科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 国語
科目番号 0117 科目区分 一般 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 三省堂『精選 現代文B』
担当教員 佐藤 瞳,門屋 飛央

到達目標

(1)近現代の文学作品を読み、登場人物の心情を読み取り、それに対する意見を持つことで、豊かな感受性を育てる。
(2)評論文を読み、論旨を的確に捉え、それに対する自身の意見を説得的にわかりやすく述べることができる。
(3)熟語や慣用句など、社会生活に必要な日本語の知識を修得し、自身の表現活動に役立てることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
文学的文章文学的文章を読み、主題・登場人物の心情・情景描写の効果を適切に読み取ることができる。その作品について自身の意見を述べることができる。文学的文章を読み、主題・登場人物の心情・情景描写の効果が大まかに理解できる。その作品について自身の意見を述べることができる。文学的文章を読み解くことができない。
評論的文章論理的な文章を読み、その論旨を適切に理解することができる。その文章に対して、説得的に意見を述べることができる。論理的文章を読み、その論旨をある程度理解することができる。その文章に対して、意見を述べることができる。論理的な文章の論旨が理解できず、その文章に対する意見も述べることができない。
日本語社会生活に必要な日本語の知識(漢字・慣用句など)を修得し、自身の表現活動に役立てることができる。社会生活に必要な日本語の知識(漢字・慣用句など)をある程度身につけ、自身の表現活動に役立てることができる。社会生活に必要な日本語の知識が身についておらず、自身の表現活動にも役立てられない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RC2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
読む・書く・話す・聞く・考えるそれぞれの能力を有機的に関連付け、国際的に活躍できる技術者に必要とされる論理的思考能力、感受性を養う。
日本語力の基礎である漢字・ことわざなどの知識を修得し、自身の表現活動に役立てる。

 
授業の進め方・方法:
論理的な文章を読む授業においては、設問に答えながら筆者の論の展開を把握し、適切に論旨を読み取る活動を行う。読み終えた後、個人またはグループでの活動を通して、他者にわかりやすく、かつ説得的に自分の意見が述べられるようにする。
文学的な文章を読む授業においては、作品の背景知識を得ながら、主題や登場人物の心情を理解する活動を行う。読み終えた後は作品に対する感想を他者にわかりやすく伝えることを意識し、感想を述べる。
随時漢字・ことわざなどの小テストを行い、日本語の基礎的知識を修得し、自身の表現活動に役立てられるようにする。
注意点:
授業は予習前提で行うため、未知語、読めない漢字はあらかじめ調べておくこと。
辞書の持ち込みは可。ただし、スマートフォンなどの使用は不可。
課題は期限までに必ず提出すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業ガイダンス/随想(1) 授業の進め方、評価方法が理解できる。現時点でできること、できるようになりたいことを自分の言葉で説明する。
2週 随想(2) 筆者の主張とその裏付けとなる根拠を適切に読み取り、要旨をまとめる。
3週 随想(3) 筆者の主張に対する自分の意見を述べる。
4週 小説(1) 中島敦について理解を深める。
李徴が虎になった経緯を、その心情も踏まえ説明する。
5週 小説(2) 「臆病な自尊心」、「尊大な羞恥心」とは何かを説明する。
6週 小説(3) 作品のテーマを理解し、それに対する感想を述べる。
7週 評論(1) 「ミロのヴィーナス」が両腕がないことに対する筆者の思いを理解する。
8週 中間試験?
2ndQ
9週 中間試験の振り返り/評論(2) 筆者の「芸術」に対する考え方を理解し説明する。
10週 評論(3) 論理的文章の構成を理解し、自分の表現活動に役立てる。
11週 評論(4) 人間が感じる恐怖と自我との関係を理解し、説明する。
12週 評論(5) 筆者の主張を理解し、論旨をまとめる。
13週 評論(6) グループで話し合い、自分の主張を説得的に展開できる。
14週 詩歌(1) 宮沢賢治について理解を深める。
15週 詩歌(2) 作者の心情を読み取り、作品に対する感想を自分の言葉で述べる。
16週 期末試験の解説 できなかったところを整理し、今後の学習に役立てる。
前期自分ができるようになったことを知り、今後の課題を明確にする。
後期
3rdQ
1週 ディベート(学校行事対応・弁論大会レポート)(1) ディベートテーマについて、意見を出し合い、討論する。また、各々の意見をレポートにまとめる。
2週 ディベート(学校行事対応・弁論大会レポート)(2) ディベートテーマについて、レポートをもとに改めて意見を出し合う。模擬討論を通して、各自の課題を明らかにする。
3週 評論「コンクリートの時代」(1) 本文を読み、問題提起・主張・論拠をつかむ。
4週 評論「コンクリートの時代」(2) 段落の役割を押さえ、本文の構成を理解する。
5週 小説「こころ」(1) 夏目漱石の文学、および近代文学史(明治~昭和初期)について、理解する。登場人物の相互関係を理解する。
6週 小説「こころ」(2) 思いを告白したときのKの心情と「私」の行動と心情を読み取り、説明する。
7週 小説「こころ」(3) 「私」の考える「K」の「覚悟」について読み取り、根拠を挙げて説明する。
8週 中間試験 これまでの学習をまとめ、知識の定着度を確認する。自分の考えを適切に表現する。
4thQ
9週 中間試験の振り返り 試験結果をもとに、これまでの復習をし、各自の課題を発見する。
10週 小説「こころ」(4) 「私」の心の動きを、本文の記述に沿って理解する。
11週 小説「こころ」(5) Kの自殺の理由について、本文の記述を挙げながら説明する。
12週 評論「スポーツとナショナリズム」(1) 本文を読み、問題提起・主張・論拠を理解する。
13週 評論「スポーツとナショナリズム」(2) 段落の役割を押さえ、本文の構成を理解する。
14週 評論「スポーツとナショナリズム」(3) スポーツとナショナリズムとの関係について、筆者の主張と論拠を読み取り、それに対する自分の意見を述べる。
15週 期末試験 これまでの学習をまとめ、知識の定着度を確認する。自分の考えを適切に表現する。
16週 一年間のまとめ 試験結果をもとに、これまでの復習をし、各自の課題を発見する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3後3,後4,後12,後13,後14
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3後3,後4,後8,後12,後13,後14
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3後5,後6,後7,後10,後11
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3後3,後4,後12,後13,後14
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。3後1,後2,後15
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。3後2,後15
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3後8,後9,後15
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3後1,後2,後15,後16
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3後1,後2,後11,後14
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3後1,後2,後4

評価割合

試験小テスト課題発表態度合計
総合評価割合000000
基礎的能力30203010100
専門的能力00000
分野横断的能力00000