到達目標
(1) 地球社会を構築するという目的意識のもと,放射線が環境に与える影響について理解できること.
(2) 放射線エネルギーを利用することにおいて,自然環境と人間社会との調和を図る必要性を認識できること.
(3) 技術者が社会に対して負うべき責任を明確に自覚したうえで,放射線に関する学術団体が規定している倫理綱領を理解し,説明できること.
(4) 原子力燃料の再使用およびリサイクルによって成り立つ循環型社会について認識するだけでなく,原子力発電所の設計・製造・計測・制御などを理解すること.
(5) 習得した放射線に関する基礎知識に基づいて, 放射線の工学的現象を正しく理解できること.
(6) 将来「放射線取扱主任者」試験を受験する際の基礎知識分野について説明できること.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 放射線に関する基礎知識および工学的現象を理解でき、必要な計算や説明ができる。 | 放射線に関する基礎知識および工学的現象を理解でき、必要な計算ができる。 | 放射線に関する基礎知識および工学的現象を理解できず、計算ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 RB2
説明
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JABEE JB3
説明
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教育方法等
概要:
原子力の分野では,トレーサー利用や放射化分析,ECDを用いたガスクロマトグラフなど,放射性核種や放射線を用いることがある.放射性核種や放射線の取扱いでは,放射線による被曝を極力抑える必要があり,そのためには放射線に関する正しい知識が必要である.この講義では、放射線に関して入門的な事項を学び,将来,放射性核種や放射線を取り扱う必要が生じた際のより高度な学習の基礎とする.
授業の進め方・方法:
教科書およびプリント(3~4枚/週)を中心に用いて講義を行う.このプリントには,空欄を持つ説明文が記載されており,授業中に説明しながら学生が記入する.また,計算演習問題があり,授業中にすべてできないので宿題とする.次の授業時間の最初に提出することとする.
注意点:
本科(準学士過程):RB3(◎)
環境生産システム工学プログラム:JB3(◎)
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業概要、概論(シラバス説明、序論、歴史、放射線の利用) |
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2週 |
放射能を学ぶ基礎(放射壊変と放射能、半減期、崩壊定数、質量欠損とエネルギー) |
半減期や崩壊定数、質量欠損について説明ができること。
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3週 |
放射壊変(α、β、γ壊変、EC、壊変図) |
放射壊変について説明ができること。
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4週 |
核反応(核融合反応、核反応断面積、放射化分析、核分裂) |
核反応について説明ができること。
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5週 |
放射線と物質との相互作用(放射線と物質との相互作用、連続X線、固有X線) |
放射線と物質との相互作用について説明ができること。
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6週 |
放射平衡(放射平衡、過渡平衡、永続平衡、ミルキング) |
放射平衡について説明ができること。
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7週 |
自然放射線環境(天然放射核種、年代測定) |
天然放射核種や年代測定について説明ができること。
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8週 |
中間まとめ |
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2ndQ |
9週 |
放射線の生物への作用(放射線の生物への作用、防護量、実用量、体内被曝) |
放射線の生物への作用について説明ができること。
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10週 |
放射線測定器-1(電離箱、比例計数管、ガスフロー検出器、半導体検出器) |
各種放射線測定器について説明ができること。
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11週 |
放射線測定器-2(シンチレーション検出器、波高分析、その他の検出器) |
各種放射線測定器について説明ができること。
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12週 |
RI製造・分離(ラジオアイソトープ製造・分離、担体、スカベンジャー) |
RIの製造・分離について説明ができること。
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13週 |
原子炉(原子力発電、核燃料リサイクル、MOX燃料、新型転換炉、高速増殖炉) |
原子力発電等の原子炉について説明ができること。
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14週 |
放射線関連事故(放射線関連事故、国際尺度、福島、チェルノブイリ、スリーマイル、JOC、もんじゅ) |
これまでの放射線関連事故について説明ができること。
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15週 |
プレゼンテーション |
放射線概論に関するプレゼンテーションができること。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 報告書 | 授業態度 | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 20 | 5 | 5 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 20 | 5 | 5 | 30 |
専門的能力 | 70 | 0 | 0 | 0 | 70 |