概要:
この授業では、評論・小説・詩などの近現代の文章について、分析的に読解していくことを目的とする。評論では、文章構成を分析し、筆者の問題提起、論拠、主張を的確に理解できるようになり、それを自身の文章表現にも活かせるようにする。小説や詩では、多角的な視点から解釈できるようになり、自身の思考に繋げられるようにする。
授業の進め方・方法:
教員による講義形式を基本とするが、ペア/グループワークや小レポートなど、意見を発表したり、書いたりする機会も設ける。また、各単元で小レポートを作成し、教室内で議論を行う。随時漢字の小テストを行い、日本語の基礎的知識を修得し、自身の表現活動に役立てられるようにする。
注意点:
評価方法とその割合は、中間試験(30%)、期末試験(30%)、小レポート・小テスト(30%)、発表(10%)とする。
授業時には、上記に指定している教科書のほか、国語辞書を持って臨むこと。また、単元ごとに小レポートを課し、成績評価の対象とする。なお、自主的に発表を行った際には加点を行う。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業ガイダンス
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授業の概要、目的、進め方を理解する。
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2週 |
評論「情報の彫刻」(1) |
紙とデータとの違いについて説明できる。
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3週 |
評論「情報の彫刻」(2) |
内容を理解した上で、自分の意見を理由を挙げて説明できる。
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4週 |
小説「山月記」(1) |
中島敦について理解を深める。 李徴が失踪するまでの経緯を読み取る。
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5週 |
小説「山月記」(2) |
李徴が虎になった経緯を読みとる。
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6週 |
小説「山月記」(3) |
李徴が虎になってからの苦悩を読み取る。
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7週 |
小説「山月記」(4) |
李徴と袁傪とのやり取りを読み取る。
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8週 |
小説「山月記」(5) |
李徴の人物像について、自分の意見をまとめ、議論する。
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2ndQ |
9週 |
中間試験 |
これまでの学習をまとめ、表現する。
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10週 |
中間試験解説/評論「メディアと倫理」(1) |
試験結果をもとに、これまでの復習と各自の課題発見をする。/情報メディアの特性を読み取る。
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11週 |
評論「メディアと倫理」(2) |
戦争と報道との関係性について考察する。
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12週 |
評論「メディアと倫理」(3) |
内容を理解した上で、自分の意見を理由を挙げて説明できる。
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13週 |
詩「永訣の朝」(1) |
宮沢賢治について理解を深める。
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14週 |
詩「永訣の朝」(2) |
詩の情景を理解し、鑑賞する。
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15週 |
詩「永訣の朝」(3) |
鑑賞文を作成し、クラス内で交流する。
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16週 |
前期まとめ |
前期に行った学習をまとめ、後期の学習につなげる。
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後期 |
3rdQ |
1週 |
小説『こころ』(1) |
夏目漱石について理解を深め、作品に対する興味関心を深める。
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2週 |
小説『こころ』(2) |
「私」とKの置かれた状況を読み取る。
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3週 |
小説『こころ』(3) |
「私」とKとの関係性を意識しつつ、物語を読み進める。
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4週 |
小説『こころ』(4) |
「私」とKとの関係性を意識しつつ、物語を読み進める。
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5週 |
小説『こころ』(5) |
「私」とKの心情について考察する。
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6週 |
小説『こころ』(6) |
「私」とKの心情について考察する。
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7週 |
小説『こころ』(7) |
「私」の最終的な心情や、Kが自殺した理由について、自分の意見をまとめ、議論する。
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8週 |
中間試験 |
これまでの学習をまとめ、表現する。
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4thQ |
9週 |
中間試験解説 |
試験結果をもとに、これまでの復習と各自の課題発見をする。
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10週 |
小説「舞姫」(1) |
森鷗外や文体について理解を深める。
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11週 |
小説「舞姫」(2) |
豊太郎の人物像を読み取る。
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12週 |
小説「舞姫」(3) |
豊太郎とエリスとの関係性を読み取る。
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13週 |
小説「舞姫」(4) |
豊太郎の置かれた立場について読み取る。
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14週 |
小説「舞姫」(5) |
豊太郎の心情とエリスとの関係の結末を読み取る。
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15週 |
小説「舞姫」(6) |
豊太郎の価値観について、時代背景を踏まえながら自分の意見をまとめ、議論する。
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16週 |
一年間のまとめ |
一年間に行った学習をまとめ、今後の学習につなげる。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 国語 | 国語 | 論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。 | 3 | 前2,前3,前10,前11,前12,前16 |
文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。 | 3 | 前4,前5,前6,前7,前8,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。 | 3 | 前3,前8,前12,前14,前15,前16,後7,後15 |
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。 | 3 | 前3,前8,前12,前14,前15,後7,後15 |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 3 | 前3,前8,前12,前15,後7,後15 |