宜行うが、あくまで「読む」ことを主軸に、読み取ったことについて「書く」「話す」という方法で進めていく。
注意点:
レポートの割合が大きい。未提出はそのまま原級留置につながるので注意すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業の導入 |
一年間の授業の見通しを立てられること。
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2週 |
現代文学を味わう(1) |
村上春樹について説明できること。
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3週 |
現代文学を味わう(2) |
作家の設定した舞台を正しく把握できること。
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4週 |
現代文学を味わう(3) |
比喩表現の内実について正しく理解できること。
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5週 |
現代文学を味わう(4) |
作品を味わい、自分なりに解釈できること。
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6週 |
随筆を読む(1) |
随筆というジャンルと、その特性について説明できること。
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7週 |
随筆を読む(2) |
正しく音読でき、流れを把握できること。
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8週 |
随筆を読む(3) |
助動詞等に気をつけながら、正確に文章の理解ができること。
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2ndQ |
9週 |
随筆を読む(4) |
兼好法師の述べる教訓を理解できること。
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10週 |
随筆を読む(5) |
『枕草子』の文学的意義について理解できること。
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11週 |
随筆を読む(6) |
二つの随筆作品について、その差異、特徴について説明できること。
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12週 |
漢詩を読む(1) |
1年次に習ったことを思い出し、正しく書き下せること。
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13週 |
漢詩を読む(2)/社会とつながる文章 |
漢詩のルールを正しく理解できること。
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14週 |
漢詩を読む(3)/社会とつながる文章(2) |
時節に応じた手紙を、適切な文章で書けるようになること。
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15週 |
前期まとめ |
これまでの授業を振り返り、正しくアウトプットできること。
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16週 |
振り返り |
自分のこれまでの学習を見つめ、間違って覚えていたことを正せること。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
ことばについて知る(1) |
普段の言語生活について見つめなおし、その生活について言語化できること。
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2週 |
ことばについて知る(2) |
言語と思想の関係性について説明できること。
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3週 |
ことばについて知る(3) |
日本語と外国語のことばの違いが、考え方の違いにも直結していると具体例を用いて説明できること。
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4週 |
ことばについて知る(4) |
『土佐日記』から、当時の男女のおかれた言語生活について説明できること。
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5週 |
ことばについて知る(5) |
『土佐日記』のことばのもつ諧謔性について、正しく把握できること。
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6週 |
「学び」とは何か ――『論語』から(1) |
『論語』について理解するとともに、その内容を正しく読み下せること。
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7週 |
「学び」とは何か ――『論語』から(2) |
「学ぶ」とは何か、「習う」との違いについて説明できること。
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8週 |
「学び」とは何か ――『論語』から(3) |
「知る」とは何か、説明できること。
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4thQ |
9週 |
評論を読む(1) |
白とは単に色ではなく、感受性であることを理解、説明できること。
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10週 |
評論を読む(2) |
推敲について理解、説明できること。
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11週 |
評論を読む(3) |
本番というものの持つ力について自らの体験と絡めて説明できること。
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12週 |
物語に親しむ(1) |
人物関係を整理し、人物が置かれている特異な立場について理解できるようになること。
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13週 |
物語に親しむ(2) |
助動詞等に気をつけ、正しく内容の訳ができること。
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14週 |
物語に親しむ(3) |
当時の宮中の状況、帝の置かれた状況について正しく理解、説明できること。
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15週 |
物語に親しむ(4) |
光源氏誕生までの人物の心理、経緯について整理し、筋立てを味わうことができること。
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16週 |
後期まとめ |
これまで学んできたことを整理し、定着させること。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 国語 | 国語 | 代表的な古文・漢文を読み、言葉や表現方法の特徴をふまえて人物・情景などを理解し、人間・社会・自然などについて考えを深めたり広げたりすることができる。 | 4 | 前16,後8 |
古文・漢文について、音読・朗読もしくは暗唱することにより、特有のリズムや韻などを味わうことができる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,前9,前16,後1 |
代表的な古文・漢文について、日本文学史および中国文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。また、それらに親しもうとすることができる。 | 4 | 前9,前10,前16,後8,後9,後12 |
教材として取り上げた作品について、用いられている言葉の現代の言葉とのつながりや、時代背景などに関する古文・漢文の基礎的知識を習得できる。 | 4 | 前10,後8 |
論理的な文章を読み、論理の構成や展開の把握にもとづいて論旨を客観的に理解し、要約し、意見を表すことができる。また、論理的な文章の代表的構成法を理解できる。 | 4 | 前4,前13,後4,後11 |
代表的な文学作品を読み、人物・情景・心情の描写ならびに描写意図などを理解して味わうとともに、その効果について説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7,後8 |
文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。 | 4 | 前6,後3,後4,後5 |
文学作品について、鑑賞の方法を理解できる。また、代表的な文学作品について、日本文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。 | 4 | 前2,前6,後8,後13 |
鑑賞にもとづく批評的な文章の執筆や文学的な文章(詩歌、小説など)の創作をとおして、感受性を培うことができる。 | 4 | 後8,後15 |
読書習慣の形成をとおして感受性を培い、新たな言葉やものの見方を習得して自らの表現の向上に生かすことができる。 | 4 | 後8 |
現代日本語の運用、語句の意味、常用漢字、熟語の構成、ことわざ、慣用句、同音同訓異義語、単位呼称、対義語と類義語等の基礎的知識についての理解を深め、その特徴を把握できる。また、それらの知識を適切に活用して表現できる。 | 4 | 後8 |
論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。 | 3 | |
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。 | 3 | |
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。 | 3 | |
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。 | 3 | |
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。 | 3 | |
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。 | 3 | |
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。 | 3 | |
他者の口頭によるものを含む表現について、客観的に評価するとともに建設的に助言し、多角的な理解力、柔軟な発想・思考力の涵養に努めるとともに、自己の表現の向上に資することができる。 | 4 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前16,後1,後2,後3,後4,後5,後7,後8,後9,後10,後11 |
相手の意見を理解して要約し、他者の視点を尊重しつつ、建設的かつ論理的に自らの考えを構築し、合意形成にむけて口頭によるコミュニケーションをとることができる。また、自らのコミュニケーションスキルを改善する方法を習得できる。 | 4 | 後7,後8,後9,後10,後11 |
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。 | 3 | |
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。 | 3 | |
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。 | 3 | |
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。 | 3 | |
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。 | 3 | |
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。 | 3 | |