科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 国語
科目番号 0013 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 大修館書店『精選 国語総合 新訂版』
担当教員 門屋 飛央

到達目標

(1) 古代から現代までの日本文学に触れ、日本語や日本文化に関心をもち、理解できること。
(2) 文章を論理的に読むことができ、論理的な文章を書くことができること。
(3) 古典文法や漢文訓読を理解し、古典文学を解釈できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1日本文学に触れ、日本語や日本文化に積極的に関心をもち、その解釈を表現することができる。日本文学に触れ、日本語や日本文化に関心をもち、理解できる。日本文学に触れても、日本語や日本文化に関心をもたず、理解できない。
評価項目2文章を論理的に読むことができ、文章を論理的に書き、推敲することができる。文章を論理的に読むことができ、文章を論理的に書くことができる。文章を論理的に読むことができず、文章を論理的に書くことができない。
評価項目3古典文法や漢文訓読を充分に理解し、古典文学を多角的に解釈できること。古典文法や漢文訓読を理解し、古典文学を解釈できること。古典文法や漢文訓読を理解できず、古典文学を解釈できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RC2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 時代やジャンルの異なる様々な文章を読む。現代文では、評論や小説、詩を扱う。評論では、文章構成を分析し、筆者の問題提起、論拠、主張を的確に理解できるようになり、
それを自身の文章表現にも活かせるようにする。小説や詩では、多角的な視点から解釈することを行う。古典文法や漢文訓読法は、正確な読みをするために必ず身に付けておかなくてはならない。この授業では、解釈を暗記するのではなく、解釈の方法や論理を理解することを目指す。
授業の進め方・方法:
 ひとつの授業を現代文45分、古典45分に分けて行う。現代文では教員による講義のほかに、個人やグループで意見をまとめてもらう活動も行う。その課題に取り組むなかで、評論や小説を読解する力と、自分の考えを説明する力を習得していく。古典では、教員から学生に適宜質疑をし、古典の文章を分析的に読んでいく。
注意点:
 授業時には、各教科書のほか、辞書をもって臨むこと。現代文の授業には国語辞典、古文の授業には古語辞典、漢文の授業には漢語辞典を持参すること。キャリア教育の入門的な内容として、手紙の書き方体験を組み入れる。評価方法とその割合は中間試験(30%)、期末試験(30%)、提出物(30%)、発表(10%)である。100点満点で60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業の概要をつかむ。
2週 小説「羅生門」(1)/土佐日記「門出」(1) 「羅生門」、「土佐日記」とも、作者や作品の時代背景を理解する。
3週 小説「羅生門」(2)/土佐日記「門出」(2) 下人の置かれた境遇をつかむ。/「いささかにものに書きつく」までを読解する。
4週 小説「羅生門」(3)/土佐日記「門出」(3) 下人の「勇気」について理解する。/「夜更けぬ」までを読解する。
5週 小説「羅生門」(4)/土佐日記「門出」(4) 芥川の表現技法について理解する。/「あざれあへり」までを読解する。
6週 小説「羅生門」(5)/孔子の思想 老婆の論理を理解する。/[学問]から2つを読解する。
7週 小説「羅生門」(6)/孔子の思想 下人の心の動きをつかむ。/[学問]から3つを読解する。
8週 中間試験 これまでの学習をまとめ、表現する。
2ndQ
9週 中間試験解説 試験結果をもとに、これまでの復習と各自の課題発見をする。
10週 評論「尋ねあい」(1)/平家物語「木曽の最期」(1) 評論の構成について理解する。/「最後の合戦」を読解する。
11週 評論「尋ねあい」(2)/平家物語「木曽の最期」(2) 問題提起、論拠、主張をつかむ。/「巴の戦い」「主従の思い」を読解する。
12週 評論「尋ねあい」(1)/平家物語「木曽の最期」(3)/【社会とつながる文章】暑中見舞葉書(1) この評論の文章構成を分析する。/「今井の戦い」を読解する。/暑中見舞葉書の書き方を理解する。。
13週 詩「甃のうへ」「ひとつのメルヘン」「自分の感受性くらい」(1)/平家物語「木曽の最期」(4)/【社会とつながる文章】暑中見舞葉書(2) 詩を鑑賞し、どのように朗読するかを話し合う。/「義仲の最期」を読解する。/葉書のレイアウトを考え、文章を書く。
14週 詩「甃のうへ」「ひとつのメルヘン」「自分の感受性くらい」(2)/孔子の思想(3)/【社会とつながる文章】暑中見舞(3) グループで詩の朗読を発表する。/[政治]から3つを読解する。/葉書の表書きを書き、完成させる。
15週 期末試験解説 試験結果をもとに、これまでの復習と各自の課題発見をする。
16週 前期まとめ 前期に行った学習をまとめ、後期での学習につなげる。
後期
3rdQ
1週 評論「自然と人間の関係をとおして考える」(1)/奥の細道「旅立ち」(1) 問題提起、論拠、主張をつかむ。/「日々旅にして旅をすみかとす」までを読解する。
2週 評論「自然と人間の関係をとおして考える」(2)/奥の細道「旅立ち」(2)/学校行事対応・弁論大会レポート(1) 各グループで、文章構成を話し合う。/「三里に灸すうるより」までを読解する。/ディベートテーマについて、意見を出し合う。
3週 評論「自然と人間の関係をとおして考える」(3)/奥の細道「旅立ち」(3)/学校行事対応・弁論大会レポート(2) 各グループの文章構成をもとに、議論を行う。/「表八句を庵の柱に掛け置く」までを読解する。/ディベートテーマについて、意見を出し合う。/ディベートテーマについて、討論する。
4週 評論「自然と人間の関係をとおして考える」(4)/奥の細道「旅立ち」(4)/学校行事対応・弁論大会レポート(3) 評論を200字で要約する。/「涙をそそく」までを読解する。/ディベートテーマについて、意見をまとめる。
5週 評論「自然と人間の関係をとおして考える」(5)/奥の細道「旅立ち」(5) 改めて文章構成を分析し、クラスでの読みを定める。/「見送るなるべし」までを読解する。
6週 小説「城の崎にて」(1)/唐代の詩(1) 近代文学史について理解する。/「絶句」を読解する。
7週 小説「城の崎にて」(2)/唐代の詩(2) 「よく欄干から蜂の出入りを眺めていた」までを読解する。/「春望」を読解する。
8週 中間試験 これまでの学習をまとめ、表現する。
4thQ
9週 中間試験解説 試験結果をもとに、これまでの復習と各自の課題発見をする。
10週 小説「城の崎にて」(3)/源氏物語「若紫」(1) 「それはしかたのないことだ」までを読解する。/「尼なりけり」までを読解する。
11週 小説「城の崎にて」(4)/源氏物語「若紫」(2) 「自分は~助かった」までを読解する。/「顔はいと赤くすりなして立てり」までを読解する。
12週 評論「技術としての「教養」」(1)/源氏物語「若紫」(3) 文章構成を分析する。/「この子の後見なるべし」までを読解する。
13週 評論「技術としての「教養」」(2)/源氏物語「若紫」(4) 文章構成について議論する。/「ついゐたり」までを読解する。
14週 評論「技術としての「教養」」(3)/源氏物語「若紫」(5) 評論を100字要約する。/「涙ぞ落つる」までを読解する。
15週 期末試験解説 試験結果をもとに、これまでの復習と各自の課題発見をする。
16週 一年間のまとめ 一年間に行った学習をまとめ、今後の学習につなげる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。3前11,前12,後1,後2,後3,後4,後5,後12,後14
論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。3前8,前10,前11,前12,後8,後14
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前13,前14,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後10,後11,後12
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。3前8,前12,前13,前14,前15,後8,後14,後15
類義語・対義語を思考や表現に活用できる。3前6,前7,後13
社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。3前5,前6,前7,後2,後13
専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3前8,後4,後6,後8,後13
実用的な文章(手紙・メール)を、相手や目的に応じた体裁や語句を用いて作成できる。3前12,前13
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。3前5,前10,前11,前12,前13,後3,後14
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。3前1,前9,前16,後1,後3,後9,後11,後12,後15,後16
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。3前8,前13,前15,後4,後8,後11
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。3前14,後3,後4,後13
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3前4,前5,前14,後2,後3,後4,後5,後7,後13
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3前5,前7,前14,後2,後3,後4,後5,後12,後13
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3前2,前5,前6,前7,前14,前15,後1,後10,後11

評価割合

中間試験期末試験課題発表合計
総合評価割合30303010100
基礎的能力30303010100
専門的能力00000
分野横断的能力00000