到達目標
ネットワークセキュリティ,サイバーセキュリティに焦点をあて,インターネットとサーバー空間の脅威,攻撃手法,について概念と仕組みを理解する.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 脅威 | サイバー空間における脅威について網羅的に説明できる | サイバー空間の脅威に関する与えられた語句について説明できる | サイバー空間の脅威を理解していない |
評価項目2 攻撃手法 | 攻撃手法についていくつかは自分で実践して,その仕組みを説明できる. | 攻撃手法に関する与えられた語句について説明できる | 攻撃手法について説明できない |
学科の到達目標項目との関係
学習・教育到達度目標 RB2
説明
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JABEE JB3
説明
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教育方法等
概要:
インターネットセキュリティ,サイバー空間セキュリティについて,脅威の種類及び攻撃手法について論述する.
尚、全体を通して企業での情報通信業務の実務経験者が指導を行う。
授業の進め方・方法:
授業形式をとるが,パソコンを持参して実際に攻撃のいくつかの自分のパソコンで実践しながら学ぶ体験型授業とする.
注意点:
この科目は学修単位科目「B」です。授業外学修の時間を含めます。
毎回、授業外学修のための課題を課します。
本科(準学士課程)の学習教育目標 : RB2(◎)
環境生産システム工学プログラムの学習教育目標:JB3(◎)
関連科目:オペレーティングシステム(本科3年),計算機構成論Ⅱ(本科4年),通信システム(本科5年) ,情報理論Ⅱ(本科5年)
学習教育目標の達成度評価方法:2回の試験の平均を総合評価とする.
但し、総合得点50点以上60点に満たないものは、10点満点の課題もしくは再試を課す.
学習教育目標の達成度評価基準:総合評価60点以上を合格とする.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
セキュリティ概論 ネットワークサイバー空間の脅威 |
シラバス説明,ネットワークおよびサイバー空間の脅威の種類について理解する マルウェア,Botnet,フィッシング,DDoS,DNSポゾニング,システム侵入,パスワードクラック,スタックオーバフロー,特権奪取,盗聴,改ざん
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2週 |
暗号1 共通鍵暗号 モード ハッシュ MAC |
共通鍵暗号と公開会暗号の差異,共通鍵暗号の用途,共通鍵暗号の種類,DESの脆弱性,AES,暗号モード,ハッシュ関数,MAC(メッセージ認証)について説明できる
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3週 |
暗号2 公開鍵暗号 RSA 楕円 数学基盤 |
公開鍵暗号の種類,初等整数論,DHのアルゴリズム,RSAのアルゴリズム,楕円暗号のアルゴリズムなど技術的要素について説明できる
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4週 |
暗号3 公開鍵暗号 署名 証明書 PKI |
公開鍵暗号の用途,署名,証明書,PKIなど公開鍵暗号のアプリケーションについて説明できる
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5週 |
TLS プロコル サーバ認証 openssl実習 |
TLSプロトコル,サーバ認証(SAN),OCSPステープリングについて説明できる.opensslでX509証明書を作成できる.その証明書をWebサーバにインストルしてChromeブラウザでアクセスしてみる.
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6週 |
認証 パスワード PAP/CHAP OTP ID連携 |
認証の種類,パスワード認証におけるPAP/CHAPそれぞれの特徴,ワンタイムパスワード,ID連携の方法について説明できる.
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7週 |
ネットワークセキュリティ技術 Proxy FW NAT IPSec(LANブリッジ,リモートアクセス) WAF LB |
ネットワークセキュリティ装置である,ファイヤーウォール,NAPT,LANブリッジ,リモートアクセス,Web Application Firewall, ロードバランサの機能について説明できる.
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
ネットワーク攻撃実習の準備 KaliLinux |
VirtualBoxを使い,ネットワークセキュリティ関連で良く用いられるKaliLinuxのインストールと以降の授業で利用するツールについて説明する.
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10週 |
情報収集手法 (受動的情報収集) |
Google検索演算子,サーバサイトの情報収集(Shodan/maltego),個人情報収集(Spokeo/intellius),OSINT(twittermap/twint)等の検索ツールの存在を理解する.
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11週 |
脆弱性検出(能動的情報収集=受動的攻撃=スキャン)とシステムへの侵入(能動的攻撃) |
ネットワーク(アドレス)スキャン()とポートスキャン(nmap),Webスキャン(OWASPzap),総合スキャン(GVM)による古いバージョンOSや古いバージョンのアプリケーションのサーチすることができることを知る.
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12週 |
システムへの侵入特権奪取(能動的攻撃) |
古いバージョンのOSの脆弱性をついた侵入(Windows1803),古いアプリケーションの脆弱性をついた侵入などのデモ実践により,侵入経路は複数あることを知る.
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13週 |
システムへの侵入特権奪取後の行動(能動的攻撃) |
Windows10に不正侵入後、バックドアの生成(リモートデスクトップ起動)、パスワードファイルの搾取、ログの消去、新しいアカウントの生成などを行う。これにより次回以降は不正侵入経路ではなく、正規経路より不正侵入する。
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14週 |
ブロックチェーン |
暗号化資産、トランザクション、ブロックチェーン、マイニングなどの概念を理解する
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15週 |
ダークWeb |
匿名化ネットワークを介した公開サーバへの匿名アクセスや、特定の人にしか存在を知られず匿名化ネットワーク経由でなければアクセスできないサーバの技術的な仕組みについて理解する。
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16週 |
期末試験 |
解答とまとめ
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | ソフトウェア | コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。 | 4 | |
同一の問題に対し、選択したデータ構造によってアルゴリズムが変化しうることを説明できる。 | 4 | |
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造の概念と操作を説明できる。 | 4 | |
コンピュータシステム | 集中処理システムについて、それぞれの特徴と代表的な例を説明できる。 | 4 | |
分散処理システムについて、特徴と代表的な例を説明できる。 | 4 | |
情報通信ネットワーク | プロトコルの概念を説明できる。 | 4 | |
プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。 | 4 | |
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。 | 4 | |
インターネットの概念を説明できる。 | 4 | |
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。 | 4 | |
主要なサーバの構築方法を説明できる。 | 4 | |
有線通信の仕組みと規格について説明できる。 | 4 | |
基本的なルーティング技術について説明できる。 | 4 | |
基本的なフィルタリング技術について説明できる。 | 4 | |
情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 0 | 30 |
専門的能力 | 70 | 0 | 70 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |