数値計算

科目基礎情報

学校 福井工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 数値計算
科目番号 0118 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子情報工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「だれでもわかる数値解析入門」新濃清志・船田哲男共著(近代科学社)
担当教員 西 仁司

到達目標

(1) コンピュータを用いた計算で発生する数値誤差を評価できること。
(2) 数値計算に関するアルゴリズムの特徴を理解すること。
(3) プログラミング等の情報処理技術を用いて、数値計算アルゴリズムを実装できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
上記の到達目標(1)計算アルゴリズムから、誤差の原因を特定して誤差を評価することができる。具体的な数値に対して誤差を評価することができる。数値誤差を評価することができない。
上記の到達目標(2)実際の計算結果を用いて、アルゴリズムの特徴を説明することができる。アルゴリズムの特徴を説明することができる。アルゴリズムの特徴を説明することができない。
上記の到達目標(3)数値誤差の影響を考慮しながら、数値計算アルゴリズムを実装できる。また、そのアルゴリズムの流れを説明できる。数値誤差の影響を考慮しながら、数値計算アルゴリズムを実装できる。数値計算アルゴリズムを実装できる。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 RB2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
各種産業プラント・ロボット制御・音声画像処理・知識工学へと、数値演算の領域が広がってきており、電子情報分野の専門家には数値計算に関する基礎的な理解が必須である。この授業では、数学の知識に加えて、情報処理の技術に基づいて、実験や数値シミュレーションの結果を処理できる力を育成する。特に、公式やアルゴリズムが導かれる過程を追跡する事によって、それらの特徴などを理解し、数値解析の基本的事項を学ぶ。
授業の進め方・方法:
座学を中心とし、教科書に沿って講義を行い、数値演算の長所・短所を認識する。また、授業中にプログラム演習を行い、講義内容を確かめる。レポートとして課すプログラム演習を通して習熟度を高める。
注意点:
本科(準学士課程)の学習教育目標:RB2(◎)
関連科目:解析Ⅱ(本科3年)、線形代数(本科2年)、プログラミング基礎(本科2年)、プログラミング応用(本科3年)、計算機シミュレーション(本科5年)
学習教育目標の達成度評価方法:2回の試験(配分50%)と課題レポート(配分50%)により評価する。合格点に満たない場合は課題の追加提出、および再試験を実施することもあるが、その場合の最高点は60点とする。
学習教育目標の達成度評価基準:達成度評価方法(100点満点)で60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明及びガイダンス
計算機の中の数値
計算機内での数値の記憶方法を理解する
2週 誤差に関する演習 誤差の種類と発生メカニズムを理解する
3週 演習をふまえた誤差の考察 誤差が発生するプログラムを作成し、その結果を説明できる
4週 ホーナー法
区間縮小法(2分法,10等分法)
ホーナー法と区間縮小法を理解する
5週 反復法(ニュートン法、線形逆補間法) 反復法を理解する
6週 区分求積法、台形公式、ラグランジュの補間多項式 数値積分の各手法を理解する
7週 シンプソン公式、複合台形公式、複合シンプソン公式 数値積分の各手法を理解する
8週 計算機の誤差、非線形方程式の近似解、数値積分の中間確認試験 非線形方程式の近似解計算手法と数値積分のプログラムを作成できる
2ndQ
9週 試験の解答・解説
掃出法
10週 直接法、誤差の影響を考慮したアルゴリズム 直接法のプログラムを作成できる
11週 ガウスの消去法、LU分解 ガウスの消去法、LU分解を理解する
12週 反復法(ヤコビ法、ガウス・ザイデル法) 反復法のアルゴリズムを理解する
13週 収束性と誤差
CSR形式による係数の記憶
反復法の収束性を理解する
14週 連立方程式の解導出アルゴリズムの比較 アルゴリズムによる誤差や計算速度の違いを理解する
15週 期末試験の解説、学習のまとめ 前期の範囲の全体を振り返り、理解する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報数学・情報理論コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係することを説明できる。4前1,前2,前3
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を説明できる。4前10,前13
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。4前4,前5,前6,前9,前11,前12

評価割合

前期中間確認試験前期期末試験課題・レポート合計
総合評価割合252550100
基礎知識20202565
応用能力552535