到達目標
(1)各種微分方程式について差分式が得られること。
(2)各種解法の特徴を把握できること。
(3)数値シミュレーションにあたって、結果を可視化できること。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 常微分方程式の各種差分化が理解でき、実際に差分スキームが作成できる。 | 常微分方程式の各種差分化が理解できる。 | 常微分方程式の各種差分化が理解できない。 |
評価項目2 | 偏微分方程式の分類ができ、具体的な問題に適用できる。 | 偏微分方程式の分類ができる。 | 偏微分方程式の分類ができない。 |
評価項目3 | 計算機シミュレーションのスキームが理解でき、実際にシミュレーションができる。 | 計算機シミュレーションのスキームが理解できる。 | 計算機シミュレーションのスキームが理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 RB2
説明
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JABEE JB2
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教育方法等
概要:
計算機シミュレーションの有効性とその解法を理解させ、具体例なモデルを作りプログラミング演習させる事により、学生の習熟度を高める。「環境生産システム工学」教育プログラムの学習・教育目標であるJB2の「工学的諸問題に対処する際に必要な,情報処理に関する基礎知識を理解できる」に相当する内容である。
尚、全体を通して企業等の実務経験者が指導を行う。
授業の進め方・方法:
様々な現象を記述した数学モデルは、通常微分方程式で記述されるが、その解析解を得ることができる方程式は少ない。そのような方程式は数値的に解くことが一般的である。計算機シミュレーションの対象となる問題のほとんどは、複数の独立変数をもつ偏微分方程式により記述される。本授業においては、まず未知関数が1個の独立変数で記述される常微分方程式の数値解法を教授し、微分方程式の数値解法の基礎を学習する。また具体的な社会現象・物理現象に関する数学モデルについて説明し、数式を立てて数値解を解くことを行う。これらをふまえた上で、双曲型・放物型・楕円型の3つの偏微分方程式を取り上げ、差分法を用いた数値解法を理解させる
注意点:
学習教育目標:本科(準学士課程):RB2(◎)
学習教育目標:環境生産システム法学プログラム:JB2(◎)
関連科目:解析Ⅱ(本科3年)、解析Ⅲ(本科4年)、線形代数(本科2年)、プログラミング基礎(本科2年)、プログラミング応用(本科3年)、数値計算(本科3年)、ディジタル信号処理(本科5年)
学習教育目標(RB2, JB2)の達成および科目取得の評価方法:課題の平均点(60%)+定期試験(40%)により評価とする。
学習教育目標(RB2, JB2)の達成および科目取得の評価基準:学年成績60点以上を合格とする。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
シラバスの説明及び計算機シミュレーションの概略 |
講義の方針とシラバスの説明を行い、具体的な評価方法を示す。計算機シミュレーションで対象とされる現象について習熟する。
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2週 |
常微分方程式の初期値問題、オイラー法 |
独立変数が1つの常微分方程式の初期値問題を定義し、時間の離散化に伴う種々の問題について理解を深め、もっとも単純なオイラー法のアルゴリズムとその安定性について学習する。
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3週 |
改良オイラー法、修正オイラー法 |
オイラー法の改良としての2次のアルゴリズムである改良オイラー法・修正オイラー法のアルゴリズムと安定性について学習する。
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4週 |
ルンゲ・クッタ法、予測子・修正子法 |
より高次のアルゴリズムである各種ルンゲ・クッタ法のアルゴリズムを学習する。また、多段階法による予測子・修正子法のアルゴリズムを学習する。
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5週 |
連立及び高階常微分方程式
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実際の問題に適用するための連立常微分方程式及び高階常微分方程式への応用を行う。
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6週 |
シンプレクティック数値解法 |
保存系の運動方程式を解く際に有効となるシンプレクティック数値積分のアルゴリズムとその保存量について習熟する。
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7週 |
境界値問題、数学モデルについての概略 |
常微分方程式の境界値問題を定義し、具体的な差分方程式の解法を習得する。
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8週 |
中間確認試験 |
常微分方程式の差分アルゴリズムとその数学的性質につての習熟度を評価する。
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4thQ |
9週 |
試験の解答・解説、偏微分方程式の初期値・境界値問題 |
中間確認試験の解説を行い、また、独立変数が2種類以上ある偏微分方程式について、典型例を学習する。
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10週 |
偏微分方程式の特性曲線による分類 |
偏微分方程式の特性方向を知ることにより、変数変換によって3種類の型に分類できることを学習する。
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11週 |
双曲型方程式およびその解法 |
双曲型の偏微分方程式は、移流方程式に分解でき、その各種解法のアルゴリズムとその安定性解析及びクーラン数の概念を学習する。併せて数値拡散について知見を得る。
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12週 |
放物型方程式およびその解法 |
放物型の偏微分方程式の陽的解法と拡散数による安定性、またクランク・ニコルソンの半陰的解法を学習する。
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13週 |
楕円型方程式およびその解法 |
楕円型の偏微分方程式の境界値問題の差分化による各種アルゴリズム及びラプラス方程式の最大値原理について理解する。
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14週 |
総合演習 |
計算機シミュレーションで学習した各種アルゴリズムを実際問題に適用する。
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15週 |
学習のまとめ |
計算機シミュレーションで学習した内容の総括を行い、理解度を向上する。
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16週 |
期末試験 |
偏微分方程式の差分アルゴリズムとその数学的性質につての習熟度を評価する。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | プログラミング | 変数の概念を説明できる。 | 4 | |
データ型の概念を説明できる。 | 4 | |
代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。 | 4 | |
制御構造の概念を理解し、条件分岐を記述できる。 | 4 | |
制御構造の概念を理解し、反復処理を記述できる。 | 4 | |
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。 | 4 | |
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。 | 4 | |
与えられたソースプログラムを解析し、プログラムの動作を予測することができる。 | 4 | |
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。 | 4 | |
ソフトウェア | アルゴリズムの概念を説明できる。 | 4 | |
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。 | 4 | |
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 課題 | 試験 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 100 |
基礎的能力 | 20 | 10 | 30 |
専門的能力 | 20 | 20 | 40 |
分野横断的能力 | 20 | 10 | 30 |