(1)地球環境の保全と循環型社会とを意識したものづくりに必要な知識と技術を結びつけることで,生産から消費・廃棄に至るプロセスをひとつのシステムとして認識できること。
(2)発電用資源と発電方式,水力発電の特徴発電所の構造を理解する.また,火力発電の特徴・構造について理解する.さらに,大気汚染等の公害問題と火力発電所で実施している環境対策について学ぶ.
(3)原子力発電,新エネルギー(太陽電池、燃料電池)についてそれらの原理,特徴,課題が説明できるようにすること.
概要:
前期前半では発電用資源と発電方式,水力発電の特徴発電所の構造を理解する。前期後半では火力発電の特徴・構造について理解する。また,大気汚染等の公害問題と火力発電所で実施している環境対策について学ぶ。後期では原子力発電,新エネルギー(太陽電池、燃料電池)、変電等について理解する。また、全体を通して企業等の実務経験者が指導を行う。この科目は、企業で発電所業務を担当している講師が、その経験を活かし、電力システムに関して講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
パワーポイント、プリントを中心に授業を進め,水力発電所,火力発電所、原子力発電所,新エネルギー(太陽電池、燃料電池)、変電の概要について説明する。
注意点:
本科(準学士課程):RB2(◎)
環境生産システム工学プログラム:JB3(◎)
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業概要 発電用資源と発電方式 |
シラバスの説明、'エネルギー資源と発電方式の概略、電力系統の概略、電気事業の概略について理解・説明できる。
|
2週 |
水力発電の概説 |
理論水力の求め方、水力発電所の発電方式について理解・説明できる。
|
3週 |
水力学 |
水の特性、流体静力学、流体動力学について理解・説明できる。
|
4週 |
流量と落差 |
降水量と流量、流量の測定について理解・説明できる。
|
5週 |
流量と落差 |
発電所の使用流量、落差と損失、可能発生電力量について理解・説明できる。
|
6週 |
水力設備 |
発電用ダム、可動ダム、ダムの付属設備について理解・説明できる。
|
7週 |
水車 |
水車の種類、水車の特性、水車の選定他について理解・説明できる。
|
8週 |
中間試験 |
|
2ndQ |
9週 |
火力発電所概要 |
試験の返却と解説、福井火力発電所紹介,主要系統説明について理解・説明できる。
|
10週 |
燃料の種類 |
火力発電所で使用する燃料の種類・特徴について理解・説明できる。
|
11週 |
ボイラー設備概要 |
ボイラーの種類・特徴について理解・説明できる。
|
12週 |
タービン設備概要 |
タービンの種類・特徴について理解・説明できる。
|
13週 |
電気設備概要 |
発電機と冷却技術について理解・説明できる。
|
14週 |
火力発電所の熱サイクル,環境対策 |
各熱サイクルと効率、NOx・SOx低減対策と水処理について理解・説明できる。
|
15週 |
学習のまとめ |
前期の授業内容について、理解・説明できる。
|
16週 |
|
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
発電システムの概要 |
発電システムの概要について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
|
2週 |
エネルギーミックス |
エネルギーミックスについて、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
|
3週 |
地球環境問題 |
地球環境問題について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
|
4週 |
新エネの現状と問題点 |
新エネの現状と問題点について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
|
5週 |
原子力発電の特徴,原子核と原子核反応 |
原子力発電の特徴,原子核と原子核反応について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
|
6週 |
核分裂と連鎖反応 |
核分裂と連鎖反応について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
|
7週 |
原子炉の基本構成と構成材料 |
原子炉の基本構成と構成材料について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
|
8週 |
中間試験 |
|
4thQ |
9週 |
原子力発電所の種類 |
原子力発電所の種類について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
|
10週 |
原子力発電の種類/原子燃料サイクル |
原子力発電の種類/原子燃料サイクルについて、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
|
11週 |
原子力発電所の安全設計/放射線と人体への影響 |
原子力発電所の安全設計/放射線と人体への影響について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
|
12週 |
福島第一原子力発電所事故の概要と安全対策 |
福島第一原子力発電所事故の概要と安全対策について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
|
13週 |
変電の仕組み、変圧器、開閉設備、調相設備 |
変電の仕組み、変圧器、開閉設備、調相設備について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
|
14週 |
母線、変成器、避雷器、監視制御方式と保護継電方式 |
母線、変成器、避雷器、監視制御方式と保護継電方式について、理解・説明できる。また、問題を計算できる。
|
15週 |
期末試験 |
|
16週 |
期末試験の返却と解説 |
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電気回路 | 瞬時値を用いて、簡単な交流回路の計算ができる。 | 4 | |
フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。 | 4 | |
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。 | 4 | |
正弦波交流の複素表示を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。 | 4 | |
電荷と電流、電圧を説明できる。 | 4 | |
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。 | 4 | 後5 |
重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。 | 4 | |
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。 | 4 | |
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。 | 4 | |
ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。 | 4 | |
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。 | 4 | |
正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 | 4 | |
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。 | 4 | |
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。 | 4 | |
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。 | 4 | |
網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。 | 4 | |
重ねの理やテブナンの定理等を説明し、これらを交流回路の計算に用いることができる。 | 4 | |
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | |
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。 | 4 | |
電力 | 三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。 | 4 | |
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。 | 4 | |
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。 | 4 | |
電力システムの構成およびその構成要素について説明できる。 | 4 | |
交流および直流送配電方式について、それぞれの特徴を説明できる。 | 4 | |
高調波障害について理解している。 | 4 | |
電力品質の定義およびその維持に必要な手段について知っている。 | 4 | |
電力システムの経済的運用について説明できる。 | 4 | |
原子力発電の原理について理解し、原子力発電の主要設備を説明できる。 | 4 | |
その他の新エネルギー・再生可能エネルギーを用いた発電の概要を説明できる。 | 4 | |
電気エネルギーの発生・輸送・利用と環境問題との関わりについて説明できる。 | 4 | |