線形代数

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 線形代数
科目番号 0109 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「線形代数」(森北出版)
担当教員 山田 哲也

到達目標

(1) ベクトルについての理解:ベクトルの加法・スカラー倍・内積の計算ができる.。具体的な図形の方程式を求めることができる。
(2) 行列の演算についての理解:行列の型を区別し、加法・減法・乗法の計算ができる。逆行列の意味を理解し, 求めることができる。
(3) 連立1次方程式の解法:解を求めることができる。解の仕組みを理解できる。
(4) 線形変換についての理解:具体的な線形変換について、行列の性質を用いて問題を解くことができる。
(5) 行列式の理解と応用:行列式の計算ができる。
(6) 固有値の理解:固有値と固有ベクトルを求めることができ、行列の対角化ができる。
モデルコアカリキュラムに含まれる到達目標を含む。 対応は数学科HPを参照。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ベクトルの基本的な演算ができ、具体的な図形のベクトル方程式を求めることができる。ベクトルの基本的な演算ができる。ベクトルの基本的な計算ができない。
評価項目2行列および3次以下の行列式の計算ができ、さらに4次以上の行列式の計算ができる。行列および3次以下の行列式の計算ができる。行列および3次以下の行列式の計算ができない。
評価項目3行基本変形を用いて連立1次方程式が解け、さらにその解の仕組みを説明することができる。行基本変形を用いて連立1次方程式が解ける。行基本変形を用いて連立1次方程式が解けない。
評価項目43次以下の正方行列の対角化ができる。3次以下の正方行列の固有値・固有ベクトルが計算できる。3次以下の正方行列の固有値・固有ベクトルが計算できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RB1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
線形代数の基本的な考え方を、ベクトルの図形への応用・行列・行列式・線形変換の学習を通して理解する。ベクトルの成分表示の扱いに慣れ、直線と平面のベクトル表現、行列の演算、行列式の計算、連立1次方程式の解法、線形変換と固有値とその応用などを中心に学習する.
授業の進め方・方法:
授業は線形代数の基本的な考え方と手法が身につくよう、グループ学習を中心に適宜問題演習と小テストを行う。また、グラフ電卓を用いた確認と検証、探究活動も随時行う。
注意点:
100点満点で60点以上を合格とする。成績の算出方法は以下のとおり。
成績(100)=小テストの得点率×0.7(70)+課題(30)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・ベクトルと図形(1)
直線のベクトル方程式を求めることができる。
2週 ベクトルと図形(2)
ベクトルと内積、成分による内積の計算ができる。
3週 ベクトルと図形(3)
ベクトルのなす角、内積の性質、垂直条件に関する問題を解くことができる。
4週 ベクトルと図形(4)
座標平面における直線の方程式および平面の方程式を求めることができる。
5週 小テスト(1)・ベクトルと図形(5)
円または球面の方程式を求めることができる。
6週 行列(1)
行列の和、差、実数倍の計算ができる。
7週 行列(2) 行列の積の計算ができ、その演算の性質を理解する。
8週 中間まとめ・行列(3) 転置行列および逆行列の定義を理解し、2次の逆行列を求めることができる。
2ndQ
9週 小テスト(2)・行列(4) 連立1次方程式を行列表現することができ、クラメルの公式を用いて連立2元1次方程式が解ける。
10週 行列式(1) サラスの方法を用いて3次正方行列の行列式が計算でき、クラメルの公式を用いて連立3元1次方程式が解ける。
11週 行列式(2) 行列式の基本変形を用いて、4次以上の行列式を計算することができ、行列の積の行列式に関する問題を解くことができる。
12週 行列式(3) 余因子の定義を理解し、余因子展開を用いて行列式の計算ができる。また、余因子行列から逆行列を求めることができる。
13週 行列式の応用 行列式の応用として、平行四辺形の面積、外積、平行六面体の体積を計算することができる。
14週 小テスト(3)
15週 学習のまとめ
16週
後期
3rdQ
1週 基本変形とその応用(1)
連立1次方程式を行列表現することができ、基本変形を用いて連立1次方程式を解くことができる。
2週 基本変形とその応用(2)
基本変形を用いて逆行列の計算をすることができる。
3週 基本変形とその応用(3)
行列の階数の定義を理解し、行列の階数を計算することができる。
4週 小テスト(4)
5週 基本変形とその応用(4)
連立1次方程式の解と行列の階数の関係が説明できる。
6週 基本変形とその応用(5)
ベクトルの線形独立と線形従属の定義を理解し、ベクトルが線形独立かどうかを判定できる。
7週 線形変換(1) 線形変換の定義およびその性質を理解し、線形変換の表現行列を求めることができる。また、直線の線形変換による像を求めることができる。
8週 中間まとめ・線形変換(2)
基本ベクトルの線形変換による像が計算できる。また、原点まわりの回転を表す線形変換の表現行列を計算することができる。
4thQ
9週 線形変換(3)
合成変換および逆変換を表す線形変換の表現行列を求めることができる。
10週 小テスト(5)
11週 線形変換(4)
直交行列および直交変換の定義を理解する。
12週 固有値と対角化(1)
固有値と固有ベクトルを求めることができる。
13週 固有値と対角化(2)
行列を対角化することができる。
14週 小テスト(6)
15週 対角行列の対角化
対称行列を対角化することができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3

評価割合

小テスト発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力70000030100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000