概要:
技術者倫理:今日の私たちは、様々な科学技術の産物に取り囲まれ、それらの恩恵を享受しつつ暮らしている。一方で、技術・サービスを提供する側の人為的な判断ミスや倫理観に劣る行動が、ユーザの日常生活におけるリスクを拡大していることを踏まえ、科学技術に携わる技術者の基本的な資質として、社会への技術・サービスの提供に当たって、適切な行動をとるための判断に資する倫理観を養うことを目標とする。 この科目は、企業で技術者倫理等のコンサルティングを行っている講師が、実例を基に講義およびグループワークで授業を行う。
知的財産権:知的財産権、特に特許権制度について学習し、その意義について理解を図る。そして、いくつかの発明例について、特許権取得のための書類(特許請求の範囲・明細書等)を実際に作成し、技術を権利化する方法を身に着けることを目標とする。
授業の進め方・方法:
技術者倫理:過去に技術者としての倫理観が問われた事例について、Web教材を用いた講義を行い理解を深める。また、その中から代表的な事例を抽出し、グループ討論及び結果の発表を通じて、倫理観に基づく思考方法やプレゼンテーション能力を養うとともに、小テストを行って理解度を確認する。
知的財産権:知的財産権の法体系における位置づけ、知的財産権の概観、諸制度に関する講義を行い、次いで特許出願書類の書き方について説明し、続いていくつかの発明例について特許出願書類を作成する演習を行う。また特許侵害訴訟例について解説をし、特許権の効力について理解を深める。
注意点:
技術者倫理:
小テスト30%、試験70%として、総合評価する。
知的財産権:
レポート50%、試験50%として、総合評価する。
中間試験(技術者倫理)と期末試験(知的財産権)の平均を成績とする。なお、60点未満の学生に対しては、追加試験を課すこととし、その場合の最終評価は60点とする。
評価基準:60点以上を合格とする.
本科(準学士過程) :RB2(◎),環境生産システム工学プログラム : JA3(◎)
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4,後5 |
技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスを実践できる。 | 4 | 後1,後2,後3,後4,後5 |
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5 |
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5 |
社会における技術者の役割と責任を説明できる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5 |
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5 |
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5 |
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5 |
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 3 | 後6,後7 |
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | 後6,後7 |
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | 後6,後7 |
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。 | 3 | 後9 |
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。 | 3 | 後9 |
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。 | 3 | 後1,後9,後10,後11 |
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。 | 3 | 後1,後4,後10,後11 |
社会性、社会的責任、コンプライアンスが強く求められている時代の変化の中で、技術者として信用失墜の禁止と公益の確保が考慮することができる。 | 4 | 後4,後5 |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 3 | 後4,後5,後6 |
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。 | 3 | 後4,後5,後6,後7,後11,後15 |