概要:
ネットワークの基礎知識を理解するために、通信がどのように行われているかを理解し、
ネットワークを使うための基礎知識を講義によって理解を深める。
授業の進め方・方法:
ネットワークがどのような仕組みなのか講義資料などを見ながら座学を行う。
実際のネットワークの機材や設定なども織り交ぜ、ネットワークの用語に
ついて理解を図る。
注意点:
本科目は履修単位科目である。本科目は企業でネットワークを利用した情報システム開発を担当していた教員が、その経験を活かし、情報ネットワークの基礎について講義形式で授業を行う。
学習教育目標:RB2(◎)
関連科目:情報工学基礎(電子情報2年)、計算機構成論1(電子情報3年)、オペレーティングシステム(電子情報3年)
学習教育目標の達成度評価方法:2回の定期試験の平均点で評価する
学習教育目標の達成度評価基準:総合評価60点以上を合格とする。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
コンピュータネットワーク概要 |
インターネットを含む,コンピュータ通信全般にかかわる概要および構成,要素技術について理解する
|
2週 |
インタフェース,ケーブル |
光ファイバーやEthernetケーブルの構造,それらが電話局から一般家庭,大陸間海底国際接続にどのように使われているのか理解する(WDM,GePON).
|
3週 |
パケット通信,Ethernet |
電話とコンピュータ通信でのデータの送り方の違と,コンピュータ通信で使用されているEthernetの仕組みについて理解する. Ethernetの利用方法を誤ると,ネットワーク全体が大混乱に陥る理由も併せて説明する(プロトコル,Ethernetスイッチ,MAC,ループ)
|
4週 |
IPその1 |
インターネットで使用されているIPプロトコルは何のために存在しているのか.それが果たす機能とは何かを理解する. (IPヘッダ,ルータ,ルーティングテーブル,ネットマスク,IPv6)
|
5週 |
IPその2 |
大規模なネットワークを,複数のグループで排他的に共用することで廉価なコストでネットワークサービスが提供できる.インターネットのフレッツサービスを題材に,データがまじりあわないように分離するためのいくつかの技術を理解する. (PPPoE,IPoE,VLAN,MPLS)
|
6週 |
TCP |
インターネットで使用されているTCPプロトコルやUDPプロトコルは何のために存在しているのか.それが果たす機能とは何かを理解する.またプロトコルが性能を劣化させることについても理解する.(TCPヘッダ,UDPヘッダ,ポート,送達確認,OSI参照モデル)
|
7週 |
TCP/UDP |
TCPの再送機能,輻輳回避機能を理解する
|
8週 |
中間試験 |
|
4thQ |
9週 |
WWW |
WebブラウザとWebサーバの間で使用されるHTTPプロトコルについて仕様および機能について理解する.(HTTP,HTML,CSS,動的Web)
|
10週 |
Webサービス |
Webサービスを構成するために,必要となるブラウザ,動的Webサーバ,データベースのモデルについて理解する. (フレームワーク,RDBMS,SQL,Javascript)
|
11週 |
DNS |
インターネットを使うユーザはIPアドレスではなくURLを意識する.URLはどのようにIPアドレスに変換されるのか, ブラウザに入力するURLと,メールアドレスの@の後に続くドメイン名の違いは何かについて理解する.(DNS,URL,TLD,ドメインレジストラ)
|
12週 |
音声通信.ワイヤレス通信 |
携帯電話とWiFiの通信方式について理解する.またSIMロック,格安SIMについても通信ビジネスおよび利用者観点から俯瞰する.(LTE,5G,802.11ac,802.11ah,MVNO,番号ポータビリティ)
|
13週 |
ネットワークセキュリティ1 |
認証と署名の必要性,およびそれを実現するための暗号方式,PKI,ハッシュについて理解する(共有鍵暗号,公開鍵暗号,証明書,二段階認証)
|
14週 |
ネットワークセキュリティ2 |
DDoS攻撃,パスワード搾取,マルウェア,Bot,スタックオーバフローなどの脅威について,原理と対策について理解する
|
15週 |
演習問題 |
解説と全体のまとめと演習問題
|
16週 |
期末試験 |
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 情報リテラシー | 情報リテラシー | 情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。 | 4 | |
情報セキュリティの必要性および守るべき情報を認識している。 | 3 | |
個人情報とプライバシー保護の考え方についての基本的な配慮ができる。 | 3 | |
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威を認識している | 3 | |
インターネット(SNSを含む)やコンピュータの利用における様々な脅威に対して実践すべき対策を説明できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | コンピュータシステム | 集中処理システムについて、それぞれの特徴と代表的な例を説明できる。 | 4 | |
分散処理システムについて、特徴と代表的な例を説明できる。 | 4 | |
情報通信ネットワーク | プロトコルの概念を説明できる。 | 4 | |
プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。 | 4 | |
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。 | 4 | |
インターネットの概念を説明できる。 | 4 | |
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。 | 4 | |
主要なサーバの構築方法を説明できる。 | 2 | |
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる。 | 4 | |
無線通信の仕組みと規格について説明できる。 | 4 | |
有線通信の仕組みと規格について説明できる。 | 4 | |
SSH等のリモートアクセスの接続形態と仕組みについて説明できる。 | 4 | |
基本的なルーティング技術について説明できる。 | 4 | |
基本的なフィルタリング技術について説明できる。 | 4 | |
情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる。 | 2 | |
その他の学習内容 | コンピュータウィルスやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。 | 4 | |
コンピュータを扱っている際に遭遇しうる脅威に対する対策例について説明できる。 | 4 | |
基本的な暗号化技術について説明できる。 | 4 | |
基本的なアクセス制御技術について説明できる。 | 4 | |
マルウェアやフィッシングなど、コンピュータを扱っている際に遭遇しうる代表的な脅威について説明できる。 | 4 | |